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詩❲悲恋❳

cafe au lait

作者: 日浦海里

milkでかき混ぜる度に

夜が明けるように色が変わってく

少しずつ白くなっていく


苦味は柔らかくなっていって

でも、ほんのりと残り続ける

淡く

差し込む朝の光

重なる雲を抜け

空を駆け抜ける 階段きざはしになる


霞む

ビルの向こう側に

飛び立つ鳥の影

羽ばたく翼 星を連れてく


仄かに立ち上る 甘い甘い香りと熱に

宵に溺れて かすれた記憶

醒めることなく 冷ますことなく


夜の蠱毒と朝の孤独

混ぜ合わせたら 僅かな苦味

甘くさせてよ その朝露の蜜


夜に溶けそうなダークブラウン

沈んでいきそうに

暗い昏い


milkを注いで

かき混ぜたって

甘い心地になりはしないのに




渇く

降り注ぐ陽の光

抜ける青空の下

大地を疾走り 熱を帯びてく


揺れる

窓の向こう側に

そびえるそのシルエット

映る輝き 朝が呼んでる


静かに広がる 蜃気楼のような湯気に

朱に紛れて 蘇る記憶

醒めることなく 冷ますことなく


君の鼓動と私の鼓動

重ね合わせた 溶けてく甘味

忘れさせてよ 朝露の雫


夜が明けてくレディッシュブラウン

サメないでいてと

cry喰らい


milkを注いで

かき混ぜたって

溢れて汚れるだけなのに




朝に遺る 君を想う

交ぜ合わせたら 仄かな塩味(えんみ)

飲み込んでしまおう 朝露の雫

飲み終えたカップに

僅かに残った朱茶色の雫


沈着しないように流して捨てた

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― 新着の感想 ―
[良い点] 冬野ほたる様の感想 ええもぉそのまま私の感想を代弁してくれています。 [一言] 混じり合う事で、個性を打ち消し、特徴を際立たせる。 優しさに包まれ、苦味を噛みしめ 優しさを知り、力強さ…
[良い点] 中々に迸る官能。 朝に見る光景全てが違う動きに転嫁され 夜におさまる事なく交じり合い、その果てに流す雫は涙とともに…… [気になる点] こちらはau laitではなく、むしろmicroso…
[一言]  cafe au lait。  甘やかで柔らかなイメージが覆りました。  どんなにmilkを入れたって、隠しきれない苦味と仄暗さ。  すっかり大人の飲み物ですね。
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