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ZEROから魅せる成り上がり  作者: 半目真鱈
第一章 異世界からの救世主
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第9話 皆との離脱

「グォォォオオォ」


 突如として後方から聞こえてきたのは、威圧感と言う名の暴力とも言うべき程の狼の遠吠え、それは騎士団長でもあるガトムさんやクラスメイトが、緊張のあまりピクリとも動くことが出来ないレらしい、そして今の俺は、皆からの視線が痛いから一番後ろを歩いている。


「逃げろぉ悠馬——」


 ガトムさんが言い切るよりも先に俺はさっきもやった拘束を使うが、まだ後方にいる狼に効いた気はしなかった。俺は振り返り鑑定をしてみると、そこには驚きの情報が目の中に入ってきた。


 名前 無し

 職業 狩人

 種族 改造上位狼グレートウルフLv5/Lv20

 体力 500/500

 気力 670/670

 魔力 250/250

 攻撃力 220

 防御力 360

 魔法力 120

 抵抗力 320

 速度力 650

 種族技能

 威圧の咆哮.

 固有技能

 衝撃波.理知的.触手

 汎用技能 

 剛爪.剛牙.剛毛.怪力.疾走.跳躍.自己再生.牙剣術.鞭術.守護

 耐性技能

 斬撃耐性.打撃耐性.衝撃耐性.痛覚無効


 恐らくガトムさんたちを動けなくしたのは、威圧の咆哮っていう種族技能が原因で間違えない。そして、ここでの最適な市の偽装は、あの宝箱による下層への転移での離脱…。


「ウォオ~」


 ガトムさんが思いっきり叫んで、あの狼からの威圧を解除したのか、すぐさま俺の方に近寄って手に持つ剣で、狼を切りつけた。その光景がショックになったのか、他のクラスメイトも続々と威圧状態を解除して、拙いながらも連携を見せた。


 でも、狼の方が一枚上手だったのか、直ぐに後方に飛んで、首筋から触手を繰り出したそれを、まるで鞭のように操りだした。その触手が壁や天井に当たるたびに凄まじい衝撃波が通って、壁や天井が崩れ始めていった。崩落から巻き込まれないように食らうzメイトたちは、撤退しながら、弓や魔法で追い打ちをしていた。


 しかし狼は落ちてきた岩をものともせずに、岩とクラスメイトを華麗に避けながらも俺に向かって突進してきた。俺は直ぐに回避しようとしたけど、ステータスの暴力によって、弾き飛ばされた。全身に迸る痛みを無視して立ち上がると、狼は俺の眼前に立っていた。それは、さながら絶望であった。


躁影化装シャッテンモンストル躁影武装シャッテンヴァッフェル


 俺は二つの複合技能を発動させて、全身をくまなく覆う影に剛牙を生やして、簡易敵や鎧にする。そして地面から剣や槍によって攻撃を加え始めた。それには溜まらず狼も触手で対処し始めた。だけど、計画の為にはここを離れないとダメだ。俺はそう確信しながら、どこかにいい案が無いか考えていた。


「…そう言う事か」


 俺は狼に視線で作戦を伝えた。狼も理解したのかこれから俺が発動する拘束技能によって、大人しく拘束された。


「早く逃げてください、このまま俺が押さえます」

「…分かった。それじゃあお前ら、坊主が覚悟を決めたんだ。早く逃げるぞ」


 ガトムさんがそう言いと、クラスメイト達は後方に逃げた。おそらくこれくらいの距離が離れてたら問題ない。俺は、さっきからじりじりと近寄っている。宝箱の傍に移動すると、クラスメイトやガトムさん、そして先生の忠告を無視して宝箱を開けた。その瞬間、辺りに光が立ち込めて、気が付いたら俺と狼は、さっきとは雰囲気が全然違う場所に転移した。


 そして後方では狼が拘束を引きちぎり、こっちに向かって歩き出し、俺の下に辿り着いたかと思うと、俺の前で頭を下げた。俺は狼の頭を撫でてから、目の前に広がる闇の中に歩を進めた。


 それから暫く探索していくと、かなりの威圧感が感じられ、狼は唸りを上げて、闇を見ていた。闇から俺たちを除いているのは、二本の角を伸ばし、全身を赤く染め上げた鬼が居た。


 名前 無し

 職業 剣士

 種族 オーガ

 体力 550/650

 気力 210/320

 魔力 80/80

 攻撃力 450

 防御力 370

 魔法力 90

 抵抗力 75

 速度力 195

 種族技能 闘争心.鬼炎

 汎用技能 

 剣術.体術.威圧.腕力強化.防御強化.狂化


 あれから直ぐにあった此奴の戦闘能力はさっきの狼に比べても非常に高く、狼は我先にと鬼に向かって走り出し、触手を使って拘束した。俺も負けじと鬼に近づき、影操作と剛牙によって形作られた腕に、酸攻撃と溶解液の技能を足し鬼の腹めがけて思いっきり殴った。


「純粋な攻撃じゃ無理だけど、こうしてお前の体力を削ることは出来る。避けろよ狼」


 俺は、狼にそう言うと影操作、溶解液、拘束の三種の技能を用いて鬼を拘束する。


「確かにステータスじゃお前に勝てねぇけど、技能の扱いなら負ける気がしない」


 鬼はさっきのパンチと今の拘束によってかなり体力を減らされたのか、かなりヘトヘトになっていた。それでも俺は油断する事も無く、鬼を睨みつけて、何時動かれても良い様にしていた。それは鬼の持っている技能の狂化にあった。もしもそれを使われれば大変な事になるかも知れないから。


 遂に体力が200を切ったころに狂化の技能が発動したのか、拘束を全て引きちぎられた。その上で己の武器と身体の全てを鬼炎で燃やしながら俺の方に突っ込んできた。俺は、即座に避けつつ躁影武装シャッテンヴァッフェルを用いて、剣や槍を突き刺そうとするが、狂化によって底上げされたステータスの前には何一つ役に立たなかった。


「逃げろ狼」


 俺は狼に対してそう命令してから、影操作、剛牙、酸攻撃、溶解液、他にも命中、拳闘、を用いて巨腕を構築して、オーガめがけて振り下ろす。これには流石のオーガも堪えたのか、足をぐらつかせ膝を着いた。そこを狼が噛みつき俺も負けじともう一発攻撃をお見舞いすることで何とか勝つことが出来た。


「良くやったな狼…狼ってのも安直だし良いのが思い浮かんだら名前つけてやるよ。そしてオーガからは何を簒奪するかねぇ?…取り合えず防御強化の技能を奪っておくか、ステータスの底上げは大事だしな」


 俺はオーガの死体には目もくれずに、一先ず狼と一緒に体力を回復させる事とした。



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