4. 新たなクエストと不穏な影
ルナリスの街は、朝霧に包まれていた。ギルド「星屑の剣」の掲示板には、新しいクエストが貼り出され、冒険者たちがざわめいている。ガルドはいつものように早朝にギルドを訪れ、掲示板を睨んでいた。
「ガルド、今日も気合い入ってるね。なんか面白そうなクエストある?」
キールが欠伸をしながら近づいてくる。赤いローブの裾が少し汚れているのは、昨夜の酒場でこぼしたエールのせいだろう。
「…これだ。」
ガルドが指したのは、「幽霊の谷の調査」というクエストだった。ルナリスから北東に位置する谷で、最近、行商人が怪奇現象に襲われたという。報酬はそこそこだが、危険度は「中級」とされている。
「幽霊? マジか、ちょっとワクワクするな! ミラとリリエも誘って、さっそく行こうぜ!」
キールが目を輝かせる。
その時、リリエがギルドの入り口から駆け込んできた。白いローブの裾がふわりと揺れ、朝日が彼女の金髪を輝かせる。
「おはよう、ガルド、キール! クエスト、もう決まった?」
「ああ、幽霊の谷だ。リリエ、準備はいいか?」
ガルドの声はいつもより少し硬い。リリエの笑顔が、昨夜の決意――「少しずつ近づく」――を思い出させるからだ。
「うん、大丈夫! 幽霊って怖いけど…ガルドが守ってくれるよね?」
リリエが少し照れながら言う。ガルドの心のHPが一瞬で半分になる。
「…ああ、任せろ。」
ガルドは盾を握りしめ、顔を逸らした。
しかし、ミラが「弓の弦が切れて修理中」、キールが「昨夜の酒が抜けなくて魔力が不安定」と言い出し、結局、ガルドとリリエの二人だけでクエストに向かうことに。キールは「ガルド、チャンスじゃん!」とニヤニヤし、ミラは「リリエ、ガルドが変なことしたら私の矢で仕留めるから!」と笑う。
「変なことってなんだ…」
ガルドが呟く中、リリエは「ふふ、二人でも大丈夫だよね!」と明るく笑った。