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4/10

~学食~

「はぁ~!?今なんて!!」

「で、ですから順位の4位以下の方は特製プリンは食べれなくて…」

神路木が大声で係の女の子に詰め寄っていた

「昨日まで食べれてたのよ!それが急に今日になってお預けってどういうことよ!!」

そこにクラスメートに案内されて学食に入ってきた影城を見つけるや神路木はハッと勘づいた

「まさか今日やった模擬戦闘で順位が変わった!?それしか考えられない」

影城は詰め寄られた神路木に胸ぐらを掴まれていた

「ど、どういうことでしょう」

気圧された影城が困惑しながら神路木に聞くと影城の胸ぐらを掴んでいることに気が付き解放する

「いい?新入生、今日から来たあんたには知らないことが山ほどあるんだと思うけど」

そう言うと神路木はこの学園のことを少し教えてくれた

「この学園では体力、筋力、頭脳、異能力とそれに精神力や性格まで至る所に順位がつけられ総合的に判断された順位が生徒全員につけられているわ」

そして、と神路木は右手の人差し指を立てて

「順位に応じてクラスが別れ上位になればなるほど特別なオプションをつけてもらえる」

その1つがあれ、と給食係が手に持つカップを指刺す

「プリンよ」

「・・・プリン?」

神路木は小柄な割りに大きな胸を張る

「上位3位にはこの世界で4つとない超特製高級プリンが配布されるの!!」

「恋火さんは入学初日から学年で3位の順位を取った日から毎日欠かさずプリンを食べられていました」

ですが今日、と係の女の子が言う

「恋火さんは学年順位が4位となりましたのでプリンは食べられなくなりました」

「おかしーわ!急に順位が落ちるなんて誰かが3位になり代わったとしか考えられないもの!」

「俺の順位…生徒手帳に書かれている順位は…3位だ」

ぐぎぎ・・・と歯ぎしりをする恋火、顔には青スジが浮かんでいる

「絶対おかしい!あたしアルバートに文句言ってくる!」

そう言って神路木は周りに突風を巻き起こしながら食堂を出て行った

「待ってー恋火ちゃーん」

遅れて青髪の女子学生も追っていった


「いけません」

「なんでよ!?」

職員室、担任であり生活指導のアルバートが否定する

「あたしが3位から4位に落ちたのはどういう理由?あの影城とかいう新入生がそんなに特別なの?」

そういうとアルバートが鼻を鳴らす

「ええ、特別です」

きっぱり言われてしまった

「そんな・・・なんで、今日の模擬戦闘ではあたしの方が上で」

「本当にそうですか?」

「・・・!!」

そう言われて神路木は言葉を失う

「そう、今日の模擬戦闘は筋力や体力そして対戦者の戦闘技術を測る試験」

神路木は思い出していた、自分が目にも止まらないスピードで影城に迫り何m先まで押し倒した時

「あいつ、何もしてこなかった」

「ですね」

「じゃあ、あいつあえて何もせずに?」

本当はわかっていた、瞬間的に影城の左手が前に出て神路木の身体を押しのけるはずだった、しかし左手は前に出たままの体勢で固まっていた

「ですが彼はそうしなかった」

なぜ

「あたしを庇った?」

庇われた、この自分が、筋力でも体力でも学年トップで荒削りな戦闘技術は龍宮寺に負けてはいるがそれでも一般の生徒に太刀打ちできるわけがない

だがとっさに押しのけようとしたらそれなりの力が入る

「前回の対戦相手は押し倒された結果、腰の骨にヒビが入り学園の治療をもってしても全治3か月、前前回の相手は手を振りほどこうともがいて腕を打撲、精神的に学園での訓練を受けられなくなり退学」

対戦相手はいずれも男だ、本来力の強いはずの男の子が暴れたのに神路木に抗えず逆に怪我をしたほどの膂力。恋火の少しは相手を病院送りにするほどに強かった

今回アルバートの(特別)という言葉が気に入らず少し強めに押し倒してしまった

しかし結果はどうだろう。影城は無傷、当然自分も無傷だ

「彼は迎撃ができたのにそれをしなかった、あなたのされるがままにされ怪我も負わなかった」

だから

「だからあいつは3位になったっていうの?」

「3位というのは暫定順位だったんですがね、これでしっかり決まったと言ってもいいものです」

もう聞くことはないですね?とアルバートはこの話を切り上げた

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