34、結局事件に巻き込まれる
さぁ、ただいま私はネルと共に⋯グレン先生に会いに来ております!
と、その前に。カイン君に会った。
「ソフィじゃん!」
「あ!カインくん、元気にしてた?!」
「元気だぜ!」
「それは良かったわ」
「今日はどうしたんだ??」
「グレン先生に会いに来たの。と言っても、私のお父様になる訳だけども⋯」
「え?それってソフィの親父が⋯グレン先生って事か?」
「そうそう」
「ええええええええええええ!!!」
まぁ驚くのも無理ないわね。
「という訳だから、会いに来たの。色々と説明を聞きたいし」
「そ、そうなのか!?グレン先生なら、診療所にいると思う」
「ありがとう、助かったわ」
「それじゃあな!俺も仕事に戻らなきゃ」
「そうなのね!頑張って!」
「うん!ありがとなー!!」
そう言ってカイン君は去っていった。
「ソフィ様、この村の人と打ち解けてるんですね。流石です!」
「そうね⋯奇跡的にね。でも、ほんとに有難いことよね。仲良くして下さって」
「ふふ⋯⋯村に入った途端に皆さんに呼び止められたじゃないですか」
「も、もう!ちょっと恥ずかしいからやめて!」
「街の救世主が来たぞー!って言われてましたものね」
「もう⋯⋯。でもそうね、5年も経ってるのね。早いものだわ」
「時というものは──あっという間に過ぎますから」
「間違いないわ」
そんなたわいもない、会話をしていたら診療所に着く。そう以前のような貧相な小屋はなくなって綺麗な建物が建っていた。
私が投資というか⋯寄付したからね。他の村にも実は入り浸っていて⋯仲良くさせて頂いております!!えっへん!!
「失礼します!」
そうして、診療所の中に入っていく。そして、先生を見つけた。
「グレン先生⋯!!」
そう呼ばれて、顔を上げた先生は⋯固まった。でも、私を見て固まった訳じゃなくて。私の左隣を見て固まった。
ん??そして私も、左隣を見る。
後ろにいるネルも固まっていた。
何だか⋯⋯二人の時間だけが止まったかのような──
え?まさか。
ひ、ひ、一目惚れ───!?!
よくよく見てみると、何だか2人とも頬が赤い。で、見つめ合っている。
間違いないじゃないの!!!!!
まさか!!先生とネルが?!確かに、先生とネルって歳が近いはず??
とりあえず⋯声掛けましょうか。
「グレン先生??」
「「⋯⋯⋯⋯!!」」
「⋯⋯⋯あ、あぁ⋯よく来たな」
「も、申し訳ございません!ご挨拶が!」
「ネル?落ち着いて。大丈夫だから」
「は、はい⋯⋯すみません⋯⋯」
「紹介するわね。こちら、グレン先生。先生、こちらはネル・ケルディオ。幼い頃からお世話してくれた私のメイドなの」
「宜しくお願い致します」
ネルは礼儀正しく⋯きっちり30度で頭を下げた。
「こちらこそ。俺はグレン・タルアニアだ。見ての通り⋯この村の医師をしている。それと⋯⋯君のご主人の父親となった者だ」
「はい⋯⋯」
そうしてまた⋯二人の世界へ⋯⋯。
何でやねん!!もうっ!!何故私が、ツッコミ入れなきゃならないのよ!
「先生⋯⋯少し、私のメイドとじっくりゆっくりお話して下さるかしら?」
「「えっ?!」」
「ソフィ様?!」
「落ち着いた頃合にまた来るから宜しくね」
聞きたいことがあるけれど、ちょっと⋯それどころではなくなった。仕方あるまい。ふぅ⋯私ってばいい主人⋯。なんちゃって!!嘘よ嘘。
あーあ⋯⋯私もリアムに会いたい⋯。
で充電したいっ!!!あー学校なんてなければァァ!!!!と悔やんでも仕方ない。
あ!!そうだわ!!今のうちに⋯街で買い物でもしようかしら?日用品とか必要だし!!獣人の国とは言っても、普通に置いてあるからね。
じゃ!行っちゃいましょー!!
そうして、街へと転移したら───
あぁ〜!!美味しそう!!お肉にデザート!とっても美味しそううぅぅ⋯!!だ、だめよ⋯!!日用品を買いに行くんだから!!
私は誘惑を断ち切って、日用品が売っている雑貨屋へと入る。たくさん⋯⋯可愛いのが売ってるわ!!可愛いっ!!あぁっ!これも!!しかも、お値段がリーズナブル!!
こんなお店あったんだ⋯。早くに見つけれてたら良かったのに──って、あぁあっ!!獣人の女子さん達可愛すぎぃぃぃぃ!!!あーいい匂いする。
はっ!!いかんいかん。ってこれ何度してるんだろ私。私、女の子で良かった。男だったら犯罪になってるわよね。
でも私には嫁がいるからっ!!愛しい嫁がっ!!はぁ⋯⋯好き⋯⋯。
とりあえず、これとこれ買って⋯⋯アイラお姉様に⋯クッキー頂いたし?お返しは、やっぱり必要よね?
『うんうん!絶対買いなヨ!』
『そうだゾ!また、クッ────』
貰えるとか言わないでよ?
『ギクッ!』
はいもうアウト。って私ね?仲良くしちゃダメなのよ。分かってる?!
『分かってるヨ!』
『分かってるサ!』
ふぅん?ならいいけど?ホッとため息ついてるの聞こえてるわよ?
「ため息ついてないヨ!」
「そうだゾ!!」
まぁいいけどね。ウィンとソイのクッキーちゃんと買ってあげるから安心して。
「「やったネ!/ゼ!」」
そうして────
「ありがとうございました〜!」
ホクホクと手に荷物を抱えながら少し道を歩いていたら、悲鳴がすぐ横で聞こえた。
「いやぁっ?!」
何だ?!と思って振り返ったら──
また襲われてるじゃないの?!
獣人の男が獣人の女の子の手首を掴み乱暴に引っ張って連れ去ろうとしている。
「何やっとんじゃぁあああ!!!!」
そう声を荒らげたのは私だ。
ダダダダッ!!!!
私の形相は般若だ。
そうして、私自慢の回し蹴り+"闇の魔力"で横へと吹き飛ばしてやった。
「グハァッ!!!?」
ズザザザザザッ!!!!
飛んできた事によって、二次被害が──
起こらなかった。
道にいた人は、鋭い瞬発力で避け最後ぶつかりそうだった果物屋さんのおじさんがヤシの実を1つ手に取って私が飛ばした人物に当てた。
ものすごく鈍い音がしたが、止められた。
え?ヤシの実で吹っ飛んできた人⋯止められるの?!!
それで、その連携プレーを見た人達から拍手が起こった。おぉ⋯なんだコレ。
と、とりあえず目の前の可愛い兎の耳がついた女の子に声掛けなくちゃ。
「大丈夫ですか?」
「はい⋯⋯大丈夫⋯です⋯⋯。助けて⋯頂いてありがとうございました⋯⋯っ⋯⋯」
「いえいえ、お嬢さんに怪我がなくて良かった」
そう言うと、ぽっと顔をあからめる女性。あら??
「おい!!そこの青年!!」
ん?!青年っ?!
あー!!そう言えば!!私ってば、スイスさんから貰った服⋯男の子用だったわ!!でも、マント被ってるから⋯あらそうだわ⋯⋯髪も括ってたわ。
「ありがとう。うちの娘がお世話になったね」
「いえいえ。お気になさらないで下さい。じゃあ⋯⋯私はこれで⋯」
「ちょっと待ちな!!」
そして、手首を掴まれた。
えっ!!!?
「家でご馳走がしたい!!お昼は食べたかい?」
「いえ⋯まだですけど⋯」
「じゃあ!!来てくれ!!」
「えっ!?いえそのっ!!」
そうして、私は連行された。
──
─
「本当に今日はどうもありがとう」
「いえ⋯⋯私は全然何も⋯」
「そんな事ありません!」
そう言ったのは、クラリスちゃん。兎人の女の子。と言っても⋯私が人間ってバレたら、嫌悪される案件だわ⋯。今は人間とバレないように、特殊な香水を使っている。
勿論、異空間ポケットにも入ってるけど油断は出来ない。
「あの人⋯全然諦めてくれなくて──」
「えっ?」
「あの人⋯⋯私の元彼なんです」
も、元カレぇぇぇぇ?!!!
元彼いるの?!え。すごっ。いやこれだけ可愛かったらオトコは黙ってないもんね!分かるわ!
「別れたのに⋯しつこく家を訪ねてきたりして──もう怖くて怖くて⋯」
そりゃあ⋯怖いでしょうね。
「それは怖いよ。もう少し痛めつけておいたら良かったかな」
「だ、大丈夫⋯です⋯多分⋯⋯」
「そうかなぁ⋯⋯?」
とりあえず、人間だと。あと、女子ですってバレない方がいいかもしれない!!よく分かんないけど!!
「もし良ければだけど──時間が空いた時に様子見に来ようか?」
昼休みとか、放課後ぐらいしかないけど。
「ええっ?!いいんですか!?」
「まぁ⋯⋯私でよければ⋯。ただし、お昼とか夕方とかしか来れませんけど⋯」
「全然大丈夫です⋯⋯!!」
「じゃあ⋯暇を見つけて見に来るね」
「ありがとうございます⋯!!」
「うん。何事もないといいけど⋯」
「あ、そう言えばお名前は?」
お父さんであるユーライズさんに聞かれた。
「えっと⋯⋯」
ソフィ⋯だし⋯⋯タルアニア⋯⋯。そうね。
「ニアです」
「そうか。ニアさん!どうか娘を宜しく頼むよ!!」
「はい、とりあえず⋯少しの間の用心棒?って事で」
ってなに自分から引き受けてんだー!!お馬鹿!!
『馬鹿なのが貴女でしょ。言っても聞かないから、言わかなかったけど』
グサッとくるからやめてっ?!
『事実だから発言の取りやめは出来ないわ』
こんにゃろおおお!
「さぁさぁ!食べて下さい!お口に合うと良いんですが⋯」
「ありがとうございます。いただきます」
そうして、気を取り直して。スープにサラダ、お肉やパンを頂いた。とっても美味しかった。
「すごく美味しい⋯⋯!!」
「それは良かった!」
「お父さんは、食堂をしているの⋯!!」
「へぇ⋯⋯!これは私も行きたいですね」
「是非来てくれ!サービスは沢山するよ!」
「ありがとうございます。沢山ご馳走になりましたし⋯そろそろ⋯⋯」
「あぁっ!!長く引き止めてしまって、すみません!」
クラリスちゃんが焦ったように言った。
「いえいえ。では、失礼します」
「はいっ!!」
そう返事したのはユーライズさん。
そして、お家を出たのは昼を過ぎておやつ時の時間だった。




