エンド1 転移と死と
きりが良いところまで書いておりますので、毎日投稿できる予定です。(人気が出たら続きも書くかも
誤字が多いのはゆるして下さい!!そういう作者なんです!!温かい目で見守って頂ければぁぁぁ!!!!!
カタカタカタカタッ。
深夜2時。
薄暗い部屋には、キーボードを操作する音が響いていた。
ピカッ!
突如その部屋に、光があふれる。
部屋にいた1人の男は突然のことに驚いていると、
「……あ、あれ?ここ、どこだ?」
白い床。白い空、白1色で構成された空間。
いつの間にか記憶にない場所にいた。
見覚えのない景色に首をかしげる男。
男の髪は黒くボサボサ。
年齢は40代前半で、独身。
ゲームを趣味としていて、現在は自宅警備員をしている彼の名は、
「長道 聖夜。あなたには、異世界に行って貰い、その世界を救って頂きます』
「うおっ!?何だお前!?」
突然、聖夜の前に金色の光を放つ女性が現れた。
聖夜は、その突然の出来事と、女性の発言で顔をしかめた。
ーー異世界に、って。俺を馬鹿にしてるのか?……っ!?さては!異世界転移詐欺という、新手の詐欺か!?
『まあ、突然のことで信じられないのは分かります。ということで、状況を説明しましょう』
「まさか、お前が女神で、俺を異世界で勇者として働かせるために召喚した。とか、言わないよな?」
聖夜の問いかけに、女性は微笑んだ。
それから1度、上から下まで聖夜のことを見てから、
『その通りです。よく分かりましたね。……分かっているなら話は早いです。早速異世界へ行って貰えますか?』
頷いた。
その瞬間、聖夜の体が固まる。
ーーコレはマジの奴か!?それとも詐欺!?それとも、この女、自分を神だと思い込んでる激ヤバアタオカ女ってことか!?
『かなり失礼な人ですね。最初から分かっていたので構いませんが、解説の必要もなさそうですし、あなた方の好きなチートという奴の説明をしちゃいましょう』
「何!?チート!?」
チートという言葉を聞いた瞬間、聖夜の表情が変わった。
女神からチートの内容が告げられると、気分は最高潮。
説明を聞く間も、ずっと目を輝かせていた。
………。
数時間後。
また、聖夜の体は光に包まれた。
「………よく来た。神の使いよ」
光が消えると、聞いたことのない声で突然話しかける。
聖夜は数度瞬きをして、話しかけてきた存在を探した。
そして、最初に目についたのが、自分の真正面にいる玉座に座った中年の男性。
「余はこのクウェル王国国王である。神の使いたる其方には、」
そこまで聞いて、聖夜は地面を蹴った。
目指す先は勿論、国王。
聖夜は話す国王に向かって拳を振り上げ、
殴ろうとした。
だが、国王へ後数歩、というところで、国王の隣にいた騎士の姿が消える、
直後、聖夜の意識は絶たれた。
血が飛び散り、地面が赤く染まる。
これで、聖夜の物語は終わり。
新しい召喚が行われる。
訳がなかった。
《バッドエンド『知覚できない死』へ到達》
《思考速度が15パーセント上昇します》
無機質な声が頭に響いた。
聖夜が目を開けると、そこには真っ暗な空間が広がっている。
その暗闇の中で、唯一の光が、
《・開始地点》
という文字だった。
聖夜はそんな状況にもかかわらず、笑みを浮かべた。
そして、ガッツポーズをする。
「よっしゃぁぁぁ!!!マジでチートだぜ!!」
聖夜のチート。
2つ貰ったのだが、そのうちの1つが、エンディング回収というモノだった。
効果としては、主に死んだ場合にエンディングが回収され、そのエンディングの内容によって聖夜の能力が向上されていくというモノ。
死に戻りの機能付きだ。
今回は、何が起きたのか分からず死んだため、『知覚できぬ死』というエンディング名となっている。
そして、そのエンディングにあわせ、聖夜の思考能力が強化された。
勿論、この死に方以外をすれば、思考能力以外が上昇する。
死に方によって、向上する能力は様々なのだ。
ただし、同じ死に方をしても能力が向上することはない。
つまり、様々な死に方をする必要がある、ということ。
「よし。まあ、最初は簡単にできる死に方を試していくとするか。では、次へとレッツゴー」
聖夜は、淡く光る《開始地点》と言う文字に触れる。
すると、その文字から光があふれ出し、聖夜の体はまた光に包まれた。
そして、
「………よく来た。神の使いよ」
聞いたばかりの声が聞こえた。
聖夜はその声を認識してすぐ、行動を開始した。
目指すは、窓。
「うおおおぉぉぉ!!!!!」
パリンッ!
聖夜は窓へと突撃。
窓ガラスは割れ、聖夜の体は外へと飛び出した。
が、その外には地面がなく、
「うわああああぁぁぁ!!!!????????」
聖夜は落下していく。
高所からの景色を楽しむ時間もなく、聖夜は地面とキスをして、
《バッドエンド『ある意味での旅立ち』へ到達》
《スキル『落下耐性1』を獲得します》
2つ目のエンディングを回収した。
聖夜はエンディング名と、それによって得た能力を確認し、すぐに次のエンディング回収のため、淡く光る文字へと手を伸ばした。
「………よく」
国王の話はそこまでしか聞こえなかった。
今度の聖夜は、また走る。
ただし、走る先が前とは違い、床のある場所。
「あっ!?待て!とまれぇぇ!!」
聖夜が走っていると、呼び止める声が掛かる。
その声を出したのは、聖夜が部屋から飛び出し走った先にいた兵士。
聖夜が、召喚された存在だとは気付いていないようだ。
「不審者だぁぁぁ!!!取り押さえろぉぉぉ!!!!」
「とまれぇぇぇぇ!!!!!」
兵士たちに追いかける中、聖夜は廊下を走り、階段を駆け下りていく。
後ろからだけでなく、前からも横からも兵士が出てきて取り押さえようとしてくるが、聖夜はそれを避けたり突き飛ばしたりして逃れていく。
そして、扉まで到着し、あと1歩で外へ出ることができるという所で、
ブシュッ!
軽い痛みを覚え、聖夜の意識が切り替わった。
《バッドエンド『王城の不審者』へ到達》
《スキル『潜入1』を獲得します》