40、私はー?!!
そうして次の日───
「それじゃあ、実技に入るぞ」
この学校は貴族の学校でありながら魔法の適性もないと入学出来ないのである。魔法が出来ても、勉強が出来ないとダメ。
でも、特待生だけは違う。魔法が使えなくとも、授業料が払えなくとも試験で1番を取れば入学することは可能。入学の条件を唯一無視できるのが特待生のみで年に1人だけ。しかし、3年間特待生枠を取り続けられなければ退学になる。
そして、この学園を卒業した者には未来が確立される。嫁ぎ先に困らないだとか、前世で言う就職先が必ず決まるという絶対安心保証。
1位を取るのは伊達に簡単なことでは無い。まぁ私は、この世界の筆者ですから!
設定そのままだし、勉強はある程度、理解も暗記も素早くできるから簡単なんだけどね。前にもチラッと言った気がするわ。とまぁ、それは置いといて。
「さ、順に得意の技でこの複数の的を射てもらう」
「まずはレン・クラトゥニィウスからだ」
ここでは王子でも関係ないのだ。だから王子という敬称は付けないの。因みに、的というのはある一定の力が加えられないと貫通しないことになっている。
なので、この最初の実技かなり重要だったりする。的の大きさはかなり小さく⋯⋯丸い形をしていて中心にいくほど小さい丸がある。前世のもので分かりやすく言うとダーツの的かしら?
近くで見たらビー玉ぐらいの大きさ。そして、的からの距離はかなーり!遠い。50メートル先かそれ以上。その的が、横に1列10個並んでいる。
これ全部を1度きりで射抜くというのは、かなりの技になる。
で、先生がさっき『この複数の的を射てもらう』って言っていたけれど、これは裏を返せば『複数射抜くのは当たり前、そして射抜くだけでなく中心を狙うこと』という意味が込められている。
なので、的だけを壊したからと言っていい訳では無いのだ。それも含め⋯私達は試されている。
最後に1つ、的は勝手に修復復元されるわよ!!
という訳で!!1番は、レン様から!これも原作通りなのよね!!因みにレン様は火と風が両方とも得意。
この世界の魔法の基準は、1人に1つの属性のみで魔法の素質があっても、簡単に扱える訳では無い。家事程度に使えるぐらいが一般的なのよ。
因みに、レン様は剣術も勿論出来るから⋯凄さで言うと⋯グラウス・ドルニシアと同じぐらい、いえそれ以上の強さをもつ。
さぁ⋯お手並み拝見よ!!めちゃくちゃ興奮する!!文章で書いた事が今⋯⋯!!目の前で起こるんだから!!
「はい」
レン様はひとつ返事し、指定された場所に立つ。女子達の視線はレン様に釘付けである。
「火と風よ貫け!」
合体技だわ!!火の球に風を纏わせる事により、かなりの速さが出て的を全て一瞬で射抜く。
か、かっこいいいいいぃ!!!
さすが推し!!私が描いていた推しの子!!撫で撫でしてあげたいわっ!!!あら?隣から視線を⋯⋯リアムね?
「リアム?」
「何でもない⋯⋯」
「ん。流石だな。次、グラウス・ドルニシア」
「はーい」
またもや、女子達は釘付け。グラウスに関しては、火魔法が得意だから将来は魔剣士の騎士様として大活躍する。
まぁ既に魔剣士でもあるけれどね。グラウスは、腰から剣を抜き⋯⋯
「火よ纏え」
そう小さく呟いた瞬間───!
剣を真横に振り切った。
一瞬にして的は綺麗に真っ二つ⋯⋯。
うわぁ⋯⋯炎を剣に纏うのも素敵ィィィイイイ!いいわ!!最高よ!!
え?なんでそんな遠いものを見れてるのかって?映像モニターが映し出されているから、すぐに確認できるの。凄いでしょ!
「良し、次。アクア・クリスネンス」
「⋯⋯⋯はい」
アクアに関しては、勿論⋯水魔法が国宝級に得意。彼の右に出る者はいない。
正に⋯⋯水魔法のエキスパート!!いや同じこと言ってるかしら⋯まぁいいわ。卒業する頃には天災を左右することが出来るほどになっている。
「水よ⋯貫け!」
うわぁっ⋯⋯水の球が細かい。確かにレン様も球は小さかったけれど、それより一回りいや⋯二回り小さい。
そして⋯⋯その球は、変形しダイヤの形をして目に見えぬ早さで的の中心を全て射抜いた。
くっはぁっ〜!!!かっこいいいいいぃ!!!
流石ぁ!!!そうそう、補足説明するけれど。アクア以外の人が、「アイス・インペル!」と唱えたとしても同じ結果にはならない。
レン様もそうだけれど、魔力量の調節と制御が出来なければ水1滴の大きさにもならないし、速さもそう。
力のコントロール、調整、制御⋯この3つができて技が出来る。だから、これがコントロール出来てれば大きい球から微粒子ぐらいまでのサイズを作り出すことが出来る。
同じ言葉でも、サイズは異なるという事ね。
「期待通りだ。よし、スクラ・グレッチア」
「はーい!先生!」
あぁ!!可愛いっ!!可愛い子!女子達だけでなく、男子達までもが魅了されている。
うん、分かるよ!!男の子でも可愛いよね!!スクラは、土魔法⋯又は地魔法とも言う魔法が得意。そして次に使えるのが水魔法だけど、水魔法の中でも毒を得意としている。
ここまでは、設定として書いていたのは覚えてるんだけど⋯⋯ほんと謎!で終わらさせてたからなぁ⋯作者である私も彼の事については謎です!キリッ!
『変な顔しないで、集中しなさい。お馬鹿』
はーい。まぁ的を射抜く技は私が書いたから説明できるわよ!!
「土よ浮け!貫け!」
地面の土を1部切り取って浮かせ、インパクトと唱えたと同時に──土は砕け的を全て射抜いた。彼は重力を使ったのである。
かわカッコいいい!!!!!またまた、補足説明入るけれど『貫け!』には、インペルの他にインパクトという言葉もある。詠唱の言葉によって少し威力も変わったりする。
「ん、では次にスザク・リオニス」
「はい⋯」
きゃぁぁぁぁぁぁぁあぁぁッ!!スザクよ!!師匠頑張れっ!!私の模範の先生!!いい所見せて!!ていうか、どの技を使うのかしら!
「⋯⋯⋯⋯貫け!」
あらァ⋯⋯みんな目が点になってるわ。何が起こったのか分かってないのね。今、闇魔法を使ったのよ、ほんの少量ね。
それも見せていない。流石、スザク先生だわ⋯惚れ惚れしちゃう。どうしたのかと言うと⋯⋯的の目の前に陽の光が当たって影が出来ているの。
そこから、闇の粒子結晶を飛ばしたの。まぁこれは私の案を口にしてみたのよね。勿論、私には出来てたけれど。
実はほとんどの闇魔法の技⋯スザクに案として教えちゃったのよねぇ〜おっーほっほっほ!!でも、私の方が隠し玉は持ってるけど使っちゃダメなやつ⋯所謂、禁忌と呼ばれるものだから使わないけどね。
「流石、スザクっ!」
ついつい、呟いてしまった。その僅かな声を聞き取ったスザクは私の方を向いて『当たり前だろ?』って顔して笑った。
かっこいいわぁ⋯⋯キュンてくるわぁ⋯。推しとして推させて頂きますっ!!!とりあえず、笑顔で返事した。
「み、見えなかった⋯⋯でも射抜いてるな⋯つ、次⋯⋯リアム・スペラード」
先生もビックリしていたらしい。スザクありがとう⋯これで私は、あまり目立たないわ!!って!!私の旦那様の番ですね!!
きゃぁぁぁぁっ!!!今までリアムの魔法とか⋯戦闘とか一切見た事がないのよ!!ものすごく気になるっ!!!
「⋯⋯切断消失!」
え?なに?!何をしたの?!的の点の部分が消えた。一瞬で。え、凄い。すごいとしか言えない⋯⋯⋯⋯⋯⋯好きぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!
かっこいいいいい!!!えぇ!?何それ何それぇー!!初めて見たんだけれど!!私の嫁、流石すぎぃぃぃぃぃ!!!!カッコイイ通り越して尊いわ!!崇め奉ろうかしら?!!
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯次⋯」
先生は何も言わなかった。でも、ものすごく瞳がキラキラしていた。何か大発見したかのような⋯⋯。
次は私の番では無いので、リアムに早速聞いた。
「リアムっ⋯凄かったわっ!!どういう事か説明して?!」
「うおっ?!」
2人とも小声である。というか、話せないわね⋯。いいわ。
消音───
よし、これで話せるわね!!
「音消したから、話せるわよ!リアム!教えてっ!!教えてっ!!」
「わ、分かったから。落ち着いて?」
「ふぅ⋯⋯分かりましたわ!!」
「あんまり落ち着いてない気がするけど⋯まぁいい⋯。俺が使ったのは無属性魔法だ」
「む、無属性ですってぇぇえええ?!!」
流石、嫁っ!!!流石、旦那様!!素晴らしいわ!!!私が考え出した設定をすっ飛ばして⋯!!
無属性魔法を扱えるなんて!!!素敵ー!!!!好きです!!更に好きになりました!!
カッコイイだけじゃなくて⋯⋯もうなんて言えばいいの⋯?あんな華麗にやってのけるなんて!!やっぱり、1番はリアムです!!
『ブレないわね』
もちろんですとも!!!
「え?無属性魔法ってあるだろ?」
「無いわよ!!リアムっ!!凄いわっ!!素敵!やっぱりカッコイイ!リアムが1番!!」
もう顔のニヤけが止まらないー!!!!こんなに素敵な人が私の婚約者でいいのだろうか。顔も心も武術も全部完璧なんて⋯。
好きです⋯愛してます⋯抱きついてもいいですか?貴方に触れてもいいですか?愛が止まりませんっ!!!
「俺も触れたい⋯⋯でも⋯今は授業だから⋯我慢する⋯⋯。あ、そうだ⋯今週、街に出掛けないか?」
「あれっ?!!声に⋯また出てましたか?!」
「う、うん⋯⋯好きです⋯愛してます⋯って」
ギャァアアアアアア!!!!
私の醜い愛の囁きが全て自ら!!バラしてるなんて!!!恥ずかしすぎるっ!!!両手で顔を隠して──ちゃんとさっきの言葉を聞いている私は、ちゃっかり遅くお返事。
「一緒にお出かけします⋯!!デートですねっ!!」
「そ、そうなるたい⋯⋯」
リアムも照れていた。あーもう好きです⋯!!!幸せすぎて死にそう⋯つらい。
「そ、ソフィ!そろそろ⋯音!!」
ハッ!!そうでした!!
「解除しますね」
解除
今⋯見たところ、的を全て射抜いた人は最初の6人くらいで後の人達は⋯4つ射抜けて良い方で⋯悪くて1つ⋯⋯。
「次、アイラ・ユーフィリア」
「アイラ、頑張って!」
「パァァァッ⋯⋯!!が、頑張りますね!」
すごく嬉しそうな顔をして、指定された場所に行ったアイラお姉様。きゃぁぁぁぁ!!きゃわいいいい!!かわいいいい!!!
実は、昨日⋯部屋に帰ってきた直後──アイラお姉様が交渉してきのだ。
───
──
─
「タルアニア様⋯今日⋯私の髪の件で笑われたこと覚えてらっしゃいますよね⋯?」
「え、えぇ」
「笑われたこと、結構傷ついたんです⋯」
そうだったわね⋯⋯。ごめんなさい!!
「私に何か出来ることがあれば言って頂戴。出来ることはするわ⋯!」
もう腹を括るんだワタシ!!今、正にギャンブラーにでもなった気分!!
「あの⋯魔法は使えますか?」
「えぇ⋯使えるけど⋯」
「私に使い方を教えて頂けませんか!」
あれぇ??この今の台詞どこかで聞いたような⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯。
あぁ──────!!!!
これ、レン様に言う言葉だったはずよ?!え?!何で私ぃー?!!
「そ、そうね⋯⋯教えれるか分からないけど⋯」
確実に教えることは出来る。100パーセントできると言いきれるっ!!
「やってみましょう⋯か?」
「はいっ!!お願いしますっ⋯⋯!!」
私は彼女に説明した。
光属性とは──人を癒す力だけでなく、浄化⋯そして時には攻撃することも可能。じつは──ね?光魔法は、一般的に攻撃出来る魔法だとは知られていない。
だけど、明日の実技で本来ならばアイラお姉様は魔法が使えないからと私に馬鹿にされるの。
嘲笑ってね⋯⋯それでアイラお姉様は泣くの堪えて懸命に耐えるんだけどね?!萌えぇぇえええ!!
って!さっき、使った消音という魔法を使って嫌味をタラタラ言うのよ!悪質すぎる私っ!!ていうか嫉妬心強すぎなのよ!!
『悪かったわね』
あ、ごめんなさい。ソフィは、ソフィ。私が作り出した物語のソフィとは、にて似つかない。いえ、そもそも⋯そうなる前に私が入り込んだから。
『分かってるなら良いのよ』
ごめんね、ソフィ。
『えぇ。まぁ、分かってると思ったけれど言ってみたの』
えぇっ?!!
『だって、からかうと面白いから』
なぬ〜!!!?私は!弄ばれたのか!!って落ち着け私⋯相手は7歳の女の子。私は大人よ。
落ち着かなきゃ。とにかく⋯⋯主人公は私より更に国宝級。そして、この世界の光魔法は扱いやすい。
何故なら術者本人の願いが具現化するから。私が治して貰ったように、アイラお姉様は『私を治したい』と願ったはず。そうすると、力が発動される。
「まずは、アイラお───」
「えっ?」
「あらヤダ!わ、私ったら!」
間違えてアイラお姉様と言いかけたァー!!!でもアイラお⋯まで言ってしまったー!!!!
「タルアニア様!!私の事、アイラって呼んでください!!」
良いのぉぉぉぉ?!!
「い、良いんですの?」
「はい!!」
ぐっはぁー!!!天使すぎるぅううう!!
「わ、私の事も⋯ソフィと呼んでくれて⋯⋯良いわよ⋯⋯」
「えっ?!!良いんですか?!!」
「そ、ソフィ⋯様⋯⋯⋯」
照れぇぇぇぇ最高かよ!!可愛いかよ!!好きィイイイ!!頬を赤らめて⋯⋯ハァハァ⋯⋯ハッ!!危ない!既に危ない人になりかけている!!落ち着け私!
「アーア⋯⋯顔の緩みが酷いヨ⋯」
「どうしようもナイダロ?今に始まった事じゃないしナ」
「それは言えてるヨ」
そんな会話なんて聞こえてませんでした。
それから、光魔法の扱い方をさりげなく教えて実践してもらったら⋯⋯ほとんど出来るようになったのであった。
流石、国宝級!そして、この事は2人だけの秘密にしてもらった。そもそも、光魔法は攻撃できるなんて今までの歴史に登場しない事実。
私から教えてもらいましたなんて言われたら、私は大変なことになってしまう。何故そんなことを知っているのかと、なってしまうから。
なので、アイラお姉様には何か聞かれたら「いつの間にか出来ていました」で貫き通す事と言ってある。
そうして──現在に至る訳だけれど。
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
アイラお姉様は無詠唱が扱える。
1粒の光が現れ分裂して光の速さで全ての的を射抜いた。
くっ〜!!!!カッコイイ!!昨日の今日でもう出来ちゃうとか流石だわ〜!!さすが私の第2の嫁様!!
「い、今のなんだ?」
「ねぇ⋯光ってたわよ?」
生徒たちがザワザワと話し出す。そして、先生は血相を変えていた。あーまだ言ってなかったの?!
「今日の実技は中止だ!他の生徒は皆、自習だ。ここのフィールドなら何をしてもいいが怪我はしないように」
え?!あの〜私は?!!あと一人なんですけど?!!
「アイラ・ユーフィリア!至急、職員室まで行くぞ」
「えっ?!えぇっ?!」
アイラお姉様、困惑でオドロキの声をあげている。とりあえず、目配せして『行ってらっしゃい』と合図を送れば⋯⋯コクッと頷きアイラお姉様は先生に連れ去られた。




