42、貴方は⋯お呼びではありません!!
はぁ、散々だったわ⋯。説教されたかと思えば、あの技をどうやって行ったのかって⋯また、答えにくい質問を⋯。
先生に私がやった事が見えていなくても、やらかしすぎた事は分かっているのだ。なんなら、無詠唱で技を発動しただろうとも問い詰められた。
はい!そうです!なんて簡単に言えない。私は無言を貫き通した。
そうして────
「まぁいい⋯⋯後々に分かることだろうからな。さて、今回は深くは聞かないでおこう⋯。ただ報告は、させてもらう」
えっと⋯一体どこに?あ、学校ね。はい。
「はい⋯構いません」
「ん。じゃあ戻って自習な」
「分かりました」
何とか、職員室から脱出する事が出来た。でも後悔するのは、この後の出来事だった。
その後、自習だったけれど自習なんて意味ないし午後からは授業がないし。
所謂⋯暇!なんですね!という事で、今日は様子を見に行こうと思うの。
覚えてる?兎人のクラリスちゃん。元彼に付きまとわれてってまた様子を見に行くって行ってたけど数日間行ってないから、確認しようと思って。
そうして、やってきたー!!!までは良かった。
「おい?此処は、どこだ?」
なんで⋯⋯グラウス・ドルニシアまで一緒に転移してるのよぉぉおおお!!!
〜遡ること、職員室から脱出後〜
パシャン⋯⋯
ふぅ⋯何とか逃げきれたわ⋯⋯。次からは気をつけなきゃ⋯ピィリアスにも注意して⋯2人にも注意しなきゃ。
「ピィリアス、悪戯はしちゃダメよ?」
「ピィー?」
はぁ⋯分かってなさそうだけど、可愛いから許す。
絶対あの二人は⋯悪戯心でやらかしたわ。
私を恐れてか、あの二人はどこかに出かけている。くっそ。そんな時に声を掛けられた。
「お前、凄いな!」
え?
顔を上げて目の前にいたのは⋯何と!!グラウス・ドルニシアがいた。はい?あれ?私の目が腐ってるのかしら?
え?そうね、きっと私の目が腐ってるから嫌なものを見ているのね。めちゃくちゃイケメンだけれども!目の保養だけれども心には毒よ!!
「おーい?大丈夫か?」
「だ、大丈夫ですわ!」
あ。答えちゃった。
答えちゃったぁぁあああ!!認識しちゃったじゃない!!お馬鹿!!
「ほんとお前、凄かったな!あのドラゴンのブレスを風の魔法使って無詠唱で、方向転換させるとか──!!」
そ、それ以上、言わないでえぇぇ!!
「さ、さぁ?何のことでしょうか!ではっ!!」
どう考えても、明らかにシラを切ったけれど⋯とにかく関わりたくない!
もう、アイラお姉様だけで十分!っていうか、なんで職員室の前で待ち伏せしてんのよ!!引くわ!
私はそそくさと、立ち去った。
「あ!おいっ!ちょっと待てよ!!」
私自身が物陰に隠れた瞬間、瞬間移動して裏庭へと来た。
ふぅ⋯⋯これで大丈夫よね。
そうだわ!!あの騎士のせいで、取り乱しちゃったけど⋯!!
リアムの国に行って様子見なきゃダメなんだったわ!今がチャンスね!!本当はリアムとも行きたいけれど、また心配するだろうし⋯。ちょっと様子を見に行くだけだから、大丈夫よね。
さぁ!いざ出発よ!!
「ピィー!!」
「捕まえた!」
「えっ?」
シュン───!!!
───
─
そう、私が安心していたところに⋯グラウスが私をどうやってか知らないけれど難なく見つけ⋯丁度、転移する直前に私の手首を握ったのだ。
お分かりだろうか、そう。彼まで一緒に転移したのである。嘘でしょ⋯?
「おい、此処はどこだ?」
「ここは獣人の国よ。着いてきてしまったのなら仕方ないわ⋯。大人しく、私の言う事に従ってもらうわよ」
「えっ?あ、あぁ⋯」
とりあえず、ポケットから香水を取り出す。因みに、制服からポケットに手を入れると無限に入れれる箱と言った方が分かりやすいかしら。
そこの空間と繋がっていて、小さいものなら⋯そこで出し入れしているの。人目につくと駄目だからね。
シュッシュツ⋯!
「よし、これで大丈夫よ。とにかく⋯変装しなくちゃ。目を瞑って」
ドルニシアは、すぐに目を瞑ってくれた。そして、彼の制服の1部を触る。
転移────
私は、自分の店舗にある衣装部屋へと飛んだ。実は⋯リアムの国にも私の洋服屋、所謂2号店を作ってるの!
衣装部屋には、あまり飛ぶことないんだけどね。なんせ、1号店の方が服の数が圧倒的に多い。
面倒でも、そっちで着替えを済ませてオシャレを楽しむの。オタクの私でも⋯綺麗な服を着るってのは素敵なことだって知れたから。
だって、リアムには可愛いってずっと思われてたいから⋯⋯オシャレに全く興味はなかったけれど気を使うようになった訳よ!!
オタクだけど服のセンスが、あって良かった。と常々思っているわ。
とにかく、2号店では私を人間だと知ってて⋯でも、その人達と信頼関係が築けたことからお店を任せているの。
因みに、獣人専用服をデザインしているわよ。これが結構人気なの。ふふっ!
それと⋯この店には、私の男用の洋服と最新の洋服やらが並べられている部屋があって現在、そこにいるわけ。
衣装部屋を出ると控え室があり廊下に出るまでに2つの扉を開けないと出れない構造となっている。
「目を開けていいわよ」
「うわ!すげぇ、服がいっぱいだな」
「えぇ。とりあえず⋯その制服じゃ目立つから脱いで」
「えっ?!!ぬ、脱ぐ?!!」
ドルニシアが顔を赤らめた。
ハッ!!!わ、私ったら言葉を間違えましたァー!!!!
「ご、ごめんなさい。今のは語弊よ!!平民のような服に着替えて⋯フードも着るわよ」
私は、これでもかってくらいに気合を入れて服を選んだ。なんせ!!
推し様に問答無用で着ていただけるんですからね!!こんな、機会は逃してなるものですか!!おーっほっほっほ!!!
レン様も勿論推しですが、グラウスだって私の好きなキャラなのです。なんせ自分で描いたキャラだからね!自分好みのキャラな訳ですよ!
一人に絞れたら良いけど2次元には、たくさんの素敵な素敵なキャラ達がいっぱいな訳です。皆、素敵なの。範囲が広すぎて選べないの!!
2次元にはね!!推し様が、いっぱいおりますからね!えっへん!何に、ドヤったのか自分でも理解できないけれど。
「さて、これに着替えてきて頂戴。さぁ!さぁ!!」
「お、おう⋯」
私の迫力に圧倒されて、ドルニシアは着替えてくれた。
「こ、これで⋯あってるよな?」
あ、あってますぅぅぅぅ⋯!!うぉおおおおっ!!!最高じゃないですか!!平民服とはいえ⋯!!
褐色の筋肉質な腕が見える半袖の洋服に、長ズボン⋯。似合いすぎでしょー!!!!眼福です!ありがとうございます!
この世界に生まれてきてよかった!推しを眺める事が出来て私は幸せ者です!!ありがとう!ありがとうっ!!
「合っていますわ。後は、フードを被って下さいませ」
「分かった」
仕方ないわ。良質な筋肉が見えなくなるけれど、仕方ないわ。
バレちゃいけないんだもの。存分に楽しませて貰った事だし⋯私も着替えようかしら。
さぁて⋯今日は、どの服にしようかしら!
「〜♪」
よし、これにしましょう。決まった所で、私は一言。
「着替えるので、1度外に出て下さる?」
「うおっ!!わりぃ!!」
顔を赤らめて部屋を出たドルニシア。初なところも可愛いです!グッジョブ!!
そうして私は着替えたのであった。




