3/43
タナカくん、異世界に到着。(2)
「何しているの、そこで。」突然、声が聞こえた。少年の声だった。タナカくんは聞こえた方向を振り返った。少年と少女がいた。自分と同じくらいの年齢だった。
「どうしたの。」もう一人の少女が答えた。
「こんなところに一人でいたら、危ないよ。」少年が言った。
「ここはいったい。」タナカくんは聞いた。
「ここはって。」少女が言った。
「道だよ。」少年が言った。
「道。」タナカくんは答えた。
「村へつながる道。」少年はさらに言った。
「こんなところで何してるの。」少女は聞いた。
「何していると言われても。」タナカくんは答えられなかった。
「遭難したのかな。」少年は少女に言った。
「それなら、村があるから、そこまで行きましょう。」
そう言って、少女は歩き出した。ついていくように、少年も歩き出した。タナカくんは、何も考えられずに、2人についていった。