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ZEROから魅せる成り上がり  作者: 半目真鱈
第一章 異世界からの救世主
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第2話 ステータス

 王宮での王様との謁見では、特に英人が張り切って絶対に人類を救って見せると宣言した。それで王様からも感触が良かったのか、結構ご機嫌になって、今宵は後の世の救世主の誕生を祝ってパーティとなった。


 そうして騒がしい夜もいつの間にか明けて、次の日に俺たちクラスの全員は王宮の訓練場に来ていた。そこには筋骨隆々で全身から強者オーラを漂わしている40歳くらいの男性とその部下の騎士が待っていた。


「よく来たな、俺はこのミルド王国の騎士団長の座に就いているガトムと言うものだ。俺は魔法の事には詳しくないが、お前たちにはステータスと言うだけで自身のステータスが確認できる筈だ。それをこっちの紙に書いて提出してくれこれからの訓練の参考にもなるからな。それと固有技能については使い方とか何となく分かる筈だからそっちも教えてくれな」


 そうして各々ステータスと言って、ある人物は「おれの固有技能なんて五大魔法だぜ見るからにカッコいいだろ」とか「私の固有技能は眷族作成なんだけど」とか「俺の固有技能は鬼神か」とか皆ワイワイ楽しんでいた。


「ステータス」


 名前 小見門・悠馬

 職業 無し

 種族 人間

 体力 10/10

 気力 10/10

 魔力 10/10

 攻撃力 10

 防御力 10

 魔法力 10

 抵抗力 10

 速度力 10

 固有技能 簒奪


 う~ん…なんか弱いのか強いのか簒奪とか異世界物であるスキルの強奪系のらしいけど、っていうかステータスの方はどれくらいなんだろ?


「あのぉこのステータスの平均とかどのくらいですか?」

「うん?ステータスの平均?鍛えてない大人のステータスが大体100位だからな異世界からの救世主たるお前たちは500位はあるんじゃないか?」


 うわぁってことは俺って普通の子供以下のステータスしかないって事かぁ~っていうかこんだけ弱いと戦場に出たら最悪の場合は肉壁にしかならんぞ…弱いから戦場出るなって言われるのを期待しよ


「おや小見門くんはもう確認は終わりましたか?」

「はいそれで因みにですけど先生のステータスってどんな感じですか?」

「私のはこんな感じのステータスですね。いやぁこういう異世界物は読んだことはありますけど、実際に体験するとは夢にも思いませんでしたよ」


 名前 東雲・冷夏

 職業 教師

 種族 人間

 体力 80/80

 気力 50/50

 魔力 550/550

 攻撃力 100

 防御力 100

 魔法力 100

 抵抗力 380

 速度力 90

 固有技能 人形作成

 汎用技能

 指示.指導.計算.体術.剣術.


 ステータスの輝きが眩しい…というか逆になんで俺だけこんなに低いの?


「若干うらやましいですね。俺のステータスってこの位なんですけど、これじゃあ生き残れませんよ」

「そうは言うが私にとってはお前の方が良いと思うぞ」

「それはどういう事ですか?」

「ふむ…こういうのは読んだことがあるとは言え私はあまり詳しくは無いが、そのスキルには伸びしろしかないと私は思うぞ」

「伸びしろ?ってこんだけ弱かったら伸びしろを伸ばす前に死にますよ」

「私が思うにそのスキルとステータスなら決まった戦い方を追求しなくて済むだろうな。私のスキルから考えるに私の場合は人形を作りそれに戦闘を任せると言った類になるが、お前のスキルには無限の可能性が詰まっていると私は思うぞ。それにお前たち生徒に何かあった場合は私が守る。だからお前のような子供は大人に守られていればいい」

「先生…」


 そんな会話をしていると今度は俺達が紙を渡す番になり、紙を渡した途端にガトムさんが紙を見て「これは本当なのか?」と若干疑っている感じの言い方をされた。


「はい本当ですよ。まぁ弱くて申し訳ありませんでした。」

「いやぁ…何と言うか…う~ん…まぁ気にするな人間族とはこんなもんだ。っていうか簒奪のスキルかぁ…お前は後で少し別行動だ」


 それって何のフォローにもなって無くない?とかの疑問を押しとどめて、俺たちクラスの全員は各々に有った訓練に入った。例えば魔法系に適性のある人物には先ず座学で、戦士系なら技術やステータスの強化等の訓練が始まった。そんな中で俺だけはガトムさんの部下の人に連れられてどこか別の場所に着いた。


「あのここで何があるんですか?」


 それが一応敬語で話してみると、部下の人は「来れば分かります」と言って、俺はその後を着いていった。そしてその先にあったものはどうやら宝物庫らしくて、その中にあるガラス球を差し出すと、「これに向かって簒奪してみろ」と言われた俺は言われるがままにスキルを発動した。


 言われるがままに簒奪のスキルを使用した俺は時間にして数秒だが、急に頭痛が襲ってきて少しだけよろけてしまった。


「頭痛はおさまりましたか?」

「はい手を有難うございます」

「それでは再びステータスを鑑定してみてください」

「はい分かりましたステータス」


 ……

 固有技能 簒奪

 簒奪技能

 鑑定


 上のステータスは変わりなかったけど、固有技能の下に鑑定の文字が現れた。これがスキルを奪うスキルかと納得しながら俺と部下の人は訓練場に帰って基礎ステータスを伸ばすための特訓を始めた。


 あれから訓練の合間に鑑定の技能で簒奪を詳しく鑑定したら幾つか分かったことがある。

 1この技能は対象から技能を奪うスキルである

 2鑑定等の技能が無い場合対象が取得している技能からランダムに簒奪する

 3簒奪した技能は汎用性が大幅に削れる

 4奪う際は対象の頭部・心臓部を触らなければならない

 5奪う際は対象が無抵抗でなければならない

 6死体から奪う際は死後1時間以内でなければならない

 7奪った際に技能は全て初期化される

  8一体につき一つしか技能を奪えない

 9技能の自力習得不可能






 鑑定のスキルを簒奪してから幾日が経って、ステータスの方はようやっと幾つかのステータスが20にまで上がった位だった。って言ってもこれでも子供よりも弱いんだよなぁ…


 その夜に俺は部屋で資料室で借りてきた本を読みながら時間を潰していた。途端にコンコンと言うノックをする音が俺の部屋に響いた。


「はいはい今出ますよぉ~」

「どうもこんばんは…こんな夜分遅くに申し訳ありません。ですが私どうしても救世主様に仰りたいことが御座いまして…」

「えぇ良いですよ」


 ノックをしてきたのは肩に当たる位の銀髪におれより少しだけ低い身長そしてなにより数多の男性を釘付けにするであろう豊かな胸に垂れ目のロングスカートのメイドさんだった。そんなメイドさんに対して俺はにこやかに迎え入れて即座に鑑定をした


 名前 アルメート・レイヴァタン

 職業 暗殺者

 種族 人間

 体力 320/320

 気力 550/550

 魔力 220/220

 攻撃力 550

 防御力 330

 魔法力 290

 抵抗力 215

 速度力 455

 固有技能 魅了の魔眼

 汎用技能

 剣術.短剣術.体術.軟体術.隠密.消音.消臭.疾走.潜入.暗視.房中術.演技.整理.料理.奉仕.計算.思考加速.念話.精神魔法


 化け物だった。ハッキリ言って異常の極みみたいなステータスだ。俺たちクラスメイトのステータスも鑑定してみたけど、それでも最高は150くらいだったぞ…それなのにこのステータスに暗殺者と言う職業から察するに、ハニトラか?ってか元の世界にいる母に言いたいが、「そんな小説読んでも将来なんの役にも立たない」とは言ったがこの世界でバッチリ役に立ってるよ。


「すみません…ですが私は、訓練場で必死に特訓をしている貴方様に何か出来る事があればと思い…」

「兎に角ここだったら誰かに見られるかもしれないですから早く部屋の中に入ってください」


 俺が何も知らない感じを装いつつ部屋にたどたどしく招き入れるとアルメートと言う人は部屋に入るなり俺に胸を押し当てながら自己紹介を始めた。


「ありがとう御座います…遅くなりましたが私アルメートと申します。よろしくお願いいたします。」

「あっあぁこちらこそよろしくお願いします俺は小見門悠馬と言います」

「ふふっ硬くなっちゃって可愛いですね。それで悠馬さん…私マッサージ得意なんですよ…それでベットにいきませんか?」


 さっきの胸を押し当てるよりもさらにエスカレートして今度は耳元で囁いてきた。これが普通の男だったら直ぐに堕ちている所だろう。それで俺は彼女とベットの近くに移動するなり押し倒し胸部に触れた。


「あらあら手が早いですわ…でもそんな所も男らしくてカッコいいですよ。それじゃあ服を脱ぎましょうか?それとも脱がす方が趣味ですか?」

「俺としては…」

「どんな感じがお好みですか?私…一目見た時から貴方様に一目惚れしたようで…お恥ずかしいですぅ…」

「俺の好みか…そうだな俺が好きなのは…簒奪」


 俺は魅了の魔眼を簒奪したら効果を確認する間もなく彼女に対して魅了の魔眼を行使した。


「悪いけどそんなステータスで来られてもハニトラにしか見えないよ。けどその行動は一介の男子高校生として嬉しかった」



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