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ZEROから魅せる成り上がり  作者: 半目真鱈
第一章 異世界からの救世主
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第8話 トラブル

 昨日は先生が俺の部屋を訪ねてくるっていう結構な重大事件が有ったけど、その驚きも薄れぬままに夜は明けて、迷宮への探索を実行する日となった。俺たちは特に問題も無く、迷宮の中に入ると、その中には、異世界物の小説とか漫画では最早定番と言って差し支えない、スライムが蠢いていた。


「今日から実践訓練だが、先ずはスライムを相手に戦ってみろ。だが、スライムと言っても油断するなよ。こいつらは骨すら溶かす強力な酸を持つ、そして核を潰さない限り再生するから核を切れ、良いな」


 その言葉に各々スライムとの戦いをしている。俺は目の前のスライムを一先ず冷静に鑑定してから戦闘に入ろうと思い鑑定をした。


 名前 無し

 職業 無し

 種族 レッサースライムLv2/Lv5

 体力 60/60

 気力 50/50

 魔力 70/70

 攻撃力 90

 防御力 85

 魔法力 20

 抵抗力 10

 速度力 30

 種族技能 粘液体

 固有技能 危機感

 汎用技能

 自己再生.気配感知.溶解液.酸攻撃

 耐性技能

 溶解耐性.酸耐性


 俺は手に持っている剣を用いて戦っていた。今の俺のステータスはオール50速度では勝っているのが勝因となって、多少苦戦はしたけど、勝利を収めることが出来た。初めての勝利が嬉しく喜びづつ<危機感>の技能を簒奪した。


 それからもクラスメイトが倒したスライムから他のほかの技能である<粘液体><自己再生><溶解液><酸攻撃><溶解耐性><酸耐性>の技能を簒奪していた。でも、最初のスライム以降は、固有技能を持ってないから、固有技能持ちの魔物は珍しいのか?と疑問に思いつつ他の皆の後を追いかけた。


 因みに他の技能に比べて、かなり分かりにくい技能の、<粘液体>を影操作と併用して使ってみたら、影が粘液の様な性質に変化していた。俺は内心でこの技能は使えるかもと思いながら、今は皆と一緒に探索を続けていた。


 そしてスライムの次に現れたのはこれまたお馴染みのゴブリンで、ステータスを見るに全てのステータスが、90を超えていて、素のステータスのみだったら、俺にとっては絶対に勝てない相手だった。


「グギャギャギャ」


 ゴブリンが醜い笑みを浮かべながら俺たちの場所に突進してきた。でも、他のクラスメイトは俺の所に来るまでに、ゴブリンを殺した。俺も負けじと前に出て、ゴブリンとの戦闘を始める。右手に持った剣に酸攻撃を纏わせながら、攻撃を叩き込むとその皮膚が焼け爛れ始めていた。


 ゴブリンはそれに対してかなり痛く、逃げ出したかったのか、後ろを振り向いて走り出そうとしていた所に影操作と粘液体で簡易的な罠を張る。そうしてこけたゴブリンの頭部を、影操作で覆った手で掴んだ。その上で、溶解液の技能を発動したら、頭蓋骨が解け始め間もなく絶命した。


 俺はゴブリンから暗視の技能を簒奪して、後ろを振り向くと、クラスメイトの皆が顔を顰めていた。何をこんな風に顰める必要があるんだ?俺はそう疑問に思っていたら、満が俺の胸倉を掴んできた。


「おいテメェあんな戦い方は流石に非道だろぉ」

「何か文句でも有った?俺は俺なりの戦い方をしてるんだ。俺ってステータスが低いからさ」

「だとしてもテメェの戦い方には華がねぇんだよ。お前の戦い方を見てるこっちに配慮の一つでもしろよ」

「おや?そっちこそゴブリンの頭を殴って破裂させといて良く言うよ」


 俺と満の言い合いがヒートアップし始めて、遂には戦いにまで発展しそうな所でストップが入った。それは冷夏先生だった。そうだ、今日の迷宮探索には先生も参加していたんだった。


「そこまでにしておきなさい、竜童君に小見門君、戦い方に華を求めるのは個人の自由、でもそれを他人に押し付けない事よ。でも、小見門君の戦い方も、個人的には止めた方が良いと思うわ。でも、それした戦い方が無いのなら、私はこれ以上は咎めないわ」

「チッ…分かった。分かりましたよ。れ・い・か・先生」

「分かりました。俺自身も戦い方を模索してみます」


 俺とクラスメイトはその後は特に会話することも無く、10階層にまで到達した。ここまで結構な数の魔物に遭遇しては、適当に散らしていき、その道中で技能を幾つか簒奪しながら、ちょうど良いということで、俺たちは今、適当な所で休憩をしていた。


 迷宮の成り立ちは幾つかパターンがある。1つ目は、神の介入により作られたパターン、2つ目は、魔力瘤と言われる魔力の滞留地点に自然とできるパターン、そして、3つ目が、人間によって作られるパターンだ。そして今こうして探索している迷宮は、3つ目のパターンで、この迷宮は大昔の錬金術師の拠点らしく、今まで倒してきた魔物は錬金術によって生産されてる魔物らしい。


「いやぁ~こんな低階層にあるなんて珍しいなぁ」

「あの~ガトムさんこれって宝箱ですよね」

「あぁそうだ、ここを拠点にしてた錬金術師の死後、この迷宮を魔物資源を産出する為に改造した奴がいるんだよ。これはそいつの遊び心で、時折その錬金術師の作品とか素材が入ってるんだよ。ただ…」

「そんなお宝が入ってるなら開けてみようぜ」


 このクラスでもトップを張る能天気でマイペースな奴、時島優紀が宝箱の方に走って行った。そして、その後を竜童満が追いかけていった。ってかガトムさん何か喋りかけてるけど、何か嫌な予感が…。


「おいバカ止めろ。その手の宝箱には罠が仕組まれてる可能性もあるんだ。止めろ」


 ガトムさんが叫んだ瞬間に、俺はアイツらに向かって影操作と粘液体の複合技能を使って四肢を完全に拘束した。…間にあって良かった。もしもここで罠に嵌められでもしたら、計画が頓挫す処か、全員纏めて死ぬ可能性がある。それまではこいつらにバカな行動は控えて貰わないとダメだ。


「…おい悠馬、お前あいつ等を拘束したりしてやっぱり裏切り者だったのか?やっぱりあの時に殺しておけば良かったんだ。」

「おい満と優紀が結構苦しそうだぞ…おいさっさと話せよクソ野郎」

「あいつ等何もしてねぇのにやっぱりお前人類の裏切り者だったんだ」

「誰か竜童くんと時島くんを助けなさいよ」

「はぁお前が行けよ」


 こいつら…さっきから聞いてればいい気になりやがって、それに俺の危機感がさっきから全力で警報鳴らしてんだよ。あれが絶対ヤバい奴だって事お前ら理解してないのかよ


「お前ら止まれ。」


 ガトムさんの一言でこの場は収まり、俺も二人の拘束を解いた。そしたら二人が嘗てない程に怒りながら俺の方に向かって走ってきた。俺は回避によって避けて、俺が避ける事を予測していなかったのか、驚いている所を俺は再び拘束した。


「すまんな悠馬、本来なら俺が止めないとダメなのにお前にやらせてしまって済まない…それと今の竜童と時島の件でこいつに対して、怒る事を俺が許さん」


 ガトムさんの言葉に皆が呆然としている所で、俺は二人の拘束を解いて、皆が見渡せる少し離れた位置に壁に背をやって立っていた。


「ガトム団長、やはりこれは罠です。それも68階層に強制転移させるための罠です。」

「68階層だと…そうか、やはりこの件に関して悠馬に嫌悪感を向ける者は俺が許さん」

「ガトムさん、どうしてですか?アイツは二人を拘束して苦しめたんですよ。それに転移罠だとしても皆で力を合わせれば勝てるに決まってます。アイツはそんな輪を乱したんだ。」

「…すまん」


 ガトムさんはそれだけ言うと英人の腹に惚れ惚れする程に見事なパンチを決め込んだ。それに対して、冷夏先生が、「68階層には貴方がそんなにも動揺する魔物がいるんですか?」と問うた。


「あぁ…68階層にどんな魔物が出るのかは未だに不明だ。そして、この迷宮の最高攻略階層は55年間に、当時この国でも10番に入るレベルの冒険者パーティの44階層が限界だ。これだけで分かるな。そして俺らは、この迷宮の正確な攻略情報を現状30階層までしか持っていない。つまりこいつ等のやったことは、遠回しに俺らを殺したと言う事だ。これだけ言えば俺が英人を殴ったのも分かるな。済まん今日はもう終わりだ。さっさと町に帰るぞ」


 そうガトムさんは言い残して、この迷宮を後にしようと、英人を担ぎながら、これまで通ってきた道を引き返そうと歩き出した。


「…ここで計画実行か」



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