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プロローグ
……気づいたら少年は辺り一面真っ白なところに居た
唯一、色を持っているのは自分のみで
見慣れない光景、地面すらも白く
浮いているような感覚に動揺する
体が見えるということは
光が存在するということだろうが
不思議と体から落ちた影は無く
地面を平面として認識出来ない
このままだと気が狂ってしまいそうだ
そう思いかけたとき突然後ろから声がした
「あなたにチートをあげて異世界に飛ばすわ」
そう言われ振り向くと視線の先に居たのは
身長150センチほどの純白のワンピースに身を包んだ
黒く長い髪の少女、顔はとてもかわいらしい
しかし一拍おいて脳内に流れてきたのは
膨大な情報、どうやら向こうの魔法に関することらしいが
耳から冷水を流し込まれるが如くとても不快
いくら時間が経ったかはわからないが
少年にはとても長いことのように思えた
頭痛でも残るかと思われたが先程よりか
頭の回転がよくなった気がする少年
次は自分から声をかけてみるかと思った矢先
「はい、じゃあね」
少女はそう言い、視界は暗転
どうやらまた意識を失ったようだ