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安直短編集

゛生" き ゛物"

 生きている

 僕はこうして息をして、

 動いて、

 耳を澄まして生きている

 

 ……生きているって何だろう?

 僕はこうして息をしている

 それで生きているって言えるの?

 僕はこうして道を歩いている。

 それで生きているって言えるの?

 僕はこうして誰かの声に耳を傾けている。

 それで生きているって言えるの?


 人間なんて細胞の塊

 目に見えない小さな粒たちの連鎖の結果

 ドミノの結果

 伝言ゲームの結果だ

 記憶だって、感情だって、ただの副産物でしかないじゃないか

 

 ただ『在る』


 それだけで生きているって言えないのだろうか

 僕も、あなたも、

 猫も、犬も、

 虫も、鳥も、

 道路や川、道端の石だって生きている


 だって、彼らも微少な者の塊なのだから

 

 人間だって好きに生まれられないように、

 彼らだって好きに生まれられないんだよ

 もっとも、それを不満と思っているかはまた別の話しなんだけどね

 

 だから、世界は生きている

 微少な粒の連鎖で『生物』たちは生き、

 森や町や国はその『生物』たちの連鎖で生き、

 そして地球はそれら『すべて』の連鎖で生きている


 


 ………だから僕は道路を歩いているとき、

 謝ってから歩くんです

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