10. 再会
最終回10話目です。どうぞ最後まで堪能下さいまし!
結目祭当日、柊亮はHR終了と同時に教室を飛び出す様に急いで帰路に就く。帰宅した柊亮は自分の部屋のタンスを漁り、目的の服を探し着替える。
「うっし……これで良いよな」
柊亮が選んだ服は淡いピンク色のTシャツに紺色のジーンズであった。柊亮の姿は9年前とは違い、身長も伸びゴツゴツとした硬い体つきになり、喉仏が出て声変わりもし男性らしくなってしまった為、あの日の自分を再現する苦肉の策として事前に用意したのが、当時着ていた淡い桃色の浴衣ドレスの色に似たこの淡いピンク色のTシャツであった。
「なんか見慣れねぇな……」
日頃、紺やカーキ、白等の落ち着いた色味のTシャツが多い為か、姿見に写る薄ピンクのTシャツを着た自分に違和感しかなかった柊亮は、タンスの中から白いオープンカラーシャツを取り出し羽織る。
「ん、これならありだな」
納得のいく恰好になった柊亮は鞄に財布とティッシュとハンカチ、最後に勉強机の引き出しから【赤い耳の兎と指輪のストラップ】を取り出しそっとしまう。支度が終わり居間に居た母に晩御飯は要らないと告げ、柊亮は家を出た。
向かうのは結目祭が行われる結目神社。柊亮は通学時に使うバスに乗り、高校や神社のある鈴塚町へと再び戻ってきた。
バスの中で恵にはメッセージアプリを使って『すまん、今日はやっぱ行けねえ。でも毎年誘ってくれてありがと』とだけ書いて送り、誘いを断った。
悩み悩んだ末、"ヒナタ"と会えなくとも今日は"あの日の思い出"とちゃんと向き合い、あの"約束の場所"へ向かうと決めたからだ。
――――――毎年ここまでは来てるんだよな。
柊亮は中学生になってから毎年1人で結目祭の日は"約束の場所"へ向かおうと、神社の鳥居前までは来ていた。だがそれ以上進む勇気がなくいつもその場で悩み立ち尽くし、ただ帰るというのを毎年繰り返してきた。巨大な壁が立ちはだかるかの様に、この鳥居の先に行くのは気が重い。
――――――ヘタレんなよ、俺。決めただろ、今年は逃げないって。
いつもは鳥居の前で引き返し進む事が出来ないでいた柊亮は、深呼吸をし一歩また一歩と踏み出す。その覚悟を決めるきっかけをくれた日向に感謝しながら、表参道へと続く階段を上がっていった。
――――――ひーくん、会えるかな。
左肩にかけた鞄の上から中にしまってある【赤い耳の兎と指輪のストラップ】の位置に手を添え、心の中で祈りながら、柊亮は9年前の様に屋台が立ち並ぶ表参道へと向かった。
◇
久々に訪れた結目祭に、柊亮はノスタルジックな気持ちになった。
初めて訪れた際には初めて見る光景だったからか、全てが新鮮で最新のものを体験する様な気分であった。だが9年の月日を経て同じ光景を目にすると、どこか懐かしさや昔っぽさを感じる部分もある。
約束の時間まで時間があった柊亮は屋台で腹ごしらえをする事にした。出来立ての匂いに引き寄せられ近くの屋台で焼きそばを買い、近くの木陰で立って食べる。食べながら辺りを見て、昔と変わらない雰囲気にどこかほっとした。
当時の様に表参道には、お祭りの定番商品である焼きそばやたこ焼き、お好み焼き等の主食系に、焼き鳥やフランクフルト等の串焼き、わたあめやフルーツ飴、チョコバナナ等のデザート系など、様々な料理の屋台。ヨーヨーすくいや金魚すくい、三角くじ等の定番の遊べる出店に、お面屋に型抜き、輪投げや射的等の沢山の屋台が通り沿いに出店している。
違いといえば、トルネードポテトやイタリアンスパボー、チーズハットグといった変わり種の食べ物が売っている屋台や、クジの景品に今時のテレビゲーム商品やカードゲームを置いている屋台が出店していることだろう。特にわたあめやチョコバナナはカラフルになっており、柊亮に時代の変化を感じさせた。
柊亮はチーズハットグも追加で1つ買い、1人歩きながら堪能した。その後、何か遊ぼうかとヨーヨーすくいやクジを見て回るが、幼い頃母や透達と来た時の様なテンションでは楽しめないでいた。
――――――9年も経てばそりゃそうだよな……ましてや今1人だし、あんなに1人ではしゃげねえわ。でもなんか懐かしくていいな、この風景。
自分の心と体の成長を実感しながら屋台を眺める。結局屋台の料理だけを堪能し、柊亮は"約束の場所"へと向かった。
◇
結目祭が開催されている結目神社に隣接する鈴塚森林公園。その中でも外れの方にある池の近くに設置されたベンチの場所を、スマートフォンで確認しながら柊亮は歩く。
――――――昔はスマートフォンなんて持ってなかったから、道も分からなかったんだよな。
当時お互いにスマートフォンを持っていれば連絡先の交換をして、ヒナタとの約束も簡単に果たす事が出来ただろう。だが当時小学2年生だった柊亮にはそんな贅沢な選択肢はなく、口約束となり、こうして互いを信じて待ち合わせ場所へ向かうしかない状況となっている。
――――――今の便利な時代に感謝だな、お陰で待ち合わせの場所も調べられたし。
隣町に住んでいた柊亮にとって初めての場所で交わした約束は、待ち合わせの場所を調べるところから始まった。スマートフォンに『鈴塚森林公園 池 ベンチ』と検索ワードを入れ、当時の約束の場所を調べるのは簡単だった。調べれば画像も出てくる、現代技術に感謝だ。
――――――でも口約束も悪くない。お陰であの約束を大切に出来たのだから。
きっとあの日連絡先を交換出来ていたら、それはそれで友達として仲良くなったかもしれない。だがそうだったらここまでヒナタの事を想って、自分の気持ちを考えたりする事は無かったかもしれない。あの日、透達とかくれんぼをしていなければヒナタと出逢う事も無かったし、女装をしていなければヒナタに"女の子"だと勘違いさせる事も無かったかもしれない。
結局は全て"かもしれない"程度の可能性の話でしかないが、柊亮にとっては『簡単に連絡が取れて簡単に叶う約束』よりも『その場で交わされる一度きりの口約束』の方が、叶えるのが難しい分だけこの"約束"を大切に出来た気がしたからであった。
――――――ひーくん、俺はあの日の"約束"を今でも大切に想っているよ。
会えるか分からないと自覚しながらも、9年前の約束を叶える為に柊亮は歩みを進めた。
◇
約束の時間より少し早く目的の場所へと辿り着くと、既にベンチには誰かが座っていた。足音に気付いたその人物は振り返り、驚いた顔で柊亮を見た。
「――――――え……? 柊亮くん? なんでここにいるの?」
「………………え、そっちこそなんでここにいんの?」
運命の導きなのか、何かの間違いなのか、待ち合わせ場所で出逢ったのは"探し人"に何処か似た"日向"であった。ベンチから立ち上がった日向は柊亮の元へ近付く。
「えーっとその……約束をしてて」
「こんな所でか?」
「あはは、……まあ昔の約束なんだけどね」
そう言って苦笑する日向の手には、見覚えのある色違いの【兎のストラップ】がある事に柊亮は気付く。
「……っ、それって!!!!」
「えっ、これ? 昔、結目祭で可愛い女の子にあげた片割れなんだよね」
「……その子に赤い兎あげなかったか?」
「う、うん。この子と対の【赤い耳の兎のストラップ】をあげた、よ……?」
不思議そうな顔で此方を見つめる日向に、柊亮は鞄の中から【赤い耳の兎と指輪のストラップ】を取り出し手のひらに乗せ見せる。
「…………これ、もしかして見覚えあるか?」
「う、うん……見覚え、あると思う……」
「その子にさ、9年前【玩具の指輪】貰ったりした?」
「…………した、けど…………え?」
互いに見合わせ、徐々に謎が確信へと変わっていく。互いに震える声で問いかける。
「もしかして、"ひーくん"……?」
「もしかしなくても、"しゅーちゃん"……?」
聞いてしまえば疑念は真実へと変わる。それでも2人は聞かずにはいられなかった。
「でも、え? しゅーちゃんって"女の子"じゃ……?」
「いやいや、そっちもだろ。ひーくんは"男の子"だった筈なんだけど……?」
「昔から私は女だけど……あの日私、お兄ちゃん達の甚平借りて着てたんだよね……」
「実は俺も……色々訳あって女物の浴衣ドレスってやつ着てたんだが……」
今まで柊亮が探して求めていた"ヒナタ"という人物は"男の子"であり、日向が探し求めていた"しゅー"という人物は"女の子"という認識だった。だが、今その前提が覆ろうとしていた。
お互いの心臓は緊張のあまりドクドクと音が聞こえそうな程高鳴っている。
「嘘、でしょ? え……。あの可愛かったしゅーちゃんっ!!!?」
「あの美少年ひーくんってお前なのかっ!!!?」
驚きどころではない。青天の霹靂とはまさにこの事だろうと柊亮と日向は思う。
9年前に約束をした相手と出逢えた事は勿論嬉しい。でもそれがまさか同級生で友人であり、出逢った時の性別を勘違いしていたなんて簡単には信じられない話だ。ましてや"最近気になっている相手"が、"9年前から特別だと思っている相手"だったなんて思いもよらなかった。
2人の間に沈黙が流れる。実際には1、2分程しか過ぎていないがとても長く感じた。先に沈黙を破ったのは日向であった。
「………………えっと、柊亮くん。ごめんなさい!」
「え、っと、なにが?」
もしかして"女の子"じゃなかった事が彼女を傷付けたのではないかという思考が過り、柊亮は内心不安になる。
「私、約束したあの日からずっと色々あってこの場所に来れてなかったの。それに性別も騙したつもりはなかったけど柊亮くんが思っていた"男の子"じゃないし……9年も経っちゃって、ずっと待たせてたよね……。本当にごめんなさい」
日向は柊亮を真っ直ぐ見つめ頭を下げ謝罪する。予想だにしない謝罪に慌てて柊亮も謝る。
「いやいやっ、謝んないでくれよ。俺の場合はあの時"女の子"って思われているの知ってた上で、女装してるなんてバレたくないって思って故意に嘘ついてたし。歳を取るごとに本当の事が言い出せる気がしなくて、ずっと俺もこの場所には来れてなかった……。だから俺の方が謝るべきだ……ごめん。本当にごめん」
柊亮はあの日嘘をついた事を告白する。性別を騙す気がなかった日向より、騙そうと思った自分の考えの方が浅ましく感じ誠心誠意、柊亮は頭を下げ日向に謝罪した。
「えと、私は気にしてないからそんなに謝らないで?」
「いや……でも、さ。騙そうとして騙した訳だし……」
「お互い様って事でさ。お互い勘違いしてすれ違ってたって事だし、ならおあいこでしょ」
「おあいこ、か」
日向は自分の事を責める柊亮に落としどころを提案し、自分が今思っている事を精一杯伝える。
「それにあの約束から9年も経ってしまったのに、今日ここに来てくれた事が私は嬉しい」
「それはあの日の放課後、お前が話を聞いてくれたからだけどな……」
柊亮が今日約束の場所に来る勇気をくれたのは、目の前にいる日向だ。彼女があの日の放課後、相談に乗ってくれていなければきっと今回も鳥居前で引き返していただろう。
柊亮に勇気を与えたのがあの日の放課後の相談である様に、日向にとっても今日訪れるきっかけになった一つはあの日柊亮から受けた相談であった。
「それを言うなら私が今日ここに来ようって思えたのも、柊亮くんのお陰なところもあるよ?」
「そうなのか?」
「うん。あの日相談に乗ったから、私も帰ってから改めて9年前の約束の事を考えたんだよ。今日も来たいなって思ってはいたけど兄達が忙しくて留守番頼まれてて、一緒に留守番している弟を置いて1人で行ってくるとも言い辛くって……。でも弟がね、行ってきたらって言って背中を押してくれたから今日ここに来れたし、柊亮くんの話を聞いて"もしもう会えなくっても約束の場所にちゃんと向かいたい"って思えたの」
日向は弟の言葉だけではなく、柊亮の言葉が今日ここに来るきっかけになった事を伝える。
「それにむしろしゅーちゃんが柊亮くんで私は良かったって思ってるよ」
「……俺も約束の相手がひーくん……いや、お前で良かっ――――――」
遠くからドーンと大きな爆発音が鳴り響き、柊亮の最後の言葉は掻き消された。2人の視線は夜空へ打ち上げられた大輪へと向かう。
「あ、花火っ。とりあえず座ってみよ」
「そっか、もうそんな時間か」
9年前のあの日と同じ様に横並びでベンチに座り、夜空を眺める。赤・青・緑・黄・紫・金・銀。他にも当時は無かった黄緑やレモンイエロー等の淡いパステルカラーの色も加わり、生い茂る木々で出来たフレーム内を様々な花火が打ち上がり彩っていく。
「あれ、なんだろ」
「なんだろ、蜂みたいな動きだよね」
「次のは土星だな」
「あ、ハートも上がったね」
9年間の様にあれは何だろうか、綺麗だと語り合う。その光景はまるであの日から変わらなかったものと、あの日から変わったものが交差している様だった。
あれこれと2人で話しながら見る花火は、終わりを告げる締めの大輪の花火が空に咲いた事で幕を閉じた。静まり返った空間で互いに目を合わせ、少し困った様に改めて挨拶をする。
「えーっととりあえず、これからもよろしく……でいいのかな?」
「あ、ああ。よろしく」
何処かぎこちなく交わされた挨拶に、2人は自分達は何をしているのだろうかと可笑しくなり笑った。
「ところでさ。今度から柊亮くんじゃなく、しゅーちゃんって呼ぶべきかな。でも今だとしゅーくんの方が良いかな?」
「あー、いや……しゅーちゃんはなんかこの年齢になると恥ずかしいから、それなら出来ればしゅーくんで。そっちはなんて呼べばいい?」
「私は日向でもひーくんでもひーちゃんでも何でも良いよ? ただしそっちとかお前とか、苗字呼びだけは禁止で」
「ひーくんは違うだろ、流石に。…………なんか今更名前呼ぶの恥ずいんだけど……」
「そこは慣れてください。改めて考えると今まで名前を呼ばれた事ないなって思って」
ずっと誤魔化す様に日向の名前を呼ばなかった事がバレており、柊亮は名前以外の呼び方という逃げ道を塞がれた。
「とりあえず…………ひ……日向って頑張って呼ぶ様にするわ」
「うん、しゅーくん」
昔と変わらぬふにゃりとした全力の笑顔に、柊亮は観念し今後は日向と呼ぶと約束をする。そしてこの笑顔に自分は一生勝てないのかもしれないと内心思う。
――――――やべぇ……今の表情見て、この感情がなんだか確信になっちまった。
顔を隠す様に手で覆う柊亮を、きょとんとした顔で日向が心配そうに見ている。相変わらずニブイところがあるなと思いながらも、変わっていないその姿に柊亮は何処か安心する。
「大丈夫? 何か言っちゃったかな?」
「……いいや、何でもないわ。なんというか変わってなくって安心したってだけ。それより時間あるんなら今までの話でもしないか? お互いこの9年で何があったとかそういうやつ」
「いいね。なら一緒に屋台でも見ながら話す?」
「そうだな、行くか」
行きは1人で来た道を今度は2人で歩く。あの日の様に鳥居を目指して横並びで向かう。だがあの日の様に寂しい気持ちなんてお互いになく、今日はこれから始まる新しい時間が楽しみで仕方が無い。
「ふふっ、なんだか懐かしいね。こうやって歩くの」
「ふっ、なんでだろうな。一緒に学校から帰ったりもしてるのに」
学校の帰り道と違うのは道なのか、心境なのだろうか。何故かいつもより心が躍る。見た目も声も変わってしまったし、あの日の様に今の関係では気軽に手は繋げないが、それでも再開出来た事を柊亮と日向は嬉しく感じた。
「なんだかあの日の続きみたい」
「そうだな。だけど来年は最初から一緒に屋台見たりして楽しみたいな」
「じゃあ、来年も一緒に来よ? 今度はちゃんと待ち合わせしてさ」
「来年はこんなに会うのに苦労しないだろうしな」
「そうそう。じゃ、約束ね」
「約束な」
2人は新しい約束を交わす。今度は9年も約束を叶えるのに時間はかからないだろう。きっとこれから先、2人の間で他の約束も増えていくだろうが、今日以上に難易度の高い約束にはならない筈だ。
――――――来年も<彼・彼女>と結目祭へ来れます様に。
手に持ったままの【兎のストラップ】にひっそりと祈る。その願いを互いの心に秘めながら、2人は祭りの喧騒の中へと消えていく。まだ彼らの結目祭は始まったばかりだ。
満点の星空と月が、彼らの行く末をそっと見守っていた。
◇
昔の約束が叶う時、新しい思い出と感情が生まれた。
それは今までの曖昧なものとは違う感情で、同時に新しい悩みも生まれた。
今度はその悩みに振り回され、眠れない日もあるかもしれない。
愛おしく楽しい時間も増えるだろうが、悲しく苦しい時間も増えるかもしれない。相手を信じられず不安になる日もあるかもしれない。
それでも勘違いとすれ違いの果てに出逢えたこの奇跡の様な日を、自分達は生涯忘れる事はないだろう。
いっぱい話したい事があるんだ。
君の事をどれだけ想ってきたのか、どれだけあの日の出逢いに心を奪われたのか。
まだまだ君に伝えられていない言葉や想いがある。
何から伝えて良いのかなんて分からない。
伝えたい言葉や気持ちを整理するには、まだ時間がかかると思うから。
それでも一歩一歩、ゆっくりこれからの事について考えていこう。
きっと"今まで"と"これから"の君を知って、これから先この感情がもっと鮮やかに色付いて、形を変え、明確にその答えを象っていくだろうから。
だからその時にこの答えを出そう。
"この出逢いは恋ですか?"
最終話、再開編でした。
作者としては終わってみると走り切った感が凄いです。
とあるきっかけで書き始めた今回の短編小説。
短編というものを書いた事がなかったので、本当に短編になるか手探りで書き進めました。
実は日向と柊亮というキャラクターは、元々は結城家(父・母・虹・嵐・日向・陸)を中心に描こうとしていた長編ネタのキャラクター達でした。その時点では今回の話で登場した結目祭の件や学校の設定はなく、今回の為に新しく練りました。
初の短編を書こうと思った際、『青春×昔の約束×W主人公』というテーマを決め、今の形になりました。
結果、なんだか甘酸っぱい話が出来上がってしまいました。自分で読んでいても感想を一言で言うなら「くぅぅっ……甘酸っぱい!」です。
どっちの視点も書きたかったが故の欲張りセットみたいな短編。楽しんで頂けたでしょうか?
子供から大人になると好みも変わったり、思い出への価値観も変わっていくと思います。
たとえ大人だとしても同じ思い出や約束の価値も、人それぞれ違った解釈だったり気持ちだったり。中々難しいですよね。
短編に収める為に書ききれなかった部分は多いのですが、それぞれの『約束』や『思い出』への価値観、『感情』等、少しでも何か伝わっていれば良いなと思います。
柊亮と日向が今後どうなっていくか、気になった方が多かったらまた続きを書くかもしれません。
……いや、書くのは野暮でしょうか?
後書きが長くなってしまうので、作者のこぼれ話が読みたい方は活動報告で書かせて頂きますので、そちらを読んで頂けると嬉しいです。
読者の皆様、最後まで読んで頂きありがとうございました。
良ければ感想やいいね・評価☆等頂けると励みになりますので、宜しくお願いします!
また次の小説でお逢いしましょう。




