119 夫婦円満?それとも貞操の危機・第二楽章?
アルフレードは、前回の初夜の儀の失敗を踏まえて、今度こそヴィオラを大切に出来たはず!と信じていた。
久しぶりに長い時間二人の愛を確かめ合い、このあとは語らいのひとときのはず...だったが??
「ね、ねえ??なんか??マイルドになったというか?どういうことかしら?その...私、会わない間に魅力なくなっちゃったかしら?」
といわれ、なぜか俺は顔面蒼白の愛するヴィオラに押し倒されている。
貞操の危機第二楽章か?
「え??」
「え?じゃないわよ!数打てば当たる数はどこに?」
俺は、最初、ヴィオラに言われていることが何のことかわからなかった。というより、なぜ真っ青になってるのか?
前回を思い出す。
確かに前回の黒歴史を活かし、数はない...な
「そ、その!数打てばいいってものじゃないって気づいたんだ!」
なんせ前回は、水夫や海軍兵の偏った閨知識と死と隣り合わせの精神状態で自分の中で種の本能みたいなものが発動されていたのだと思う。
今は、オリヴィアン奪還まではヴィオラの身体のリスクを考えたら、次の子は控えた方がいいぐらいだ。
「どういうこと?」
更にヴィオラは真っ青になる。
ダメだ!絶対誤解されてる。
「君は魅力的だし、もちろん日々愛情は増える一方だよ。でも、その俺も反省したというか...数じゃないと思ったというか...」
「じ..じゃあ、その...なんだか穏やかというかマイルドすぎないかしら?前回に比べて??」
ドキッ!!
これ以上追い詰めないでくれ!
前回がおかしいんだ!というより??
「マイルド...う、うん。前回に比べると相当マイルドかもな。たしかに」
愕然としているヴィオラをみて、それ以上に愕然とした俺。
俺の閨知識が偏っていたために、初夜週間は、ヘルマンにすらドン引きされるような墓場まで持っていきたいことになってしまった。
だが、ヴィオラの中ではあれが標準基準になってる!!
「俺も大人になったから、中身より時間だ!って気づいたんだよ!!ははっ!」
笑って誤魔化してみようか?
誤魔化されてくれるか?
どうやって修正かけようか??
だが、俺の心の叫びは虚しく、ヴィオラは明らかに落ち込んでいる。
「ど、どうしたの?そんなに、その...マイルドだったかな?」
「ええ、だって、まだ深夜にもなってないわ!夜が明けてすらないわ!朝でもないのよ!時間も...カットだわ」
「うっ!それは久しぶりにヴィオラと過ごしたから...」
その通りだ。
なんだったら過去最速だ!
言ってることの整合性がとれてない。
俺は知らなかったとはいえ、過去のヴィオラになんてことをしてしまったと再度愕然とする。
前回しばらくして、謝った時にはすでにぐったりしてたし、意識も朦朧としてたし、歩けなくなるぐったり加減だったから、何のことか分かってもなかったんだな。
セバスティアン王、何で俺に閨教育をしてくれなかったんだよ。ヘルマンたちにさせたらダメだろ!!
(俺、恥ずかしすぎる。でも、ヴィオラに落ち込ませるぐらいなら正直にいわないと)
「あ、あの実は...初夜の儀のことなんだけど...」
俺は仕方ないので全てをヴィオラに告げることにした。
閨教育がなくて、海軍の耳年増訓練だけで敢行した結果、ノーマルではなかったことが判明したことだ。
「え??じゃあ、今日のがノーマルなのかしら?」
ヴィオラも目を丸くして俺の顔を覗き込む。
「あの日私も急だったから、アルフレードに任せておけば大丈夫って言われただけだったの」
そういって、手を顔に当てる。二人して衝撃の事実を知ったという感じだ。
「今日がノーマルなのかって言われたら??わからない。
だって、どこまでがノーマルか聞いたら、それはダメだって言われただけだし。今更聞けない...よな」
俺としては、今回はかなり控えて優しくしたつもりだったんだけど??それが普通なのかもいまだにわからない。
そして、海軍兵や水夫たちがなんでノーマル以外を楽しみ、会話していたのかもわからない
「そうね、今更だから、ノーマルじゃなかった時の周囲の反応が怖いし、聞くのも恥ずかしいわ。でも...少し不完全燃焼というか??」
そうなんだよな。もう少しじゃれ合いたいというか...
お互い真っ赤になる。
すでに結婚して一年半以上経つのに...
俺はヴィオラに押し倒されたままだ。
ヴィオラは真っ赤になる。
「で、では!先ほどはアルフレードの出陣だったのよね。だから、今度は私も出陣させてもらうってことで...」
ヴィオラから唇を奪われる。
えっ!だと思ったけど...ヴィオラも規格外だったな。
初夜の儀も、彼女主導だったわけだし。
望むところだ。
でも、俺の負けは決まっているけど...
俺も、彼女のその出陣を受け入れることにした。
再び互いの温もりと想いを再度確かめ合う。
今度は知識ではなく、俺たちの感情で。
こうして、長い夜がふけていった。




