cafe au lait
milkでかき混ぜる度に
夜が明けるように色が変わってく
少しずつ白くなっていく
苦味は柔らかくなっていって
でも、ほんのりと残り続ける
淡く
差し込む朝の光
重なる雲を抜け
空を駆け抜ける 階段になる
霞む
ビルの向こう側に
飛び立つ鳥の影
羽ばたく翼 星を連れてく
仄かに立ち上る 甘い甘い香りと熱に
宵に溺れて かすれた記憶
醒めることなく 冷ますことなく
夜の蠱毒と朝の孤独
混ぜ合わせたら 僅かな苦味
甘くさせてよ その朝露の蜜
夜に溶けそうなダークブラウン
沈んでいきそうに
暗い昏い
milkを注いで
かき混ぜたって
甘い心地になりはしないのに
渇く
降り注ぐ陽の光
抜ける青空の下
大地を疾走り 熱を帯びてく
揺れる
窓の向こう側に
そびえるそのシルエット
映る輝き 朝が呼んでる
静かに広がる 蜃気楼のような湯気に
朱に紛れて 蘇る記憶
醒めることなく 冷ますことなく
君の鼓動と私の鼓動
重ね合わせた 溶けてく甘味
忘れさせてよ 朝露の雫
夜が明けてくレディッシュブラウン
サメないでいてと
cry喰らい
milkを注いで
かき混ぜたって
溢れて汚れるだけなのに
朝に遺る 君を想う
交ぜ合わせたら 仄かな塩味
飲み込んでしまおう 朝露の雫
飲み終えたカップに
僅かに残った朱茶色の雫
沈着しないように流して捨てた