12話
あれから一ヶ月が過ぎて
俺は愛桜と会えないで居た
「いらっしゃい」
店のドアを開けたのは
「こんにちは」
羽音ちゃんだった
「未成年には酒は売れねぇぞ」
「解ってます。
拓人さん…ちょっといいですか?」
二人で近くの公園に来た
「コーラ飲める?」
「ありがとうございます」
ベンチに腰掛けた俺の横に羽音ちゃんも腰を下ろした
「愛桜…元気か?」
「もう1ヶ月も会ってないって本当だったんですね」
「まぁな。愛桜のことになるとこうなっちまう」
拓人さんの優しい瞳と力ない笑顔に
「何か安心しました。
今日来たのは、学校で愛桜と如月先生が喧嘩みたいになったんです…」
「…喧嘩?」
――――――――
昼休み
「大の負け」
「相変わらず弱いんだから…」
友希ちゃんと愛桜がお腹を抱えながら大を指さし笑ってる
「ずっと大貧民だね」
「羽音まで、うっせぇな」
「じゃあジュース買いに行ってくれたらジョーカーあげる」
「紅茶でよろしいでしょうか愛桜姫様」
そういいながら120円を机に愛桜が出した時だった
「ちょっと」
そこにちょうど先生が来た
「賭け事は禁止よ
あなたたち謹慎になりたいの?」
「賭け事なんかしてないよ?愛桜がジュース買うお金机に出しただけで」
「先生さ私達に何か恨みでもあるの?」
友希ちゃんと羽音ちゃんは先生にそう伝える
「ことあるごとに理由も聞かず謹慎にしようとしたり…普通は庇うっつか信じるだろ?生徒のこと」
大はそう言いながら120円を持って教室から出ていった
「おい大!」
「ごめんなさい…てっきり私」
ガタンッ
先生の言葉を遮るように愛桜は席を立つ
「私が嫌いなんだよ先生は。」
余りにも突然起こったトラブルに回りの生徒も私たちを見つめていた
「紺野さん、それは違う」
「違うくない
ずっと大好きだった人捕られて腹がたつんでしょ?」
バチン―…
頬を軽く叩かれた愛桜はガチャンと体勢を崩し椅子に突っ込んだ
「紺野さん!ごめんなさい…大丈夫?」
我に帰り自分のしたことを悔やんだ如月先生は愛桜に手を伸ばした
バシッとその手を払いのけた愛桜は大粒の涙を流した
「どうして?私の前に現れたのよ!この学校に来たの?
先生さえ居なきゃ…先生さえ居なきゃ良かったのに」
ガタン
「待て愛桜!」
「先生あんまり気にしないで」
「愛桜も本心じゃないから」
「ごめんなさい。私先生に向いてないよね」
「ったく拓人さんは何やってんだか」
「先生も割と短気だよね?でもあの言い方は良くない。愛桜も八つ当たりだから。本当に拓人さん何してるのよ」
大と愛桜が出て行ったあとの教室は騒然としていた
―――――――
「そんなことがあったのか…」
「如月先生は多分言いにくいと思うし、愛桜は意地はって言わないと思うから」
「気使わせて悪かったな」
「で…実は私達にも愛桜何か隠してて…」
「隠してるって?」
「昼休みの後、如月先生が職員室で居たら相談室から愛桜が出てきたらしくて」
「それで?」
「教室であった話じゃなくて別の話だったみたいで。
他の先生に聞いても知らないとかまだ言えないの一点張りだったみたいなんです」
「愛桜が何かしたのか?」
「私達も解らないから拓人さん他に理由知らないかなって思って」
「生憎俺は知らない…」
「ですよね…
あと稜って人居るじゃないですか…?あの人愛桜に酷いこと言ったんです」
「稜が?」
「ずっと大好きだった如月先生の邪魔すんなって…」
「はあ?」
「拓人さんと如月先生は付き合った振りなんかじゃなくてそれ以上の関係って。彼女面するなら如月先生に拓人さんを返してやれって…
ねぇ拓人さん、愛桜は拓人さんが思ってるよりいっぱい傷ついてるんだよ。何とかしてあげてください」
「なんかわりぃな。いい大人が」
「私達は知ってます
拓人さんが愛桜を大好きなこと…
けど愛桜は拓人さんを無くすのが怖すぎて上手く理解できないんだと思うんです」
「何となく解った気がする。愛桜に言われた違うって部分。もう少しちゃんと伝えなきゃな」
「お願いします」
羽音ちゃんが帰るのを確かめ店に戻る
さすがにそろそろお互いの関係が危うい気がする
余裕なんてないくせにどこか余裕ぶってた
愛桜はどんな事があったって俺以外好きにならないと思うし、どんなに冷たくしてもきっと泣いて傍に居るって
けどそれは。
俺もだと思った
「今日飯は?」
「いい。飲みに行くから」
「ったく早く愛桜を連れてこい
酒が不味いだろ」
「わかったわかった
そろそろちゃんとするよ」
「最近忙しいのかしら?
会いにも来ないからまた拓人とケンカしたんだって思ったわ」
「大丈夫。また連れてくるから」
俺の言葉に2人は安堵したような顔をした




