初めての魔法
魔法は人の思い、願いを具現化させ
空気中に漂うマナを介し様々な現象を引き起こす
今回少年が使用する魔法「ソナー」は
周辺を捜索、探知する魔法である
イメージは自身の体から極小の球体が大量に発射され
跳ね返ってきた球体から情報を得てそれを整理
距離に応じて得られる情報が多い場合には
自身にかかる負荷を最小化するため、ある程度情報を捨てたりするなど
生身の少年の身体に対してイメージを組上げていかなければならない
目を閉じると鮮明に
目を開けていても閉じている時よりかはシャープであるが
少年は周りの状況をほぼ全て捉えることが出来た
まず比較的負荷の軽い半径500mに対し高密度でソナーをかけたところ
注意すべき動的な物体を四つ捉えた
これは時間差でソナーをぶつけた際に動いていると判断したのと
得られる情報から物体の温度が周辺の地面、草、木等より高く
また動物、自身の体温と近いと感覚的に判断したからである
大きさはそれぞれうさぎサイズのものから
少年自身より一回り大きいゴリラ……ほどのサイズのものまで
ここがどこかわからない以上、自分より小さい動物であれ
毒やなんらかの手段によって危険をもたらすかもしれない
注意するべきである
そして驚いたのが半径5kmに対し低密度でソナーをかけたところ
現在少年が居る森は今回のソナーでも全貌を捉えきれないほど
中々の広さをもっているようだが
半径5km以内に多数の人が住んでいると思われる町のような所を捉えたのである