第九話 帝剣対…
俺と姫は練習場で向かい合わせにて立っている。
今回は既にグラムが蒼く輝いており本気なことがうかがえる。
「……では行くぞ!」
言葉を終えると共に凄まじい速さでこちらに接近してくる。
それに距離を取りながら忍び込ませていたナイフを投げ牽制する。
しかしそれは何の意味もなさず軽く振るうだけで剣圧により吹き飛ばされていく。
「ちっ」
「どうした! 打ち合ってこぬか。」
しかしカイはひたすら距離を取り続け相手と全く打ち合わない。
すると、レヴィアが突如手に持つ巨剣を何もない空間に袈裟切りを放つ。
「ハアア。」
瞬間凄まじい速さで青色の三日月状の物体が飛んでくる!
距離があったので軽く避けるが、避けた先の壁にぶつかった破砕音から
威力も十二分にあることが分かる。
その間にも接近しながら剣を振るい攻撃を飛ばしてくる。
それを避けながら距離を取りにいくが、
身体能力は少なくとも隠したいので距離がつかず離れずになる。
「ちっ、さっさと打ち合えええええ!」
咆哮とともに姫の足が青色に輝くと思いきや彼女の足元が爆発する。
そして一瞬でカイの目の前にやってきてその巨剣を縦に振るう。
その巨剣に半ば反射的に刀で自身の左後方に流し、その力を利用し
右足を軸にしての半回転をしその勢いのまま肘打ちを放つ。
ゴスッ
「あっ、まずった。」
その肘打ちは鎧でも魔法装備でもなく、ただの軽装備のため威力が軽減されることなく
姫の鳩尾に吸い込まれる。
「がっ」
そして、おおよそ女性がしないような呻き声を出しそのまま気絶する。
「何をやってるのだ!」
その様子をまるで姫が傷付くのをまっていたかのように誰かの声がかかる。
ああ~、やべ 面倒事の予感