表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/71

幕間

 小並塔也が冒険者活動をやめたばかりの頃。

 天地の魔塔のとある階層に、西寺玲奈が居た。

 彼女は巨大なモニターが複数あるその部屋の中心でキーボードを打ち続けている。


「お疲れ~。ようやく役目も落ちいたって感じかな」


 そこに役目を終えた北村(きたむら)優希(ゆうき)――現在では久野真冬やクマーを名乗る人物がやってきた。


「やっぱり誘導するのって大変だね。本当にアレでよかったの? ボクだってあんなことしたくないのにさ。なんでわざわざ告白拒否させるようなことするのさ」

「私の知る限り(・・・・)、必要な事ですから……」

「原作知識ってやつ? そんな外面だけで何でも知ってるように振舞うなんて、本当に気持ち悪いね。ここは決まった未来なんて存在しない世界だぜ? 実際、(あず)にゃんだって――」

「いくら長い付き合いでも、同じ時間だけを過ごして満足してたあなたの方が気持ち悪いです」


 2人は犬猿の仲だった。

 だが、動き出した計画を止めることは叶わない。

 それぞれの目的のために休戦し、手を取り合った。

 そして久野真冬は、取られた手を振り回され翻弄(ほんろう)され続ける。


「……次はどうする気?」

「しばらくは天地の魔塔のシステム管理だけで大丈夫です。これから3年ぐらいは適当に過ごしてくれていいですよ」


 計画の実行には時間が掛かる。

 そしてモニターには、必要な重要人物が数名映し出されていた。

 中央のモニターには、様々なシステムが起動されている。

 右の画面には絆地のぞみ。

 そして左には、小並塔也が映っていた。


「清ちゃんはどうするの。記憶を持ち越すなんて、完全なイレギュラーだよね」

「放置して問題ありません。どうせ手に負えるような次元ではなくなりますから」


 清川幸助は、本来関わることのない存在だった。

 関わることになった理由を、2人はまだ知らない。

 たとえ清川幸助が動きを見せても、歯車は正常に回り続けると思っている。

 しかしその実態は、動いたことにより未来は動きだす。

 それは、まだ先のこと……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑の☆☆☆☆☆評価欄↑をポチっと押して
★★★★★にしていただけると作者への応援となります!

執筆の励みになりますので、ぜひよろしくお願いします!
― 新着の感想 ―
[一言] 一話目からここまで一気読みしました。 初めは和気藹々としていたパーティがこのようにバラけてしまったことに驚きました。 クマー達は一体何を知っているのか気になります。 応援しています。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ