73、アクア・クリスネンスEND
《これはまた別世界でのお話であり、ソフィの婚約者がいない場合のもうひとつあったかもしれない未来である》
ソフィside
私は、ひょんなことから転生してしまい⋯この世界は私がつくりあげた黒歴史だと、ある日⋯気付いてしまった。
私は、将来断罪されてしまう未来を変える為、努力した結果───。
私は⋯⋯⋯避けようとしたが無理だったアクア⋯を好きになってしまった。そんな中、私がラスボスであることも別世界の人間であることも伝えた上で⋯苦難を乗り越えた末、私達は────
卒業式の後、クリスに呼び出され⋯あのスターを見せてくれた部屋(本編49話参照)に呼び出された。
扉を開ければ、そこは別世界で⋯部屋の中にオーロラと綺麗なスターが輝いていた。
「来てくれたんだね⋯。来てくれないと⋯思ってた」
「私達の仲でしょう?」
「そ、そっか⋯⋯」
照れくさそうな声で返事をするクリス。な、なんだか⋯私まで照れくさくなるな。
「ふぅ⋯⋯それじゃあ、少し付き合ってもらうね?」
「えっ?」
クリスがパチンと指で音を鳴らした瞬間──
私達の服装が一瞬にして、正装に早変わりって⋯えっとこれ⋯ウェディングドレスでは?アクアは白いタキシードを着ている。
ま、まさか─────
クリスは私の前で跪き─────
「僕は⋯⋯ソフィ⋯君を愛しています。これから先も、この気持ちは変わることは無いと誓います。言葉だけじゃ、伝わらないと思うから行動にもしていきたいと思ってます⋯。僕と、結婚して下さい⋯⋯」
あまりの驚きに、思考がショートする。こ、こんなにロマンチックなことある⋯?ほんとに?え?夢じゃないよね⋯?
「夢じゃないよ⋯ソフィ。君の返事を聞かせて───」
「こ、心読まれてる?!」
「ふふ⋯ソフィは、顔にすぐ出るから⋯。僕にでも、分かるよ⋯」
「うっ⋯⋯⋯お、お返事ですが⋯。わ、私も⋯クリスを愛しています⋯。クリスの奥さんに⋯して下さいませ!」
思いっきり、言ってみた⋯は、恥ずかしいけれど⋯!!私の、この気持ちに嘘はつけない⋯。
「───────ほ、ほんとに?夢じゃなくて⋯?」
「夢じゃありませんよ?!さっき私に、夢じゃないって言いましたよね?!」
「あ、う、うん⋯⋯あ、あまりにもビックリしちゃって⋯⋯はは⋯。ぼ、僕が⋯こんな幸せになっていいのかな⋯」
「良いんですよ!!私も幸せですから!これからもっと⋯幸せになりましょう?2人で一緒に!」
「──────うん────!!」
私は初めて、クリスの満面の笑みを見た。吐血するかと思ったのはココだけの話!
《数年後》
「ふぁ⋯⋯⋯」
「起きた?」
「うん⋯⋯⋯」
「昨日は没頭してたものね。出来たの?」
「出来た⋯」
「きっと喜んでくれるわ!」
「だといいなぁ⋯」
「ネイン〜!!起きて〜!」
バタバタと可愛らしい音をたてて階段を降りてきた我が息子。ネインです!
「ぱぱー!!ままー!!おはようでしゅ!」
ネインには、パパとママと呼ばせています。エッヘン!!可愛すぎるぅううう!!
「ネイン、おはよう⋯」
「ネイン!おはよう!今日は何の日か分かってるかしら?」
「ボクの⋯さんしゃいのたんじょうび⋯でしゅ!」
「偉いわ〜!今日は、パパがネインの為にプレゼントがあるんですって!」
「ほんちょ?!なになに?!ぱぱー!!」
「はい、どうぞ」
「ほんでしゅ⋯か?」
「そうだよ、本だ。でも普通の本じゃないよ」
「あけてみるでしゅ⋯!」
ネインが本を開けると、
「わわわ?!うしゃぎしゃんが⋯!!出てきたでしゅ!!」
「うわぁ⋯すごい⋯⋯。こんなの初めて見たわ」
「結構力作だよ、動物とか、自然なものとか、実際に見て触れれるようになってるんだ。でもそのページを閉じたり別のページを開くと、そのページのものに変わるし、消えるんだよ」
「しゅごいでしゅ!!ボク、しょうらい⋯ぱぱみたいになりたいでしゅ!ありがとうでしゅー!」
「どういたしまして、ネインなら大丈夫。きっと僕より凄い人になれるよ。改めてお誕生日おめでとう、産まれてきてくれてありがとう⋯」
「ネイン!産まれてきてくれてありがとうね!」
「⋯⋯⋯あいっ⋯⋯!!」
ネインは、嬉しそうに満面の笑みで─返事をしたのであった。
END




