表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】政略婚の向こう側〜この二人どうなるの〜  作者: かんあずき


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

133/191

133 裏切りの王宮

ジュリアン王は、アンジェリカの調査を家臣に命じていた。


謁見後、かつて、さすが我が妹と思わせた頭脳や美貌はかなり落ちたものを感じたが、あの勝ち気な性格はかわらなかった。


アンジェリカが何か言ったのか?

執事が自分の顔色を常に窺っている。

言われなくても侍女が動いている。


「元王妃だもんな。使用人の扱いはうまいか??」


自分の妻には、出入りしている男がいるらしい。

別居したのはそういう理由だ。

別の男の子供を俺の子だと言われても困る。

閨は共にしていないと、記録にも取らせている。


しかも、その相手の男はクレアの実家に取り入ろうと、母の実家の派閥から鞍替えした。

妻は気づいてすらないんだろう。


父が妾を作ったところから、俺たちの心の歪みは始まった。

俺は女は信用できない、妹は男を信用していない。

母は、無実の罪で陥れられた。

母が亡くなった日、父と出かけることになったと嬉しそうだった母の言葉を俺は聞いていた。


だから、母は父に騙されて馬車に細工されて殺されたのだと思っている。


父とは常に争ってきた。

それは、穏健と呼ばれながらも、明らかに偏った寵愛をクレアとその一族に注ぎ、母を支援してきた貴族たちを排除しにかかったからだ。


それでも、クレアの実家の昇爵は防げなかった。


だから、私は父に手を下した。

父が歯の痛み止めに侍医からマンドラゴラを処方されていることを知っていた。

その処方は、王城内で侍医の助手が手伝っていた。

俺は、分量が書かれたメモを、少しだけいじらせてもらっただけ。


――あれは、少量でも幻覚が見え、呼吸困難になるらしい。

でも、私のしたことは、ただの数字の置き換えにすぎない。

人を殺した実感なんて、今でもない。


俺は父やクレア、妻を見ていると、人が信用できなくなる。

唯一心を許していたのは、妹のアンジェリカだけだった。


あいつが夫を殺してしまった時、息子に殺されて死ぬことを選ぼうとするので、ヴァルトシュタインのために生きろと言ってしまった。


自分には後継ぎがいないので、アンジェリカのバカな息子も引き取った。再度、グリモワールを侵略する時の旗印にして、俺の傀儡にしてもいい。


だが、調査をしてきた家臣の報告で驚いた。


あいつは、アンジェリカには夫以外に男がいたのだ。


ヴァルトシュタインに来て恋人に手紙を送っている。

恋人に渡す刺繍入りのハンカチを入れて、俺には都市国家で息子を見ると言っておきながら、男と一緒に住みたいと書いてある。


送り先はかつてアンジェリカが潜伏していた家だ。こっちは、大変な思いをしていたのに、あそこに男が出入りしていたとは!

それだけで、妹も、身持ちが悪いと知り吐き気がした。


それだけではない。

相手のヘルマンとはフィレンタでは有名なオリヴィアンのヘルマン提督だ。女遊びが激しいという話だ。


しかも、俺が侵略した時、ヘルマンの娘が妊娠していて、国を守らず自分の娘を逃がした。その忠誠心のなさにも驚くが、その娘の母はアンジェリカだと周囲にアンジェリカ本人が話していたらしい。


しかし、別居だったから、隠れて娘を産むことが出来たのか?


フェリックス王が嫡男に病をうつさせたときいた時には、妹に同情した。

だが、夫と別居して、不倫相手との間に娘をまで作って、更に俺に嘘をついて、またヴァルターも含めて一緒に住もうと思ってることに驚く。


つまり妹も妻や父たちと同じだったということだ。

怒りしか湧かない。

俺は、アンジェリカを始末する算段を立てることにする。

ヴァルターは...そうだな。

捕縛して、俺の元に居させるのもありだが...



俺は思案した。ほんとにあの息子も役に立たないからな。

一働きしてもらうか?

ジュリアンの瞳には再び暗い影が落ちた













評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ