表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

51/75

51、3度目の正直






事件は、中間試験の模擬テスト中に起こった。





突然、空の向こうから真っ黒な影が押し寄せてきたのだ。その黒い影とは、魔物の大軍である。



「⋯⋯⋯ついに⋯⋯来たのね。この時が──」


生徒会に入ってから、アイラお姉様とレン様が結構、お喋りするのをチラホラ見かけていた。


何に対して話をしているのか、全く検討がつかなかったのだけれど、かなり白熱した議論?を繰り広げている雰囲気だったし。


仲を邪魔するのは私の本意ではないし、寧ろ仲良くイチャついて下さい!!というのが願望⋯いえ本望です。当初からの願いは(忘れたのかと)変わってないわよ(思っていた)!!


『凄い数がコッチに来るヨ?!』


『ソフィは⋯いつも、ゆったりしてるよナ?!!』


ウィンとソイにツッコミをいれられる。まぁね?だーいぶ遅すぎたけど!!話が進んだみたい!


『で、どうするんダ?!』


私ね、皆と過ごすうちに考えた事があるの。リアムにも、伝えたんだけど⋯。私の作った物語は尽く、破壊⋯じゃなかった。


原作通りに全く進んでない。アイラお姉様が皆に遭遇するはずが私が何故か遭遇して、アイラお姉様を助けていたり。


アイラお姉様に好かれたり。レン様は、まともな王子になっているし。そもそも悪役令嬢である私が他の攻略対象2人と関わっている時点でおかしい。しかも、関係は良好。


リアムに意見を聞いたらなら、仲良くしてもいいんじゃない?って言ってくれた。


『ホントは関わって欲しくないと。けんど⋯向こうから関わってくるし、ソフィは仲良くしたいと?』


その問いに私は素直に頷いた。仲良く出来るなら仲良くしたい!!


『分かった』


そう言って、リアムは皆と仲良くする事を許してくれた。それと⋯何かあれば隠さず、すぐに報告する事という言葉も一緒に。


勿論、すぐに了承したわ。で、もしこの出来事が起こったら私、助けるわとも伝えてある。さぁ、やるわよ。



───




「どうするって⋯⋯クリス!」


「分かった」


そう、魔道具を地面に設置して敵に合わせて焦点を合わせた。大砲みたいな形なんだけどね。


「おい!お前ら!なにしてるんだ!!すぐに校舎に戻れ!!」


先生の怒声が聞こえるが、どうでもいい。先生が対処しようとしてもダメなのだから。


「発射!!」


ドン!!!

バァァン!!パラパラ!


魔力の玉が、爆発して花火のように円形に広がって綺麗な音と共に敵を蹴散らしていく。


「やったわ!」


「まぁそれでも、少しだけだけど」


「ソフィ、凄かね?!」


「でしょ?」


「さぁ!2回目!!発射!!」


ドン!!!

バァァン!!!パラパラ!


「そこそこ、いけたわね」


そう呟いた直後、突然⋯体が光った。何事っ?!って思ったら力がどんどん湧いてくる。


「ソフィ様⋯⋯頑張ってください⋯!」


こ、これは!!聖女の強化付与の力!!きゃー!!!アイラお姉様、素敵ぃぃぃぃ!!!最高潮にテンションが上がった。


「ソフィ・タルアニア⋯行っきまーす!!」


光は天敵でも、私には風と土魔法があるんだから!!あとブレスもね?今回は、お休みだけど。


「ソイ!ウィン!!」


『分かったヨ!』


『任せロ!!』


野次馬達とクリスは私の発言に、頭にはてな()マークを浮かべているのが表情からして分かるけど説明するつもりもない。


「いくわよ!!」


周りの土を固めた形で浮かばせ、黒い大群に向かって飛ばす。以前使用した魔法の倍の威力で。今回は、野次馬達は引っ込んだので無詠唱だ。


「いい感じに落ちていったわね。でも足りない⋯か⋯⋯」


そう、魔物を倒してもキリがなかった。減っては増えてを繰り返したから。でも、諦めきれなかったから手を止めることはしなかった。そうして、とうとう⋯やってきてしまった。


「キーッキッキッキ⋯⋯⋯!!」


羽の生えた魔物⋯⋯デビルフラット。背中に着いている羽で自由自在に飛ぶことが出来、知能もかなり高い。話せる奴も、きっといる。アイラお姉様は校舎の中に入ってもらった。ただし、見えるところに。


「アイラお姉様に指1本触れさせないわ」


そうして、対抗していく。私だけではなく、リアムやレン様、クリス、ドル、スザク師匠。援護でアイラお姉様⋯⋯皆が。


こんなのは私が書いた黒歴史(物語)になかった事だ。皆で力を合わせてなんて、私⋯⋯今、最高潮にテンションMAXです!!!そんな、テンションMAX時の私に隙が出来まくりだなんて知る由もなく。


「「「ソフィ⋯⋯!!」」」


「タルアニア!!」


「師匠!!」


「ソフィ様⋯⋯!!」


『馬鹿!!さっきから言ってるのに、私の声すら届かないなんて!!浮かれるにも程があるわ!!』


「えっ??」


気づいた時には遅かった。普段なら気づくであるはずの気配に気付かず、背後を敵に取られるなど。


「コイツだ」


「行くぞ」


「待ってぇぇええええ!!!!」


皆が聞いた私が消えるまでの、最後の悲鳴は何とも情けない「待って」だった。



───



──



グスン⋯⋯ソフィです。こんなマヌケな展開があるでしょうか。私また、連れ去られました。なんで、アイラお姉様じゃないんですか。


「お連れしました!魔力が高い娘です」


「⋯⋯そっちの奴は誰だ」


「主様⋯⋯スミマセン⋯⋯私が一目惚れしまして連れ去ってしまいました」


横をチラリと見たら美少年が⋯⋯⋯って。スクラ?!!


「⋯⋯何ここ?」


何でよー!!なんで、一目惚れされて連れさられてるのよ!!いや一目惚れしてもおかしくないわ。美少年だもの。


貴女いい目をしてるわね。つい、魔物に賞賛を送ってしまった。ってダメダメ!!そんなことを考えているうちに、主とやらは私に近づいてきていたようだ。




グイッ⋯⋯⋯




あ、顎クイされたァー!!!えー!!嬉しいけど、顎クイされるのはリアムにされたかったー!!帰ったら頼もう(能天気だ)


「コイツは違う」


「えっ?!」


魔物は驚いた。でしょうね。そうでしょうね。あなたが間抜けなのよ!!アイラお姉様と私を間違えるって、どういう神経してんの?!


ていうか、主イケメンかよー!!あー最高だわ⋯⋯ほんとにありがとう会えてよかったわ。


白髪ロングのサラサラヘアーに紫の瞳、魔物であるにも関わらず真っ白な衣装。人間のように見えるけれど、全然違う。


目の瞳の中の色は色素が薄く、表情も無表情でありながら人の絶望に歪む顔が好きで⋯それを見て普段の無表情が笑顔になるという魔物だ。私が描いた通りのキャラが目の前にいる。


本来なら、アイラお姉様は絶望の表情を魔物に見せてしまい、それがまた、相手を喜ばせちゃって⋯⋯ここにいる間、散々な目にあうんだけど。


レン様が助けに来てくれた時にはアイラお姉様は結構衰弱してて⋯その姿を見て、レン様は覚醒するの。そして、魔物であるエンペラーを倒すのよね。


その後は勿論!看病イベントとか、レン様がアイラお姉様に対してかなりの過保護になるイベントとか、思わずキャッ!となるようなイチャイチャラブラブイベントをこれでもかってくらいに書いたわね。


という訳で、私は絶望に歪めることも無いのだけれど。何故って?え、瞬間移動してしまえばこっちのもんだから!って言いたいんだけど。


隣にスクラが居るのよねぇ。ほんとに何で!!攻略対象は全員チートって設定なはずなのに!


「⋯⋯ほぅ⋯⋯私を前にして、他のことが考えられるとは⋯⋯」


最初から言っておくわ。貴方は私と同じソフィの役割であり推しという対象ではないの!!まぁ、無闇にイケメン設定にしたけどね!!


だから、潔く散って欲しいんだけども。私は散りたくは無いので、何としてでも生き延びますけどね!


「面白い。あの方が言っていた通り⋯⋯⋯⋯ん?そうか間違っていな(・・・・・・)かったのか(・・・・・)


「ん?」


「良くやった。どうやら私の勘違いだったらしい」


デビルフラットが何故か褒められている。


「そ、そうでしたか!!お褒めいただき光栄でございます」


「下がっていいぞ。あとそこの」


スクラを指した。


「程々にしとけよ?」


「⋯⋯⋯ありがとうございます!」


ぇぇええええ!!連れてかれるじゃんか!!大丈夫?!大丈夫なの?!と思わずガン見(目線だけ)したら、微笑まれたスクラに微笑まれた!!え、何その表情は大丈夫って事?え、それとも気付いてない?え、どういう事よ!!


私の顔は多分、混乱した顔だったんだろう。スクラは何故か私の表情を見てか肩を震わせていた。あ、これ笑われてるわ。なんで笑っとんじゃー!!って連れてかれたァー!!!


「と、何やら考えに没頭しているらしいな。面白い」


「離して頂けますか。顎クイはトキメキませんので」


リアムにはときめくけど。そこは間違いないように。


「⋯⋯⋯⋯⋯???」


分かってなかったー!!!なんか、恥ずかしいじゃない!


「とにかく、その手を離して下さるかしら」


「私に、こんなにも強気な人間は初めてだ。まぁいい⋯⋯」


顎に手をかけていたのをやめて、私の頭の上に手をかざした。え、一体何するつもりよ。







気づいた時には────









グラッ⋯⋯⋯









あれ⋯⋯力入らない⋯⋯何で、この魔物に私は支えられてるの?なんで?


『ソフィ⋯⋯!!しっかりしろよナ!!なんで、倒れてんダ?!』


『分からないヨ!!それに⋯⋯ボクたちも⋯⋯なんだか⋯⋯⋯⋯ちからが⋯⋯抜けテ⋯⋯⋯』


ソイとウィンも私の頭の上で、ぐったりしている気がする⋯⋯。


「これで良いですか?」


「アァ⋯⋯⋯コレデ⋯⋯シタジュンビ⋯ガ⋯トトノウヨ⋯ソノ、マリョクハ⋯⋯キミノモノ」


「有り難き幸せ」




何が幸せなのよ⋯⋯誰の魔力が⋯キミのものですって?そう思ったと同時に私の視界は真っ黒に染った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ