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【完結】政略婚の向こう側〜この二人どうなるの〜  作者: かんあずき


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112 政治の闇と剣の稽古

少し前に遡る。

ヘルマンは、ヴァルトシュタインを支援している都市国家に情報収集のため潜入していた。


「……完全に内戦手前じゃないか。アン夫人……いや、アンジェリカは無事なのか?」


思わず息が漏れる。

違う、そうじゃない。

俺が気にしているのはアンジェリカが“情報を送れるかどうか”だ。そう、ただそれだけだ。


ため息を吐く。


ヴァルトシュタインでは、グリモワールの次男ヴァルターを次期国王に担ぎ上げる派閥と、現国王ジュリアン派が真っ二つ。

しかも、オリヴィアンまで関わっているじゃないか。


「リリス王妃の実家が、中心……か。」



そのヴァルターを擁立した派閥の中心にいるのはオリヴィアン王妃リリスの実母とその実家の公爵家だ。


リリスの家はオリヴィアンに嫁入りする時は侯爵家だと聞いていたが、現在は公爵家になっていた。


異常すぎる。男爵の娘で王の侍女だった女の実家が、王の寵妃になったからって、どれだけの身分を飛ばしたらそうなる?


だが、その間に生まれた唯一の子供、リリスは、婚姻同盟を破棄された上に、ジュリアンの無謀な侵略で殺されたわけだから、内乱理由には十分だ。


「アンジェリカは、次男の説得に向かう様子だったな。話を聞いた感じだと次男側を止めるのか?それなら、俺たちにとっては敵か?リリス王妃の実家と繋がりを作っていく方がいいんだろうが...」


セバスティアン王から聞いたことがある。

ジュリアン王とアンジェリカは、実母が内通中に事故死したことを疑っていると。

そして、それはグスタフ王と後妻、つまりリリスの母が仕組んだと思っている。だからリリス王妃と関係が良くないのだと。



だが...

王の愛人→王妃の死→その後すぐの昇爵で、愛人は後妻になったのか。


これで王妃が不倫相手と会っている時に偶然死ぬなんて、疑うなって方が無理だろ。

アンジェリカが、そう疑問に思った理由があるんじゃないか?


いや、なんで彼女の言い分の正当性なんて考えている。

俺はどうかしている。

首を振った。


大事なのは、オリヴィアンが奪還できるかどうか。

国内で、オリヴィアンを侵略したことを非難してくれる勢力で、リリス王妃の実家なら傀儡でもヴァルター王が擁立される方が良いじゃないか。


そう思いながら、都市国家を後にする。

アルフレードがグリモワール南部にいる間、ヴィオラ姫の様子を見に行って欲しいと頼まれていた。


エドガー王が姫に剣の訓練を行うらしく、エドガー王の真意が見えず心配らしい。

それを聞き、俺も心配になる。



ーーー


そして今、その王の訓練で、俺は後悔していた。


「姫ぇぇ……!」


叫びたい衝動を必死に抑える。


エドガー王を初めて見たが、洗練された隙がない君主。

そして、俺のことも同時に観察してやがる。


そして、訓練をみてやるといい、ベタベタ姫の足や腰、背中、腕に触れている

そして王は、当然のように姫の腰や背を支える。

いや触りすぎだろ!?

相手が王じゃなければ、もう斬ってる。


しかも、エドガー王は、触った時の俺の反応やヴィオラの体の状態をしっかり観察している。

触り方は、俺が隠密活動の時に触るものに近い。


そして体に触れた意図と触れさせてはいけない理由まで姫に説明して、俺にそのあたりのことを指導しろという。


アルフレードは、母といい、祖父といいクセが強すぎるな。


オリヴィアンでは普段、海上か海軍拠点にいて王都は報告や会議の時だけだ。

ヴィオラ姫は、アルフレードを通じてカッター訓練をした時のみの関わりだが、その時も、アルフレードがべったり守っていたし、王都で見かけた時にもアルフレードが守っていて、二人が触れあうことを全く意識していなかった。


フィレンタこそ、ヴィオラが初めて一人で他の人との距離感を知る機会だった。なのに、俺は姫に何をみせていた??


俺が、アンジェリカに触れた時、アンジェリカは怒った。

これが、普通の反応なのだが、ヴィオラ姫の中ではアンジェリカが、俺が口説いているのになびかない素晴らしい女性に変換されていた。


あの時気づくべきだった!!


ヴィオラ姫の中で男女の距離感がバグっている。

下手をしたら既成事実にもっていかれようとしたり、あらぬ噂を立てられかねない。


エドガー王はヴィオラの甘さと危険性に気づいている。

やられた。これから、お互い一国の王の立場となるのに。


だが、剣はどうだろう?

ヴィオラ姫は、騎士団副団長にわざと負けてもらう訓練をこれから受けるというが...本当か?


エドガー王といい勝負だと思ってたんだがな。

ヴィオラ姫が感情のコントロールをするにはいい訓練だろうが。


俺はため息をついた








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