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【完結】政略婚の向こう側〜この二人どうなるの〜  作者: かんあずき


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86 王剣と母の罠

アルフレードは、日々王都の復興に向けてエドガーの片腕として動いていた。


中北部で麦や葡萄など農作物がとれる。だがやはり王都のある南部でも他国に提供できるものがいる。


アンジェリカの影響で、絵画や彫刻、ガラスなどの文化も入っていたが、都市国家群のほうが優れている。

美しい建物も、この度の戦争で燃えてしまった。


今まではエドガーの影響もあり、武具や甲冑、鍛治といった戦争需要のものが人気だった。


だが山岳民に自治権を渡したので、鉄鉱石などの産出は減るだろう。


「戦争特需に頼るのは嫌だな、あらたな名産も必要だな。」


考えなければならないことが多い。


早くヴィオラを探したいのに。

ただ、フィレンタに船が寄港したことやヘルマンらしき人がいることが確認されている。


ヴィオラもフィレンタだろうか?

名産を探すという名目や、利用させてもらう港の視察でフィレンタ入りをエドガーにお願いしてみようか。


もう出産したと思う。

すでに夏が終わり、秋の涼しい風が吹いてくる。

オリヴィアンはもっと寒い風が吹いているはずだ。


ーーー


グリモワール南部騎士団で剣の指導も行う。

体制は改善されたと言っていたが、中北部の騎士団を回っているものといないものとの差が激しすぎる。


「ヴィオラの方が数倍強いんだが...」


街の揉め事レベルなら何とかなるが、3人束でも勝ててしまう。


「もしかして...遠慮してるのか?大丈夫だ。わざと負けてなくていい」


そう気にして声をかけたら、相手が真っ赤になる。

あ...本気だったのか。

向こうもヴァルターをイメージして舐めてかかったら酷い目にあったという感じらしい。


剣もだが、体の基本がなってないものが多い。

筋力もついてないし、体の軸がぶれる。

騎士団長に声をかけて、もう一度育成計画を練り直す。


そうこうしていたら、あっという間に時間だけが経っていく。


そんな中で、急ぎの伝来が来た。

「アルフレード様、急ぎお戻りください。エドガー王が、呼んでおられます」


俺はドキッとする。

ヴィオラのことをいつも考えている。

何かあったら?

何か連絡が来たら?


全然関係がない話題かもしれないのに。

いつも、すーっと体の端から冷えていくような、頭が真っ白に、逃げたくなるような感覚に陥る。


俺は、馬を走らせ、急ぎ王城に駆けつけた。


関係ないことだろう

そう思いながら、だが、エドガー王が急ぎ戻れなんていうことは滅多にないのだ。


王城につき、馬を預け汗を拭う。

入った瞬間、みんなが俺に目線を送る。


(これは、なにかあったな)


王の居室に案内され、部屋に入ると...


「ヘルマン??」


エドガー王とヘルマンだけがいた。

エドガーが人払いしたのだろう。

謁見の場ではなく、居室を使わせたのは、誰にも聞かせたくないからか?


「ヘルマン!なんでここに?ヴィオラは?ヴィオラをつれてにげたんだろ?お前なんで一人なんだよ」


ヘルマンは蒼白な顔をしていた。


「す、すまん。アルフレード!ほんとうにすまん」


エドガーは書状を持っている。

そして、目の前には王剣がある。


「王剣じゃないか?これをどこで?」


宝石が散りばめられた王剣は、戴冠式や軍を率いる証として使われるのだが、王城のどこを探しても見つからなくて困っていたのだ。


だが、そんなことはどうでもいい。

ヘルマンが一人で来て涙を流して謝っている。

そのことの方が俺には重要だった。


エドガーが口を開いた。

「アンジェリカからの書状だ。」


書状は、アンジェリカからだった。


フィレンタでヴィオラを預かっている。子供はまだ幼く、病気をもらってもおかしくない。ヴァルトシュタインの残兵から守るためにも南部ではなく、グリモワールの中部の王室関連の屋敷を準備することを要求する。母子に負担のない移送体制を作れ。


「なんだ??これ?」

俺は絶句する。なんでアンジェリカがヴィオラと赤ん坊と一緒にいる?


「すまない。まさか、グリモワール元王妃とは思わなかったんだ。グリモワールに赤ん坊のことを知らせたくて、手段を探していた。そうしたら、アン夫人、いや元王妃がこの剣と書状があれば必ずエドガー王が読んでくれるから。ヴィオラは自分が見ておくからって」


「二人きりなのか!!」

血の気がひいた


母ーアンジェリカと二人きり!

無事でいられるわけがない。


「なんで、離れてるんだよ!!」


俺は久しぶりに出会ったヘルマンの胸ぐらを思わず掴んでしまう。


「すぐ向かう!!」

「まて、罠かもしれん!!」


エドガー王の制止を振り切る。

「行かせてくれ!ヴィオラが生きていなかったら、俺が生きる意味なんてないんだ!」


俺は泣きながら叫んでいた



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