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23、 Bane And Dark Ⅱ (1)

次回から(本日夜)本編(15歳から)に突入します!題名どうしようかなぁ……。上手いこと書けるようになりたい今日この頃。今回はソフィ含め4人視点となっております。






それからすぐ身支度をして、レン様と久しぶりの対面⋯緊張するわ。今度こそ、ちゃんと伝えて婚約解消してもらわなきゃ。


「お待たせしました。レン様。お久しぶりですわ」


「久しぶり、という訳では無いのだけれど。君からすると⋯そうなるよね」


「???」


「そうそう。俺は文句を言いに来たんだ」


「はい?」


「使用人たちは、外してもらえるかな?」


「えっと⋯はい」


ネル達は部屋を出た。


「それでレン様、文句とは?」


「なぜ俺には、手作りのチョコじゃない?」


「はい?」


「使用人や他の男共には手作りのチョコを配っているらしいじゃないか。何故俺には、買ったチョコなのか」


はい??


あれ、レン様って地味に毒舌含んでったけ?あれれ?私そんなふうに書いた覚えないんだけどなー。で、でも少しだけ毒を含んだレン様も素敵!!


彼も随分と成長して、光を映さなかった瞳は今では光を映している。そして、ただただ王子様⋯私の理想の王子。カッコイイったらありゃしない!!でも、候補ではないけどね。





だってその(未来)は破滅だもの!!回避回避!!






「えっとそれは、レン様に召し上がって頂くには毒味も色々と済まさないといけないわけで⋯王御用達のところであれば、すぐレン様の元に届きますし⋯」


「ふぅん⋯そう。じゃあ、今から用意して?」


「えっ?今から⋯何を?」


「チョコだよ。早く、持ってきてくれるよね」


「はっ、はぃぃっ!!」


絶対零度の光線を浴びせさせられた気分だった(気分ではなく事実)。急いでその場を優雅に退出し、厨房に向かって余りの生チョコを取り出してくる。


ラッピングされた(小さな箱に入ってる)ものは置いてあったのでソレ(チョコ)を持ち、レン様がいる部屋へ戻る。


「大変お待たせ致しました。こちらです」


「これが⋯」


そう言ってパカッと箱を開けるレン様。


「美味しそうだ」


「えっ」


パクリと1口。


毒味もせずに、この人(レン様)食べた────!!!


「口当たりは滑らかなのだな」


「レン様!!毒味もなしに何食べてるんですか!」


「君が俺に毒を盛ったりなんてしないだろう?」


「しませんけど!!万が一という事も考えてですね!!?」


そりゃメインキャラだから死ぬ事はないと思うけど!!毒にだって小さい頃から慣れさせられてるはずだから、希少な毒以外は割と耐えれるはず。けれども、一気に私の寿命が縮まった気分だ。


「はは⋯。俺に、そうやって言ってくれるんだ。君は⋯」


へっ!?レン様が⋯レン様が笑った?!!!えっ?!どういうこと?!だって笑うのは、ヒロインと出会ってからで⋯。





え?何がどうなってこうなったのかしら。





「さてと。これは頂いて、そろそろ帰ろうかな。ソフィ、君に会えて良かったよ。またね」


「えっ⋯あ、はい⋯」


私は呆然としていた。グルグルと考えていたのである。そして気づいた。











話忘れた()ァァァァァ()アアア()!!!!












気づいた時には既に遅し。また先延ばしにしてしまった。私のバカー!!!!




*****




スザクside


ソフィはいつも唐突に現れる。ある時は手土産を持って、ある時は手土産は無いけれど面白い話を持ってきたりする。彼女は美しくなったと思う。


真っ黒な髪に所々紫色が混じっており、魔力が強いのもあるだろうが俺よりほんの少しだけ魔力が少ない。完全な黒ではないからだろうか。まぁ俺の髪も真っ黒だが、日に当たると違うらしい。



ソフィに教えてもらった。



今日は何しに来たんだかと思いつつ、内心は嬉しい。ソフィと話せることは俺にとって生活の1部だった。


「やっほ!!スザク!」


「うわっ?!毎回、背後から来るなよ!!」


ソフィは毎回背後から現れる。何度言っても直してくれない⋯どうにかならないのか?


「ごめんごめん⋯!今日はバレンタインの日でしょ。義理チョコ持ってきたよー!スザクは甘いもの苦手だからビターにしたよ」


出会ってから毎年、ソフィはチョコというお菓子をくれる。俺は食べたことがなかったから感動した。ただ、甘いものはあまり得意ではないので少し苦めのビターで作ってくれている。


一番最初に貰った、チョコを食べた時の感動と⋯甘さとのせめぎあいで表情がおかしな事になっていたらしい。それに気づいたソフィが、甘いのはアウトね。


ビター系もあるからそれを持ってくると言って取りに帰ってくれた。そういう気遣ってくれるところも好きだ。


「毎年⋯飽きもせずに⋯ありがとな」


とりあえず御礼は言わないと⋯。


「どういたしまして!毎度お世話になってるしね!」


お世話になってるか⋯それは俺の方なんだが。知らないんだろうな。


「というかまたその格好してるのか?」


ひとつ疑問を投げかけた。


「何か悪い?」


ソフィは隙があれば男になる。しゃべり方はソフィなのだが、言葉遣いと音色を変えてしまうだけで全くの別人になるのだ。スゴすぎるの一言に尽きる。


「程々にしとけよ⋯」


「分かってるってば!!それじゃあ行ってくるわ!」


「またあいつのところか───」


「ん?何か言った?」


ホッ⋯俺の独り言が聞こえてなくてよかった。5年前からずっと聞くリアムという名前。


いつも俺に話してくれるのは有難いのだが、ソフィの幸せそうな顔を見ると、どうも俺が変になる。毎回途中で話を切るのだ。


「何も無い。お前はただ馬鹿だなと」


「はっ?!馬鹿って言った方が馬鹿何だからね!」


「はいはい。さっさと行ってこいよ」


「それじゃまたね!スザク!」


あっという間に時間が過ぎるな⋯。俺を見てくれる日は一生来ないのかもしれない。



*****


リアムside


今日は、バレンタイン⋯。毎年、ソフィと出会ってからおい()にチョコというお菓子をくれる。それだけで昨夜からソワソワして落ち着きなく歩き回っている訳では無い(である)


バレンタインとは女子から男子へチョコというお菓子をあげて想いを伝える行事なのだとか。ソフィから聞いた。俺の国には、そういった行事はなかったから。


新鮮なのもあるし、ソフィの作るチョコは毎回絶品な事⋯そしてソフィに会えるということ。ソフィから好きだと言って貰えること。それだけでおい()は、どうにかなってしまいそうで。ソワソワして毎年、眠れない。そして夜が開けた。



「リアムー!!!」


「のわっ?!ソフィ!」


いつの間に!ソフィはいつでも進出鬼没だ。手紙だけじゃ足りないからと言って、俺に会い来てくれることも多い。毎回びっくりするが愛する人の訪問なので嬉しさが勝つ。両親も見逃してくれている。


「リアム来ちゃった!」


可愛いか⋯!!毎回、悶えそうになるのは仕方がないと思う。だって可愛いたい⋯!!!そんなおい()にソフィは気づいていないけれど。ん?


「クンクン⋯ん?この匂い⋯」


「あっ⋯もうバレた?ホント嗅覚いいよね。はいこれ!」


「!!開けてよか(いいか)?」


この匂いは──!!


「いいよ!」


おい()の好きな、抹茶の生チョコたい()!!」


「頑張って作ったの。と言っても簡単なんだけどね」


「ソフィ⋯嬉しか!ありがとう!」


「なんのなんの!!えへへ⋯」


俺の為に作ってくれて、毎年感謝している。ソフィは今更だが、出会った時も綺麗だったけれど今はさらに綺麗になった。


何故だか知らないが今は喋らなければ男にしか見えない。ソフィと出会った時もそうだったなと思い出す。昔も今も変わらず────


「ソフィ⋯可愛か(可愛い)⋯⋯」


「へっ?リアム⋯??」


「好きたい⋯⋯」


ほんとに好きだ。この5年間⋯ソフィと婚約を結ぶために努力をしてきた。アイツ、レンだって努力をしてきた。



だが、勝つのは俺だ。



あと残り2ヶ月。入学式の日に決着は着く。






それまで⋯思いは伝えちゃいけな────





「⋯ん⋯?⋯⋯⋯⋯!!!」


おい()なんばいいよっと(何を言った)?!今⋯好いとーよ(好き)って⋯好いとー(好き)って⋯言ってしまったと?!!


「ソ、ソフィ?!今のは忘れるばい()!!」


「わ、忘れたりしませんからっ!!!私も大好きですっ!!では失礼致しますわ!!」


「えっ?!あ!!ソフィ!!」


ソフィの顔は真っ赤。おい()の顔もソフィに負けず真っ赤なはず。その上ソフィは爆弾を落としていった。


"私も大好きですっ!!"


この言葉が頭から離れることは無かった。

そして俺が、ゆっくり眠れるはずもなかった。



****




レンside


あと残り2ヶ月⋯。ずっと、彼女とは会ってなかったと言ってもソフィの家に来ては、彼女を見るだけ見て帰っていた。


これは俺のケジメでもあった。ソフィにとって相応しい男になろうと。婚約破棄なんて冗談じゃない。本当は入学式まで会うつもりはなかった。だが、これだけは譲れなかった。この国には毎年2月。


バレンタインという行事があるのだが、ソフィは俺にチョコをくれるものの⋯買ったやつだった。手作りではない。屋敷に住む使用人たちや他の奴らには手作りを渡しているのに、どうも納得がいかない。


抗議しに行く価値はある。そうして、バレンタイン当日⋯直談判に来たわけだ。


「お待たせしました。レン様。お久しぶりですわ」


彼女と5年ぶりに話をする。随分と綺麗になった。まぁ、影から見ていたので知らないわけではなかったが。


「久しぶり、という訳では無いのだけれど。君からすると⋯そうなるよね」


「???」


「そうそう。俺は文句を言いに来たんだ」


「はい?」


「使用人たちは下げてもらえるかな?」


「えっと⋯はい」


使用人達を居なくさせたところで話を進める。


「それでレン様、文句とは?」


「なぜ俺には、手作りのチョコじゃない?」


「はい?」


「使用人や他の男共には手作りのチョコを配っているらしいじゃないか。何故俺には、買ったチョコなのか」


最もらしい答えを聞いてあげようか。


「えっとそれは、レン様に召し上がって頂くには毒味も色々と済まさないといけないわけで⋯王御用達のところであれば、すぐレン様の元に届きますし⋯」


「ふぅん⋯⋯そう。じゃあ、今から用意して?」


「えっ?今から⋯何を?」


「チョコだよ。早く、持ってきてくれるよね」


「はっ、はぃぃっ!!」


たったそれだけの理由か。俺の身分を何度、呪ったことだろう。今までの比にならないくらい最悪な気分だ。ソフィはそんなに時間がかからず戻ってきた。


「大変お待たせ致しました。こちらです」


「これが⋯」


夢にまで見た手作り(夢にまで)Ⅰチョコ⋯《見たのか》。


「美味しそうだ」


「えっ」


1口サイズのチョコを口の中に入れる。


「口当たりは滑らかなのだな」


「レン様!!毒味もなしに何食べてるんですか!」


「君が俺に毒を盛ったりなんてしないだろう?」


「しませんけど!!万が一という事も考えてですね!!?」


「はは⋯。俺にそうやって言ってくれるんだ。君は⋯」


俺は、この国の王子だ。皆、身分というもので俺に対する態度を決める。だから、皆⋯俺に意見したりしない。けれどソフィは違った。面と向かって言いたいことは言ってくる。王子とかそういうの関係なく(肩書きは)


この関係が心地いい。まぁそれだけじゃないんだけどね。そして、王妃に相応しいと思うのは彼女だけだ。だから俺は頑張らないといけない。




あと残り2ヶ月───。



5年前から始まった長い戦いに終止符を打つ。


「さてこれは頂いて、そろそろ帰ろうかな。ソフィ⋯君に会えて良かったよ。またね」


「えっ⋯あ、はい⋯」




次に会う時は2ヶ月後。入学式の時だ。





Q、久しぶりの質問コーナーですかね。今回出てきたキャラの喋り方について教えて欲しいです。


レン:俺の事かな?一人称は俺で…そうだなぁ…語尾は。「だね、かな?、──よ」柔らかい口調を心がけているよ。

スザク:俺は……「─な、─か?、─だ?」の語尾か?ちょっと口が悪いかもしれないな。

リアム:俺は……基本、ソフィの前ではつい俺の国の言葉が混じったりする…。出来るだけ気をつけてるけど、ソフィに出会ってからは──ほとんど崩れてる──。因みに…ソフィに気付かれないようにしてるが、口は悪い。…ココだけの秘密ばい。

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