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64、幸福





ソフィside





「⋯⋯⋯⋯⋯⋯」


意識が戻った私は目を開けていた。まず初めに、瞳に飛び込んできたのはリアムの泣き腫らした顔だった。


「目を覚ました⋯⋯覚ました⋯⋯ソフィ⋯⋯!!!」


ギューッと抱きしめられるが


「うぐっ⋯⋯⋯!!」


「悪いっ!!やらかしたばい⋯⋯!!」


剣を刺したところが痛い。あれ、私⋯生きてる?でもなんか、すごい夢を見ていた気がする⋯⋯いや待って。






あれは夢だったのかな⋯?






「1ヶ月も目を覚まさんけん⋯⋯⋯。もうどうしようも⋯ないかと⋯⋯」


え?1ヶ月も経ってるのに、この傷の痛みは何?


「ユーフィリア嬢が助けてくれたたい。けんど、聖女の力は消えて⋯治癒魔法が使えるほどでは、なくなったけん。自然治癒しか方法がなかったと⋯⋯」


「⋯⋯お姉⋯さま⋯⋯が」


声は、かすれかすれでしか出なかった。


「ゆっくりで良いけん。それと、ソフィも闇魔法が万能に使えんくなってるはずばい」


「そう⋯⋯みたい⋯」


魔力がカラカラになってる。生きてるだけで有難いもの。お礼を言わなきゃね⋯⋯アイラお姉様に。


「生きててくれて良かった⋯⋯。もう、あんな思いは⋯⋯したくないっ───!!」


「ごめ⋯んね⋯。ありが⋯とう」


今度こそ言えた。あの時は最後まで言いきれなかったから⋯⋯。それから、リアムにどういうことが起こって今に至るか詳しく聞いた。


私が自ら刺したあと、後ろから眩い光が放って意識が飛び気づいた時には私の体に剣は刺さっておらず、横たわっていたらしい。


すぐさま、傷口を見るためにソフィ()の服を裂いたそうだ。それで、確認したら傷口が浅くなっていたらしくて⋯すぐ様、グレン先生⋯⋯お父様が治療してくれて一命を取り留めたらしい。


リアム曰く、生徒や先生が私の存在を忘れていたらしいのだけれど⋯⋯私が一命を取り留めた後に学園に戻ったら、ソフィの記憶があったみたいだった。


だから問題なく学園にも通えるけど、その前に「治療して健康になってからだ」と念押しされた。あれから、みんながお見舞いに来てくれて部屋で皆がわんわん泣いた。



ものすごい光景だったから目に焼き付けておいた(ちゃっかりしてるぜ!)



休んでいる間に、あの時の夢を思い出したのだけれど。ソフィは、あの"無"を連れて⋯旅立っていった。


ソフィが実は⋯⋯無に惚れたらしく⋯誘いに成功したみたいで良かった。2人幸せに、やってると思う。きっとね。


ソイとウィン、ピィリアスも来てくれた。3人は自力でだ。ピィリアスは、私が召喚してというのは出来なくなった。


召喚できるだけの魔力がないから。日常生活には支障がない些細な量しかないのだ。


私が無に体を乗っ取られ、死にに逝こうとしてる間⋯全世界は黒い闇に包まれていたらしい。でも、アイラお姉様のお陰で空全体が真っ白に輝く光となって⋯闇を打ち消した。


そうして、私のお見舞いに来てくれた皆とそれぞれ話をした。アイラお姉様には、謝ったけれど『ソフィ様を救うことが出来て私に悔いはありません』とまで言いきってくれた。




ありがとうと、ごめんねを繰り返して言い返した。













それから、2年後────












「新郎リアム、貴方はソフィを妻とし、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、妻を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り共に戦い生きることを誓いますか?」


「はい⋯誓います」


「新婦ソフィ、貴女はリアムを夫とし、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、妻を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り共に戦い生きることを誓いますか?」


「はい、必ず誓いますわ」


「では誓いのキスを」


私の目の前には、大好きで愛しい人⋯リアムがいた。あの時は本当の別れだと思ってたのに、今こうして目の前の人に触れられる幸せを私は一生忘れない。


「ソフィ⋯」


「リアム⋯」


私達は、躊躇いもなく誓いのキスをした。


「ここに、ひとつの夫婦が誕生しました」


そう牧師さんが言い終えると。


「⋯ソフィ様!おめでとうございます!」


凄く喜んでくれてるのが伝わる笑顔でアイラお姉様が祝福してくれる。


「⋯⋯おめでとう⋯⋯ソフィ⋯君が幸せそうで⋯何よりだ」


一瞬だけ辛そうな顔を見せたと思ったら、嬉しそうに微笑むレン様。


「あーあ、早いな結婚すんの。ま、俺もいい人見つけてやるしな」


ドル(グラウス)ったら、何が悔しいのかしら。


「⋯⋯⋯ソフィ⋯僕は君に出会えてよかった⋯。君に出会えたからこそ今の僕がある。ありがとう、そして⋯おめでとう。末永くお幸せ⋯にね」


こちらこそ、ありがとうよ。クリス。


「人妻かぁ⋯仕方ないね。まぁまぁ楽しめたよ。末永くお幸せに」


スクラは、何だか意味深なこと言うのやめてくれないかしら?


「⋯⋯ソフィ⋯⋯おめでとう⋯。お前が幸せそうにしてる姿を見れるだけで⋯俺は幸せだ。結婚おめでとう」


ありがとう⋯スザク。貴方は私の良き理解者であり良き友あり⋯⋯リアムとは違う意味で大切な人よ。貴方もどうか幸せになって欲しい。


皆からの祝福の言葉を聞きながら、教会の外へと出る。そこには、リアムの国の民がいた。


「「「「「ぉぉおおおおおお!!!」」」」」


聞こえてきたのは歓喜の声だった。私は民を目の前にして高らかに宣言する。


「皆さん!私は、皆さんの嫌う人間です。ですが!!私は夫であるリアムを愛しています!そして、皆さんの事も⋯⋯大好きなのです!!皆様を今まで騙していたこと申し訳なく思います⋯ですがこれからもっと⋯⋯皆様のことを教えて頂きたいです。この国をもっと良くする為に私達に力を貸してくださいませ!!!」


ほとんど顔見知りだ。私が、人間というのを隠して色んな人と交流を持った人達で、いっぱいだった。勿論、リアムの事もみんな知っている。



「俺達はソフィのことが好きだからよ!!王子もな!!」


「人間でも良い奴はいる!」


「そういう事さ!!」


「まだまだ信用出来ねぇ部分もあるけど、それも今後、俺達に誠意を見せてくれるんだろ!!」


「はい!!!勿論です!!」


私の物語は終わったのではなく新たな始まりだ。


愛しい人と愛しい人がいる国の人達と⋯皆でこの国を良くしていきたい。そして最後に⋯みんなの前で、更に宣言することにした。










「リアム!」











「な、なに?!」









「一生、愛してる!!」










「ええええっ!?!」










顔を真っ赤にするリアム。だけど、リアムは照れくさそうに返事をくれた。











「おいも⋯⋯愛しとーよ」















あぁあ、もう!!好きっ!!!













私は幸せ者だわ!!













私は自ら、リアムの唇に私の唇を押し付けた。





END




これにて本編は完結です。本編でかけなかった所を番外編という形で投稿したりしようかなとは考えています。もし、番外編もみたい!って仰ってくださる方はブクマしていただけると嬉しいです

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