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異世界でもいつもと変わらず  作者: めう
4/4

危機

しかし町のような所を発見したとはいえ

果たして自分がそこに無事たどり着けるだろうか

自分にはチート、魔法があるとしてもこの力がいったいどこまで通用するのか

また「ソナー」はしっかり使いこなせた……が

他の護身に使えるであろう魔法もそう上手く行くとは


……


悲観的に考えては駄目だ

先ずは全て上手く行くと仮定して

衣食住が可能な場所に辿り着く最適解を考える


現在自分に危険をもたらす主な要因は先ほど「ソナー」で捉えた四つの存在

可能な限り接触は避けるべきでありこれだけ広ければ大丈夫であろうと思う


他にも小さな虫などが毒を持っていて自身の生命を脅かす可能性もあるが

こればかりは自分に虫の知識が無いので現時点ではどうにもならない


後は地形、これは自然に出来た穴や滑りやすい場所など

移動時に気をつけるもので一番厄介かもしれない


目標の町までは4kmほど、大雑把な計算ではあるが2時間歩き続ければ

辿り着けるだろうか


ひとまず移動しながら考えることにする


足を踏み出す


このひらけた辺りの地面はなだらかで

歩き進むのにそこまで苦労しないがこの先そうであるとは限らない


幸いにも一番脅威に感じた自分より

一回り大きい動的存在は進行方向とは反対に位置している


対称的に四つの中で

比較的小さな存在が進む先に居るのは神の悪戯か

まぁ、危険が大きい方か小さい方か選べと問われれば断然小さい方であろう


迂回するつもりではあるがやけに活発であり動きも速い


最悪接触しても倒す必要はなく抑制し強引に通ればいいか


しばらく進み地形が変化してきた事に気がつく


移動時に重心がずれ、片足では尻餅をつく……ほど滑るわけでは無いのだが

大きい岩が多く早足で進めばこけるかもしれない


どうやら近くに水が流れているらしいが進む方向が限定され

このまま進めば「ソナー」によって捉えた小さい存在との接触は免れないだろう


迂回という選択肢ももはやなく

いやこのような状況だからこそ柔軟な思考が出来ないのかもしれないが

他のルートでまた同じ状況、もしくはより危険な存在と接触しないということも考えられない


腹を決める


どのように行動し対象を抑制するか、最悪殺したほうがいいのではないか?


……


…………


………………


通常、魔法は詠唱、魔法自身に名前を付けるなど

使用者がイメージしやすいように

長い歴史を持ってあらゆる工夫がなされ進化してきた


人によっては脳内で今までに視た現象を細部狂い無くイメージ出来る者や

自ら考え組上げた机上の空論を魔法によって現象とする者も居り

しばしばそういった者は天才、神の子などと言われていた


………………


…………


……


対象から存在を認知されることなく通り抜ける


こちらからはすでに対象の姿は見えていた


少年はまず自分の姿を見えにくくする


太陽からの光を乱反射させ粗雑ではあるものの自然と同化し


次に匂いを消す、先ほどから見えているは狼のような白い獣

大きさから判断してまさにそのものであるが息が荒く威圧感を放っているような気がする


普通に捉えられれば穏便には済まされないはずだ


幸いこれだけの距離でも発見されていないのは運がよかったか


そして音、既に思いつく限りの自身から発せられる情報は消した


後は出来るだけ低い姿勢で横を通り抜ける


もしぶつかったら?何らかの形で見つかったり襲われたら?

それを今から進みつつ考える

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