25、 Bane And Dark
リアムside
今日は、念願の入学式。毎日、ソフィの顔を見る事が出来るだけで⋯おいは幸せ者たい。
ハッ!ソフィの事を考えたりすると、うっかり言葉遣いが!お、落ち着こう⋯。そんな時、すぐ目に入った⋯いや匂いを嗅ぎとった。
いた───!!
俺の目の前には眩しいものを見るように⋯はたまた、誰かに⋯見惚れているかのような表情をしているソフィがいた。
俺はソフィに一瞬で眼を奪われる。
その直後───ソフィにぶつかった奴がいた。
「おい!お前どけよ!!」
「ぎゃっ!」
ソフィは尻もちをつく。
何してると⋯⋯!!
「お前みたいなブス目障りなんだよ」
「はっ!?」
ソフィは可愛いたい!!お前みたいな奴に、ソフィの何を語れると言うんだ。いっぺん黙っときんしゃい!!
「そこの君、私の⋯婚約───」
俺より先に助けようとする奴がいた。
「違うだろ。婚約者じゃないだろーが」
そして、負けたにも関わらず未だに彼女に知られていないからと言って婚約者と語り外堀を埋めようとする性悪王子にトドメを刺す。
そしてすぐ様、ソフィに手を差し伸べる。
「えっ??リアム⋯??」
「大丈夫と?俺がついてるたい。心配なかよ」
はぁ⋯尻餅を着く前に俺が予想してソフィの傍についていないといけなかった。
俺は一体何をしてると⋯!!情けなか!!自分を叱咤していたのもあるけれど、何も言わないソフィに異変を感じた。
「ソフィ⋯??」
ソフィ、どうしたと⋯?
目をこれでもか!ってくらい見開いて、キラキラしたような眼差しで俺を見ている。
恥ずかしい───たい⋯⋯!そして、差し出した手にグッと力が入り意識が戻る。
「ちょっと、ぼーっとしていたの。おほほ⋯!」
ソフィは、いつでも前向きだ。
「でも、ソフィに対してあの言葉、許せんばい⋯」
目の前にいる敵を睨みながら言う。
「右に同じくだね」
そう同意してきたのは、レンだ。
「お久しぶりでございますレン様」
「あぁ、久しぶりソフィ。と言っても2ヶ月ぶりだね。今見たところ、怪我もないようだね。良かった⋯。遅れてすまない」
「えっ!?いえいえ!そんな!」
ソフィはいつでも優しい。
「なんだなんだ?喧嘩か?俺も混ぜろよ」
また⋯出てきた。
ソフィの周りには何故か男共が集まってくる。これ以上、ソフィという存在を知られたくはない。なんて思うけんど、そういう訳にはいかないのが現実だ。
「グラウス、喧嘩はしない」
「ちぇっ、レンもいい子ちゃんだなー」
「俺は、王子だからな」
「はいはいー」
「────邪魔──」
もうちょっと言い方がないのか??
「申し訳ございません⋯!すぐに退きますわ!」
そう言った彼女と彼は何故か見つめあった。
何故⋯見つめあってると⋯?
「面白い女⋯」
!!?
またソフィに、興味を示した奴がいる?!
ライバルが増えるのは全然嬉しくない。
ソフィを知るのは俺だけがいい。
そんな事、出来るはずもないのは分かっているけれど⋯どうしても願ってしまう。
こんな傲慢な俺をソフィが知ったら⋯と考えるだけで⋯怖か。そんな、もの思いにふけっていたら突如呼ばれた。
「リアム!彼女がいないの!私、探して来るわ!!あとは頼んだわよ!!」
「えっ?!ちょっ!ソフィ?!どこに行くと?!」
彼女って誰?!ソフィは彼女とやらを探しに行った。そして残されたのは、俺とレン、赤髪にソフィをブスと言った男子生徒。
とりあえず⋯ソフィに今後ちょっかい出されないよう釘を刺しとくか。俺は男子生徒に近づいた。
「今度、俺の嫁にちょっかいかけようとするなら⋯お前の家、潰してやるからな」
俺の発言を聞いて、馬鹿にした笑みを浮かべた男。
「はぁ?お前みたいな獣人に何が出来るってんだ」
「これでも俺は王子だからな。それに⋯人間に関わることを俺は許されている。ナオス・トライアント」
何を言ってるのか分からないと言った表情から急に驚愕した顔になる。なぜ名前を知っているのかって事だろう。
それは覚えているからってだけの話で⋯前者は、まぁ無理もない。今日ようやく、その権利を手に入れたのだから。
「そこからは俺が話そう。ナオス・トライアント君」
名前を覚えるくらい朝飯前というやつだ。俺も、この学園の生徒の名前と家柄は全て記憶した。ソフィに何かあった時、対処出来るように。
彼女はいつも出会った時から不安を抱えている。何が不安なのか、それは5年経った今でも分かっていない。
でもいつか⋯ソフィは話てくれるんじゃないかと待っている。
「明日、獣人族との法律改正が民衆に向けても発表される。そして──この男、獣人族の王子リアム・スペラードには手を出すな。痛い目にあうよ。それから今後ソフィ・カンタレラにも手を出さないで欲しいな?俺も何をするか分からないからね」
レンはそう言った。コイツ代弁しやがったとね。いいとこだけ持っていった⋯。でも仕方ない。人間の世界で獣人はナメられる。
現在、古くから根付いた意識は簡単に変わるわけが無い。これから⋯この学園からにはなるけれど変えていく。そして自分の国にも浸透させていく。
人間と獣人は対等だと───────。
ソフィにも話さんとね。レンに絶対零度の瞳を向けられたトライアントは、竦み上がっていた。
「分かったら、さっさと行け」
俺の言葉を聞いたトライアントは、何も言わずその場を去った。
「レンと⋯。えーっと、スペ⋯スペード!」
「スペラードだ」
「悪い⋯。間違えた」
「気にしてない」
「とりあえず少し目立ち過ぎたかな?」
「もう間もなく、入学式が始まります!入学生の皆さん急いで入るように!!」
そんなに時間が経っていたのか。その前にソフィが⋯!
「さ!スペラード!お前も行くぞ!」
「えっ?!何するとね!?おいはソフィを───!!」
グラウス・ドルニシア⋯通称赤髪が俺をズルズルと連れて行ったのだった。
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