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ギルドのタンクでもヒーラーのことを想っても良いんですか!?   作者: しばえだぬ
第2章:二人きりのクエストと小さな一歩
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6.谷の異変と二人きりの危機

幽霊の谷は、霧が立ち込め、枯れた木々が不気味にそびえる場所だった。空気は冷たく、遠くで鳥の鳴き声すら聞こえない。ガルドは盾を構え、リリエは杖を握ってその後ろを歩く。

「なんか…本当に幽霊いそう…」

リリエがガルドの背中に少し近づく。ガルドは彼女の震える声を聞き、盾を握る手に力を込めた。

「怖かったら、俺の後ろにいろ。なんでも防ぐ。」

「うん…ありがとう、ガルド。」

二人が谷の奥に進むと、突然、地面から青白い光が浮かび上がった。光は人の形をとり、ゆらゆらとガルドたちに近づいてくる。

「幽霊…!? ガルド、気をつけて!」


リリエが杖を構える。ガルドは盾を前に出し、叫んだ。

「来い! 幽霊だろうがなんだろうが、俺の盾は貫けねえ!」

だが、幽霊は攻撃せず、ただ囁くような声を発した。「…去れ…この谷は…呪われている…」

その声に、リリエがハッとする。「ガルド、待って! この幽霊、敵じゃないかも…! 何か、悲しそうな気がする…」

リリエが一歩前に出ようとすると、地面が突然揺れ、黒い霧が噴き出した。霧の中から、骨だけの狼――スケルトンウルフが数匹現れる。

「リリエ、下がれ!」

ガルドが盾でリリエを庇い、スケルトンウルフの爪を受け止める。金属音が響き、ガルドの腕に軽い傷が走る。

「ガルド、傷! すぐ癒すね!」


リリエが癒しの魔法を放つ。光がガルドを包み、傷が消える。だが、スケルトンウルフは次々と増え、ガルド一人では囲まれそうになる。

「リリエ、逃げろ! 俺が時間を稼ぐ!」

「嫌だ! ガルドを置いてなんて行かない!」

リリエの声は震えていたが、彼女は杖を強く握り、補助魔法を唱えた。「聖なる守護!」――淡い光のバリアがガルドを包み、敵の攻撃を軽減する。

「リリエ…お前…」

ガルドは驚きつつ、彼女の覚悟に力を得る。「よし、なら一緒に戦うぞ!」


ガルドは盾でスケルトンウルフを弾き飛ばし、リリエは癒しと補助魔法でサポート。二人だけの戦いは、息がぴったりだった。やがて、ガルドの渾身の一撃で最後のスケルトンウルフが砕け、黒い霧が晴れた。



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