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キーンコーンカーンコーン
授業の始まるチャイムが鳴り響く
「でさーソイツがしつこいったらなくて・・・で、別れたってわけ!」
2人の女子生徒がチャイムの音をガン無視しながらてくてくと正門へと向かう
「き、君たち今の音が聞こえませんでしたか!!せめてもう少し急ぐ素振りを見せたらどうなんですか!」
生活指導のアルバートは2人を急かすが女子生徒たちはゆったりとした足取りで正門を後にする
「全く信じらんなくない?初めてできた彼氏だったのになー」
「いいじゃない、こっちに来るんならどうせ彼氏君とは当分会えなくなるわけだし別れた方がお互いのためだったと思うわ~」
なおも2人は話を続けながら自分たちの教室へ向かう
「んんんん~あの2人はまた遅刻して!」
アルバートは歯ぎしりをしながら目で彼女らを追うことしかできなかった
女子生徒2人が向かった教室に間もなくして生活指導を兼任していたアルバートが教壇に立っていた
「ええ~君たちがこの学園に来てから早くも1か月が経過しました、まだまだ地球での学校生活の雰囲気が抜けきらない君たちではありますが」
アルバートは先ほどの女子高生を一瞥し、
「ここで1か月遅れで君たちの仲間になり共に学園生活を送ることになる生徒を紹介しましょう」
その言葉に席についていた学生たちの頭には1つの疑問符が浮かぶ
それを知ってか教師のアルバートは少しニヤリとして鋭い八重歯を覗かせる
「では入ってきてください」
ガラ・・・
最低限の音を立てて教室のドアが開く
「・・・」
すると1人の男子生徒がまた最低限の音で歩き教室に入ってきた
「コホン、彼が君たちと今日から学園生活を共にする影城君だ」
少し長めの黒髪に少し高めの身長。他はどこにでもいる高校生だ
「影城黒無です、よろしく」
彼がクラスに入るなら丁度20人目、他のクラスにも20人ずつ生徒がいるのでこの学園だと20人ずつクラスに入るならおかしくはない
ただそれが普通の学び舎なら、だ
そこで先ほど睨まれた赤髪の女子学生が口を開ける
「ここは外の敵を狩るための学園、能力者育成機関の学園でしょ?後から学生が追加されるなんて聞いてないんだけど」
たしかに2つ席が空いている。1つは病欠で1度来たきり顔を見ていない、だがもう1つの空席に疑問を持ちつつも1か月が過ぎた
アルバートはそう、と頷く
「だけど彼は特別なんだ他のクラスの生徒より成績が良く集められた特級クラスでもさらに特別なんだよ」
みんな仲良くしてあげてくれ、とアルバートは区切り影城を1つだけ空いている席に誘導する