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【完結】政略婚の向こう側〜この二人どうなるの〜  作者: かんあずき


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165/191

165 別れの前に伝えたいこと

ヴァルターは、ヴァルトシュタインの戦いに向けて訓練を行うから、海軍からは外れるようにとヴィオラから伝えられた。


何度かアルフレード、ヴィオラ、ヴァルターの3人で話し合った。

でも、ヴァルトシュタインは冬の間、陸路はオリヴィアンを通る北しか出入りできない。海も波が高い。

結局他の国と同様に冬は閉ざされるのだ。

話し合うまでもなく、自分以外王になる立場のものがいない。

アルフレードは、この間と俺との話で、ひどく落ち込んでいた。気にしなくてもいいのに...

俺の言葉で追い詰めてしまい、申し訳ないと俺は謝ることしか出来なかった。

結局、意図せずいつも誰かを傷つけてばかりだ。


だが、最初に気になったのは、自分が戦に行かなくてはならないことではなかった。

自分が、出陣すると同時に、海軍もヴァルトシュタインの海軍を潰しにかかることだ。


「俺もヘルマンもいなくなったら、セレン居づらいだろうな。おれと違って海軍は戻ってくるのは早いとはと思うが。何かあれば二度と邸宅には戻れない。」


もっと一緒に長くいたかった。

ヴァルトシュタインに行くことになれば、次いつ会えるかわからない。


セレンは、同じような傷を抱えた者同士、気が合うというか癒やされるというか、なんでも話せる友人だった。


自分には、敵意もなく、憎しみを持って接してこないのは、ヘルマンと、母を知っている海軍兵だけだ。

王に即位したら、ヘルマンとも二度と一緒に過ごせないだろうな。


オリヴィアンのリチャード騎士団長は俺のせいで君主や仲間が死んだと思っているから、目で殺せるなら殺したいと言う感じだ。

グリモワールでは騎士団だけでなく、国民も全てそれだ。


その中で、俺を憎んでもいいはずのヘルマンだけは、俺を大切にしてくれた。頑固親父みたいな奴だが、愛情を感じていた。

そして女性との関わりは諦めていたのに、新たに、初めて異性のセレンが味方に加わった。


(こんな生活が続けば楽しかったのにな)


いつが最後のお別れになるかわからない。

家に帰れなくなるなら、彼女には、自分の身元を伝えておこうと思っていた。


旗頭になればわかることだ。

特に彼女の父は騎士団長だ。かならず知ってしまう。

最終的には自分は廃嫡されても、第二王子であることに変わりはないので、グリモワールで出陣予定だ。

そうなると、二度とこの生活は戻ってこない。


「ヘルマン、いいかな?」

俺は、セレンに俺の身元を伝えたいことを告げた。


「もう、知られるのも時間の問題だし、伝えた方がいいかもな。こんなに早く召集されるとは俺も思わなかったから可哀想なことをしたかな」


ヘルマンも顔を曇らせる。


「ヘルマンも俺もいなくなれば、ヴィオラ女王にお願いしても居づらいだろうな」


ヴァルターも呟く。


「お前、ちゃんと身元を明かしてその上でセレンがいいなら本当に縁組しないか?」


戦争に行く前に縁組するものは多い。

家庭を持つということもだが、後継者を作る目的もある。


「そんなことできるわけないだろ。もし俺に何かあったらどうするんだよ。行き遅れだと責められて、結婚して未亡人にしてみろ。俺は死ぬに死ねないよ」


「だからだよ。俺は、お前のセバスティアン王や王妃、そしてお前の母親の仇が打ちたくて堪らない。だから正直やっとここまでこれたと言う気持ちが強い。もちろん、生きてないと負けたことになるから何がなんでも生きて帰るさ。それに、お前がヴァルトシュタインの王になったら、俺は海軍をやめて、一緒にヴァルトシュタインで過ごさないといけないからな」


ヘルマンは語りながらも、ヴァルターの顔を見ると一気に悲しそうになった。


「お前、死んでもいいって思ってるだろ。俺はお前は息子だと思ってる。だから嫌なんだよ。最後までお前の味方でいてやるよ」


ヘルマンの目が潤んでいる。


「俺もヘルマンが生まれた時から親父なら良かったのにって思ってるさ。嘘じゃない。だけど、ヘルマンまで俺のために好きな仕事辞めなくていいだろ」


ヴァルターの目から涙が流れる。


「俺がやりたくてやるだけだ。でも、ヴァルトシュタインでお前を支えてやりたいとは思っても、お前の墓まで作りたくないよ。生きる目的を作ってくれよ。

セレンと結婚して、セレンのために生きるでもいいじゃないか。お前、気に入ってるだろ」


「全然恋愛とかじゃないんだ。一緒にいて、色々話せるとか、安らぐと言う気持ちがあるだけで...」


「セレンに聞いてみろ。お前たち二人は滝に打たれるような恋をするするタイプじゃないだろう。静かに、二人で関係を築いてもいいんじゃないか?」


そう言われると、これが何もない普通の見合いなら間違いなく成立している。


「だが、俺の妻になっても肩身が狭い思いをする上に苦労をするだけだ。」


「お前の気持ちがまずどうかだ。相手がどうかではなく、過去は関係なく、妻に選ぶのにセレンがいいかどうかだろう。お前、セレンに妻になって欲しいのか?どうなんだ?」


ヘルマンからの圧は、お前の嫁はセレンだ!という圧を出しているけど...男女の友情の延長は、結婚なのか??


ただ、一緒にいる期間が、あまりにも短すぎる。俺はもう少し一緒に過ごしたいと感じていた。











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