シロイの村、襲撃される(6)
剣を持った男は、立ち上がり、その様子をみて、「なんてことを。」と言った。「こうなったら。」と言って、彼も、手の平をローブの男に垂直に向けてきた。そして呪文を叫んだ。
すると、男の手から、両手で持てるほどの大きさの火の玉が起こった。そして、ローブの男に向けて、火の玉がとんでいった。火の魔法である。
ローブの男は、その火の玉を、手で掴んだ。すると、その火の球は消えてしまった。
「火の魔法を弾いただと。」
「全然効かない。」男は言った。「こいつ、強いぞ。」他の村人が言った。「なんて力なの。」女が言った。
「とてつもない力だな。自分でも、これほどとは思っていなかった。」ローブの男はそう言った。そして、村長の方向を向き、「村長、村人たちに武器を捨てて、降伏するように言え。」と言った。
「お前は何者だ。何のためにこの村に来たのだ。」しかし、村長は応じなかった。
「そうか。従わないつもりなのか。それならば。」と言って、ローブの男はあたりを見渡した。そして、5歳ぐらいの少女が家から出てきて、近くにいることに気づいた。「こいつにしよう。」といって、その少女の方向
へと歩いて行った。彼女を人質にとろうとしたのである。