47、幸せな時間
ソフィside
ただいま戻りましたソフィです。えっと⋯今ですね、リアムに怒られているところでございます。何故かって?リアムに何も言わず、リアムの国に行っていたからです。
「ソフィ⋯?聞いとっと?!」
「聞いております⋯」
「なして、おいに黙って行ったと?!何かあったらどうするばい!!」
「えーっと⋯⋯ちょーっと見に行っただけ⋯でしてっ⋯」
「⋯⋯⋯⋯⋯」
うぅ⋯無言の圧力が1番くる⋯。
「ごめんなさい⋯リアム⋯。次からは、ちゃんと言うから許してっ⋯⋯」
すごい剣幕で怒ってくれてるわけだけど、それ程心配をかけてしまったので怒らるのは仕方ないけど嬉しい。
「ふんっ!」
えっ?!待って⋯仲直りして貰えないの?!かなり、ご立腹だ。ど、どうしよう。リアムに嫌われたくない。
「リアムごめん⋯なさっ⋯いっ⋯次はしないからっ⋯⋯お願い⋯しますっ⋯⋯」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
何も返事をしてくれない。
こっちに顔を向けてくれもしない。辛い。自然と視界が歪んでいく。泣いちゃダメだ。私が悪いんだし⋯⋯
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯っ⋯⋯」
と思っても、視界は更に悪くなった。
「⋯⋯⋯⋯!」
「ごめんなさ⋯⋯いっ⋯嫌いに⋯ならないで⋯」
「⋯⋯はぁ⋯⋯次から気をつけるたい。分かっとーと?」
ガバッと顔を上げれば視線が噛み合う。私は今、この上なく酷い顔してると思う。私は必死に頷いた。そうしたら、リアムが抱きしめてくれた。
「ヒヤヒヤしたとね。連絡も取れんばい、何かあったかと思って気が気じゃなかったとね。なんせ、この学園で何が起こるかいっちょん分からん。手の届くところに居てくれんと守れんばい」
「ごめんな⋯さぃ⋯⋯⋯」
うぅ⋯⋯こんな不甲斐ない私ですが一言っ⋯⋯言わせてくださいいいぃっ⋯⋯⋯⋯!!
「リアム大好きぃぃぃぃぃ⋯⋯⋯うわぁーんっ⋯⋯!!!」
ギューッと抱き締め返して、ワンワン泣いてやった。
「⋯⋯好いとーよ、ソフィ」
そう言ってくれたリアムは⋯
「チュッ⋯」
髪にキスを落としてくれた。
え、心の中は─────
うきゃああああぁあつつっ!!!涙なんて引っ込んで、真っ赤になったのであった。
───
──
あれから落ち着いた私は、リアムにこと細かく説明をしていた。また怒られると思ったのだけど⋯やれやれって感じで聞いてくれた。
え、どんな感じで話したのかって?勿論、くっついてお話しましたよ。どうやってくっついたのって?腕に抱きついて、ギューッとしながら話しましたよ。
いい筋肉でした。あと、いい匂いしたよ!
だって中々イチャイチャ出来ないんだもの⋯ここぞとばかりにイチャイチャしましたもん!!
「そ、ソフィ⋯大胆⋯ばい⋯⋯⋯」
リアムの顔も真っ赤で、こっちも真っ赤になるけれど、この時間がとっても幸せ。今は中庭に居た。
誰もいないのをいい事に頑張ってみましたっ!!
「だって⋯⋯リアムとこうやってくっつきたいのに、くっつけないんだもの」
「うっ⋯⋯それ言っちゃダメなやつたい!」
「えっ?言っちゃダメなの⋯⋯?」
何で?え、思ってることって伝えるべきじゃないの?違うの?!!ほら、すれ違いとかで別れるとかあるじゃない!ぜーったい嫌だもの!!
「だ、ダメじゃないけんど⋯心臓がいくらあっても⋯足りない⋯⋯」
可愛い⋯好きっ!!
「私もです⋯⋯」
私は幸せ者だ。深呼吸したリアムは私に尋ねてきた。
「⋯⋯ふぅ⋯⋯ソフィ、グラウスと出かけて帰る前に狙われたとね?グラウスが?」
「うん、そうなの。私じゃなくて、グラウスが」
「ふぅん⋯⋯⋯⋯おかしい⋯」
あ、リアム落ち着いたみたい。
「また俺の方で、調べることにする。そいで、グラウスとは、なーんにもなかった⋯とね?!」
あらっ?!
「ないです!」
「じゃあ、キスしてくれると?」
は、はいっ?!!え、リアム一体どうしたの?!え、いっ、今ここでっ?!え、私から?!キスして欲しいって?!!え、そんなハードル上げないで?!
「⋯キスしてくれんと⋯⋯」
「わっ、わかりましたからっ⋯⋯!」
なんて小悪魔なの?!って一体どこでそんな技を覚えたの?!しかし、なんでこんな展開に?!⋯覚悟を決めるのよソフィ!女は度胸よ!
「リアム⋯⋯目を瞑って頂けますか?」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
リアムは黙って目を閉じてくれた。思わずジーッと眺めてしまう。まつげ長い⋯耳も可愛い。肌も綺麗で羨ましい。
化粧品みたいなの使ってるのかしら?唇も綺麗で羨ましい⋯⋯。髪だって綺麗で触りたい⋯。って、現実逃避してる場合じゃなかった!!
私は唾をゴクンと1つ。
よし、やるわよ!!
そっと顔を近づけていく───
あと少しっあと少しでっ─────!!
「ソフィ様!!!」
「☆□◎△▽@⋯!?!!?」
私は、何を言ってるか分からない悲鳴をあげた。
───
──
息を切らしてやってきたのは、アイラお姉様だった。
「ど、どうしたんですの?」
「騎士様が⋯お呼びですっ⋯⋯」
「あぁ!」
そう言えば、すっかり忘れてました。事情聴取ですね。って今?!!タイミング悪くない?!!ねぇ!!
いや、確かに恥ずかしいし、自分からなんてはしたない!!とか思ってたし!でもリアムからのお願い?だし!!
両思いになってから、そんなイチャコラ《しか経ってない》出来なかったし!!ちょっとぐらい良いじゃない!イチャイチャしたって!!
なんで、邪魔されるのよおおおぉぉぉぉ!!
「ゴホン⋯⋯ユーフィリア嬢、騎士はどこに?」
「えっと、正門にいらっしゃいます」
「分かった、ソフィ行くぞ」
「あっ、はい!」
スッとリアムが近づいてきて耳元で囁かれた。
「続きはまた今度ばい、楽しみにしとっと」
「!?」
なんて小悪魔なんですかぁ!!!しかも、続きあるの?!ってか、させる気なの!!?私は大いに翻弄されたのであった。
♢♢♢♢♢♢♢♢
リアムside
いまさっき戻ってきたソフィに説教している俺です。
「ソフィ⋯?聞いとっと?!」
「聞いております⋯」
本当に聞いているのかどうかも怪しい。
「なして、おいに黙って行ったと?!何かあったらどうするばい!!」
「えーっと⋯⋯ちょーっと見に行っただけ⋯でしてっ⋯」
危機管理が無さすぎる。確かに彼女は強い。でも強いからと言って慢心してはいけない。
だって彼女はこの世界では悪女と言われ断罪されるらしいからだ。その可能性がないとは言いきれない。断罪されるようなことは、していなくともだ。
「⋯⋯⋯⋯⋯」
黙ってソフィを見た。
「ごめんなさい⋯リアム⋯。次からは、ちゃんと言うから許してっ⋯⋯」
そう言われても、おいもちょっとムカついたわけで。俺に黙って何でもするから⋯仲間外れたい⋯⋯じゃなかった!!
「ふんっ!」
ちゃんと分かってもらわんと、いけんとね。なので、怒ったフリをした。
「リアムごめん⋯なさっ⋯いっ⋯次はしないからっ⋯⋯お願い⋯しますっ⋯⋯」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
どうして返事をしようか。少しくらい頼ってくれたっていいはずだ。おいだって、ソフィの力になれるように、力をつけた。
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯っ⋯⋯」
ん?ソフィの声がおかしい?
「⋯⋯⋯⋯!」
うっ?!泣いてる?!ソフィの泣き顔を見るのは2回目で───。
「ごめんなさ⋯⋯いっ⋯嫌いに⋯ならないで⋯」
何でそうなると?何年、好きだと思ってるばい。でも、嫌われたくないと思ってくれてるのは嬉しい⋯。
「⋯⋯はぁ⋯⋯次から気をつけるたい。分かっとーと?」
必死にコクコクと頷くソフィは、小動物みたいで可愛か⋯!!愛しくて仕方がなかったと。だから、おいは──
ソフィを抱きしめた。
「ヒヤヒヤしたとね。連絡も取れんばい、何かあったかと思って気が気じゃなかったとね。なんせ、この学園で何が起こるかいっちょん分からん。手の届くところに居てくれんと守れんばい」
「ごめんな⋯さぃ⋯⋯⋯」
まぁちょっと出かけただけと詳しいことは聞いてないけんど、というか、おいに聞く余裕がなかった。
「リアム大好きぃぃぃぃぃ⋯⋯⋯うわぁーんっ⋯⋯!!!」
!??!
もの凄く嬉しい上⋯更に、抱き締め返してくれた。おいも言わないとな。
「⋯⋯好いとーよ、ソフィ」
そう、返事をした後に。
「チュッ⋯」
それから、髪に口付けした。え、何で唇じゃないと?って?
それは───────
───
──
顔を真っ赤にして涙も引っ込んだソフィは、先程聞けなかった詳しい話を聞かせてくれた。何故か、獣人の子を助けていた事。グラウスがおいの国に行っていた事。そして、そのグラウスが狙われたこと。
ただ、おいの心は尋常になくドクドクと脈打っていた。だって!!ソフィとの密着度⋯距離が0ばい!!
おいの、腕に抱きついて離すもんかって感じでそばに居てくれるとね!落ち着けるわけがなかったばい。それに、いい匂いもしたとね。
「そ、ソフィ⋯大胆⋯ばい⋯⋯⋯」
「だって⋯⋯リアムとこうやってくっつきたいのに、くっつけないんだもの」
襲いたi─────駄目ばい⋯。
「うっ⋯⋯それ言っちゃダメなやつたい!」
「えっ?言っちゃダメなの⋯⋯?」
何故ダメなの?って顔をしているけんど!!
「だ、ダメじゃないけんど⋯心臓がいくらあっても⋯足りない⋯⋯」
それしか理由はないと。今がコレだと先が不安になるたい⋯⋯⋯。
「私もです⋯⋯」
あぁ、幸せばい⋯。こんな時間がもっと続けばよかやのに。ふぅ、問題の話に戻らんとね。
「⋯⋯ふぅ⋯⋯ソフィ、グラウスと出かけて帰る前に狙われたとね?グラウスが?」
「うん、そうなの。私じゃなくて、グラウスが」
「ふぅん⋯⋯⋯⋯おかしい⋯」
グラウスが、狙われる事なんて有り得ないのだ。獣人達がグラウスを知るはずもないからだ。不可思議なことに、ソフィに敵の場所が察知ができなかったこと。
でも、グラウスには察知できた。何かがおかしい。俺とソフィの知らないところで何かが起ころうとしている⋯そう判断せざるを得ないと思った。
「また俺の方で、調べることにする。そいで、グラウスとはなーんにもなかった⋯とね?!」
うっ⋯⋯つい口調がっ!!だって、グラウスと二人きりばい!!疑ってなどないけんど、おいがその隣にいたかったと思うのはおかしいと?
「ないです!」
「じゃあ、キスしてくれると?」
そう、ちょっと⋯からかってみたくなったと。ふふ⋯もの凄く驚いてるばい。可愛かっ⋯⋯と、にかく!
「⋯キスしてくれんと⋯⋯」
「わっ、わかりましたからっ⋯⋯!」
おいが言い切る前に了承してくれたとね。半分脅しであったかもしれんばい。
「リアム⋯⋯目を瞑って頂けますか?」
黙って目を閉じる。
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
うーんもの凄く見られているばい⋯。まだかな、まだかなとソワソワするのは許して欲しいけん。
あ、少しずつ気配が近付いてきた。あと少しでというところで!!
「ソフィ様!!!」
「☆□◎△▽@⋯!?!!?」
すごい悲鳴を聞いた。
───
──
おい達の邪魔をしたのはユーフィリア嬢だった。
「ど、どうしたんですの?」
「騎士様が⋯お呼びですっ⋯⋯」
「あぁ!」
ソフィが悶々としているのが見てわかる⋯。ユーフィリア嬢は全く気づいてないけれど。
「ゴホン⋯⋯ユーフィリア嬢、騎士はどこに?」
「えっと、正門にいらっしゃいます」
「分かった、ソフィ行くぞ」
「あっ、はい!」
こんな事で終わらせたくはない。なので、ソフィに近付いて耳元で囁いた。
「続きはまた今度ばい、楽しみにしとっと」
「!?」
顔が真っ赤だ。いつもは、おいが翻弄されてばっかりだから。たまには良いだろ?可愛いソフィを見れるのも、おいの特権ばい!!
そうして、正門へと急ぐのだった。




