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29、浮かれすぎてごめんなさい






って、キャアアアアッ!!!は、は、初の!!き、き、き、き、き、キス⋯Kiss!!をしてしまいましたわ!!


ダメだ心臓がドキドキして⋯えっと、どうしたらいいんだろう。何をしたらいいんだっけ?え?とりあえず、結婚の約束をして⋯えっと、こうなんか雰囲気でKissしちゃって?!!


え、リアムの唇────(ピ────)ハッ!!ダメだわ!!思考が良くないわ!!ちょっと抑えて!私の思考!!調子に乗りすぎよ?!キス出来たくらいでコレって⋯先が思いやられるわよ⋯!?


『凄い百面相してるネ!!』


『面白いナ!!』


そこ!!ゲラゲラと笑ってんじゃないわよ!!私にとってはかなり重要な事なのよ?!しかもシナリオなんてブッチぎってるじゃない!!


だってよ?!入学(本編)から、全く違うんだもの⋯!!!主人公は攻略対象に出会ってないし、本来登場しないキャラが勢揃い!!


そして私はというと───


主人公に接近しまくりで友人関係?なんか築けてるし?!意味わかんないけど!!それに頼もしい味方が3人。いえ、リアムを入れて4人ね。おかしい事になっている。


『パニックになるのは、分かったから落ち着いたらどう?』




落ち着けるわけがあるかァァァァァ!!




こちとら、命かかってんだぞ!!初っ端、本編から親に殺されかけるわ!!あと一歩手前で死んでたわよ!!


それから、公爵家じゃなくなるじゃない?私。あんな家に戻れるわけもない。なのに!!!!リアムからの求婚⋯!?!


そして、き、き、き、きききき⋯キ⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯ス⋯⋯⋯までッ!





ボフンッ!!(思い出して赤くなった)







『忙しい人ね』


し、し、仕方ないではないですか。キスなんて産まれて初めて⋯⋯し、したし?あ、あんな⋯ゲッフン。(ご想像にお任せ)とか知らないし??


ふわふわ〜ってなるとか知らないし?!!知るわけねーだろよ!!キスだけで腰砕けそうにいや、砕けてというか?!砕けたらダメだけど!!


力入らなくなって、リアムにベッドに運んでもらって⋯今、リアムは王妃様に別の話が他にもあるとかで両親の元へ行っているし⋯。いや出ていく前に⋯⋯。


『チュッ⋯⋯』



ホワッツ?!



おでこにちゅーしよったぞ!!うわばばばばッ?!!!なんで、こんなに甘いんだ!!


甘いんだァァァァ!!心が持たない!何もかもがとろけそうです!!殺す気ですか?!


『すぐに戻ってくるけん。ソフィ、いい子にして待っとって?』


コクコクコクコクコクコクコク!!


私は全力で頷きましたわ。ダメだ⋯カッコイイのと可愛いのとで私の心はズタズタ(言い方注意)にされていますわ⋯⋯。


そして今に至るわけです。少し考える時間がある訳なのですが⋯ソワソワして落ち着かなくて⋯!どうしよう?!


どうも出来ないけど!!と思うのだけれど、ソワソワ⋯煩くなっています(いつも煩いよ)。ごめんなさい。そして私はバタバタと暴れているので(魚か?)あります。


『なんの解説よ。浮き足立つのも分かるけど⋯もう少し静かにして欲しいわ⋯⋯』


無、無理なんだよぉぉぉぉ!!!

そう心の中で叫んだところで。


ガチャッ。


「ソフィ、寝とー?」


寝てません!!絶賛、起きております!!モゾモゾとお布団から、這い出てきました(ホラーである)


「うおっ?!そ、ソフィ⋯それは流石に怖いけん。もう少し普通の登場⋯いや、返事してくれればよかやのに。」


「す⋯すみません⋯!ちょっと⋯いえ、かなりソワソワしてまして!!」


「お、おい()と⋯一緒たい(一緒だ)⋯⋯」


リアムの可愛いおしっぽもユラユラブンブン揺れておりますね!!可愛いっ!!好き!!可愛い好き!!(思いが溢れ中)


「大好きです!!!」


「⋯⋯⋯⋯⋯⋯!!!!」


ブワッと真っ赤になるリアム。それを見て私も赤面。何だコレ。何やってるんだろう私!!


「おいも⋯⋯その⋯好いとーよ⋯⋯」


ものすごく照れくさそうに、返事をくれました。あ、ダメだッ⋯⋯可愛すぎて⋯ドサッ。


「ソフィ⋯?!」


『あーぁ、気絶したわ⋯。嘘でしょ?』


『そういうことも、あるんじゃなイ?』


『主だし⋯有り得るナ!!』


私は本当に今───世界で1番幸せだと思います。



*****


リアムside(入学式後)



俺の部屋⋯いや、俺だけの部屋ではなくレンと一緒の部屋であり⋯かなり不服だけれど。仕方ない。正当に決められたものだから。


現在、相手のレンは此処にはいない。どこかへ行った。というのはどうでも良くて。ソフィと話がしたかった。どうしても言いたいことがあったから。だけどそれは、叶わなかった。


入学式から始まって、会えたまでは良かったけれど──彼女を!と言ってソフィはどこかへ行くし、追いかけようとしたら連行⋯された。かなり悔しい。


その後、逃げる隙もなく⋯連れ回された。俺はソフィに用事があるんだ!!と言っても聞く耳なし。なんだコイツらと思ったのは言うまでもない。分かってくれるよな。



それから、あっという間に時間は過ぎ───



結局、会えなかった。そして今は寮の部屋でボーッとしている。


特にすることは無いし、そもそもソフィが居なければ俺にとって此処は、苦痛以外の何物でもない。そして油断していた。突然現れたのだ。



ソフィが。それも息絶え絶えで。



「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」


うつ伏せになって倒れた状態でソフィは現れた。いつもなら、俺の名前を呼んで床から出てきて驚かせてきたり⋯毎回、いつも心臓に良くない現れ方をするのだけれど。


今回は──そんな生易しいものでは、なかった。明らかにおかしい。



「ソフィ!!」


そう叫んで、彼女を上に向かせた時にすぐ目に入ったのは、首の痣。痣は手型がついていた。何が起こった?誰がソフィをこんな状態に⋯いや今はそんなことはいい。


治療が先決だ。俺は、所謂お姫様抱っこという抱き方で、全速力⋯でもちゃんと振動もしないように、保健室へと向かった。


「先生っ!!!ソフィが!!」


俺の声に先生はすぐに状況を呑み込んで処置をしてくれた。脈もすぐに、測ればよかったのにそんな事をする暇もないぐらい動揺していた。


いや、確かめたくなかったのかもしれない。




もし────



死んでいたらなんて考えたくもなかったから。




「大丈夫よ。スペラードくん」



俺は────



おいは⋯⋯ズルズルと座り込んだ。力が抜けた。


「少し呼吸が乱れていたけれど⋯今は落ち着いてるし⋯。ちゃんと目を覚ますはずよ」


「先生っ⋯⋯あ⋯りがと⋯う」


おいは、情けなくて。泣きながら、先生にお礼を言った。おいは、とてもみっともなかった。やっと俺が落ち着いた頃には、ソフィはちゃんと呼吸をしていたが。


表情は⋯⋯良くなかった。顔色がもの凄く悪い。

先生に処置してもらったし、大丈夫だと分かっていても不安が心を支配する。


俺は本当に情けない。ソフィと結ばれたい⋯相応しい人になると決めて鍛錬や政務⋯をこなしてきた。だけど、俺の手の届かないところで死にそうになっているソフィを見た途端、頭が真っ白になった。


とりあえず、処置ができない俺は、保健室へ急いだ訳だが選択は間違っていない。適材適所だ。


「スペラードくん。大丈夫。顔色は悪いけれど⋯すぐ良くなるわ」


「はい⋯⋯」


「先生、ちょっと抜けないといけないから⋯⋯カンタレラさんを看ていてあげてね」


「はい⋯」


ソフィの手を握りながら目を覚ますのを待つ。呼吸をしていると分かっていても、目が覚めるまで生きた心地がしなかった。



───


──







目を覚まさないソフィを食い入るように間近で見つめていた。一瞬の動きも見逃したくない。と、突然パチッとソフィの目が開いた。


「大丈夫と?!!ソフィっ!!!」


おもわず声を荒らげてしまう。


「⋯だ⋯ぶっ⋯」


俺に返事をしようとしたみたいだが、声が掠れて言葉は紡がれなかった。ただ、口の動きで大丈夫と言っているのは分かったが。


その後は何故か固まった。そして、眉をムスッと寄せた。ん?怒ってるの⋯か?かと思ったらもの凄く呆れた顔になる。


ん???今度は嬉しそうな顔してる。コロコロ表情が変わって⋯見ているこっち側としては、うん⋯面白い。



「────────っ!!!」


なんかすごい叫んでる。もの凄く悔しそうに叫んでる。でも声が出ていない。


「──────────ぁっ!!!!」


また叫んだなこれは。そして死んだ目をした。ソフィ⋯一体何があったんだ⋯。とりあえず⋯目を覚ましたわけだし、大丈夫だと思いたい。


けれど⋯声を出せないほど恐怖に支配されたソフィを思うと心が痛い。そう思いながら百面相するソフィを見ていたら、





いきなり目が合って────





血を被った。



度々⋯ソフィが鼻血を出す。大丈夫なんだろうか⋯。無理はしないで欲しい⋯また気絶してしまったみたいだ。


───

──


顔を洗って柔らかい布で顔を拭く。ふぅ⋯スッキリした。


ソフィは、まだ気絶しているはずだし───と思ってふとソフィを見たら泣いていた。そして俺を見たかと思うと。


「リ⋯ム⋯ご⋯ん⋯なさ⋯」


俺に謝ってる。おいに、謝る必要は無いのに。ソフィが、怖い思いをしている時に俺が傍にいることが出来ていたら──。


いや、出来ないはずのことを⋯終わったことを蒸し返しても意味は無い。次、どうしてそれを起こらないようにするかが重要だ。


「⋯!!ソフィ⋯!!あ、声が⋯大きすぎた⋯ごめん」


どうしても⋯何か安心させたい思いが溢れていたのか、いつの間にかソフィの頭を撫でていた。


ソフィの髪はサラッとしている。凄く触り心地がいい⋯いつまでも撫でていられる。


「今、保健室にいるんだ。とりあえず何があったか後で聞かせて。今は喋るのが辛そうだから⋯」


ソフィは頷いてくれた。


「は⋯した⋯のに」


えっと⋯話したい、のに?


無理に話さなくて良いのに⋯でもソフィの事だから話したくて仕方ないのかもしれない。



そんな時───




ガラッ!!パシンッ!!




でっかい扉を乱暴に開ける音が響いた。



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