ルルたち、シロイとミドリを見送る。
次の日の朝になった。
もうすでに、村人たちはみな、すでに起きていた。そして、一日を始めていた。
ルルはシロイとミドリを見送るために、この村の出口にいた。ルルのほかに、アランとノエルがいた。シロイを見送りに来たのは、それだけだった。ほかには誰もいなかった。そのことを、ルルが言ったら、アランは「みな、忙しいのだろう。」といった。そういうわけではないだろうと思った。
ミドリとシロイはまだ来ていなかった。どうやら、出発の前に、村長と話をしているようである。
「シロイがいつ戻ってくるのか、わからないんでしょう。」
「そうですよ。」アランが言った。
「もしかしたら、もう、戻ってくる時には、この村にいないかもしれないです、わたし。」
「たぶん、そうなると思います。」アランは言った。「シロイには挨拶しておいてください。」
そうも言っていると、ミドリとシロイがやってきた。
特に話すことはなかった。
シロイに対して、「無事でね。」とも「気をつけてね。」とも言わず、「いってらっしゃい。」とルルはいった。
「杖は持ちましたか。」アランはミドリに聞いた。ミドリは「もちました。」と答えた。
アランは、なんて言えばいいのかわからなかった。そして、ただ、シロイに対して、「なるべく自分の能力を周りに見せびらかすようなことがないように。」といった。そういうと、「わかりました。」とシロイは答え、うなづいた。
ふたりは出発した。すぐ見えなくなってしまった。