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泡沫の乙姫  作者: 飛白
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全てを喰らう暴虐の鮫

 愛おしい。

 苦しいほどに、狂うほどに愛おしい。


「砂姫」


 店で仕事をしているだろう砂姫は変な輩に絡まれてないだろうか。


 離れていると、会いたくて会いたくて仕方がない。離れれば離れるほど、苦しい。そのたびに破壊の衝動にかられる。


 美しい妻。

 俺の愛しい命愛の君。切っても切れない確かな繋がりで、俺の心を穏やかにさせることもあれば激しいまでに心をざわめかせ苛立たせることもある。


 人になる前のあの美しい尾鰭や鱗も綺麗で、苛立ったのだ。俺の愛せない生き物というだけで、他の男が君をいつか伴侶にするかと思うだけで狂いそうだった。


 触れるだけで壊れる。同種の存在すらいない。死ぬことすら無いのではないかと思うほど長く生きた。


 砂姫は俺に喰われても良かったなどと微笑むが、冗談ではない。今の幸せを噛みしめ歓喜する俺は喰わなくて良かったと思うばかりなのに、何故そんなことを言うんだ。


 本当なら傷一つ負わせたくはない。


 幸せそうにその傷を撫でる姿に欲をかられる自分は情けない。


 少しでも早く金を貯めて、街での仕事をする。街ではあまり大金は手に入らない。真面目にやっても食費にもならないだろうな。


 大食らいなんだろう。それに砂姫の作る料理ならいくらでも食べられる。


 減らしたこともあったが、腹が鳴ってしかたがなかった。砂姫は顔を真っ赤にして恥ずかしそうにやっぱりやめましょうかと言ってきた。


 出来るだけ食える魔物を狩るし、少し遠出して高く売れる魔物を狩る。

 俺が出来るのはそれくらいしかない。


 手っ取り早く金を稼いで、後は砂姫の邪魔にならないように一緒にいる。昼を一緒にしたり、仕事の手伝いをする。


 目の前の敵を倒せば幾らになるのか。巨大なノロマの亀はどこが売れるんだったか。

 とりあえず、持っていけばどうにかなるか。


 余すことなく砂姫を愛していたい。

 この気持ちを知っていて欲しい。


 昔は喰らうことしか出来なかった俺の愛が、今は違うのだとわかってほしい。



サブタイを考えるのが面倒ですよね。

これだけに限らず。

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