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【完結】政略婚の向こう側〜この二人どうなるの〜  作者: かんあずき


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72 面会の約束

よほど疲れていたのか、

安静にと言われた2週間は泥のように眠っていた。

こんなにずっと横になったままなのは久しぶりすぎる。



私は、窓を開いた。

ここは春なのね。

オリヴィアンはまだ雪が溶けてないだろうけど。

お父様とお母様がいなくなって、まだひと月も経ってないのだ。


驚くほど気候が変わるわね。


オリヴィアンしか知らなかったけど、アルフレードが最初に来た年に薄着だったのは納得だわ。


長袖ではあるが、薄過ぎる。雪が降っても、水が染み込むような素材でガタガタ震えているから驚いたのだ。


「申し訳ないです。グリモワールより寒い認識ではいたのですが、冬はいつもこの格好でもなんとかなってたものですから」

まだ12歳で、体も細いアルフレード、鳥肌を立ててガタガタ震えていた。それでも寒いとは言わなかった。


「敬語も遠慮も禁止よ!!オリヴィアンは北国なんだから毛皮で保護しないと。アルフレード、鼻水出てるじゃない。」


ヴィオラはごつんと額と額を重ねる


「ひ、姫!!近すぎです」

アルフレードが、その距離感に慌てて離れようとする。


「姫も敬語も遠慮も禁止よ!ほら、熱出てる!!横になって」

ヴィオラはベッドの布団を剥がし、来てと手招き。


「ひ、姫は一緒に寝ちゃダメですから!結婚前だし!」

更にアルフレードは手をブンブン振って、鼻水をすする。


「当たり前でしょ!風邪引きさんと一緒になるわけないでしょ。何期待してるの!!」


アルフレードが熱も加わり赤くなる。


いつも私は一緒に布団に潜ろうとしてるわけじゃないのよ!

アルフレードにしっかり着込ませて、これでもかと布団を山のようにかける


「暖かくしないと風邪が悪化しちゃうわ!!」


だが、着込ませすぎた上に、何重にも布団をかけて、暑すぎて結局汗だくにしてしまった。


侍女が、布団を減らそうとした。

だが、アルフレードが

「姫がせっかくしてくださったのだから...」

といって大汗をかき続けながら布団も服も減らさなかったのだ。

リリスが報告を受けて驚いて取り除いたが、脱水になりかけていた。


「姫のおかげで、しっかり汗をかいて熱は下がりました」

とアルフレードは微笑んでくれたが、後でリリスから説教を受けたのである。


アルフレード、こんな暖かいところで暮らしていたのね。

お腹の子も、しばらくは寒い冬を知らずに育つのかしら?

それまでに会えるかな。


私はお腹に手を置いて温める。


グリモワールは南部を奪還したという話だったけど、グリモワールには入れないかしら?

いえ、ダメね。王都は酷い状況だときいた。


ぼんやり外を眺めていると、ドアがノックされる。

「ヴィラ?調子はどうだ?」


「大丈夫です。お父さん」


ヘルマン提督が声をかけてきた。

この2週間、人の気も知らないでブリジットさんと、イチャイチャベタベタ。

思わず白い目で見て、言葉も棒読みになってしまう。


「う...そんな目でみるなよ。」

提督は居心地悪そうに目を逸らす。


「いえ、お父さんの知らない一面を知ることができて良かったです」

私は変わらず棒読みだ。 


「で、今日は何のご用でしょう?」

「ああ、この間ブリジットが言っていた人と連絡がとれて、受け入れてもらえそうなんだ。ブリジットも言っていたが、少し話でもして気分転換できたほうがいいんじゃないか?」


提督はしどろもどろに話す。

浮気が娘にバレた父親ってこんな感じなのかもしれない。

別に提督は結婚してないんだから、浮気ですらない。

本命がいないなら、全部本気でいいんだし。


でも、アルフレードがコレだったら、絶対許さないわ!

お父様ったら、アルフレードに海軍の訓練なんてさせちゃって、とんでもない訓練を受けてたらどうするのよ。


拳を握りしめて私は立ち上がる。


その私が、アルフレードの海軍耳年増訓練の被害者だったなんて、知る由もなかったけど。



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