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Sugar

作者: さきち

 秋になると、人肌が恋しくなる。私はそんな事を、ハラハラと落ちる枯れ葉をぼんやりと見やり、思う。

 冬になると、寒くなると、寂しさは雪の様に、心の中に積もっていく。暖かい部屋の中に居ようと、友人や同僚と笑いながら過ごしていようと。

 満たされない心と、身体を持て余した時、私は彼と連絡を取る。ただの男友達、恋愛感情は無い。言うなれば、友情だろうか。

 お互いに傷心中に出会った彼と私。お互いに好きな人が出来るまでの、期間限定の傷を舐め合うだけの関係だ。

「最近、ペース早くない?」

「そう?寒いからかな?」

「別にイイけど。今日はどこまで?」

「全部。」

「了解。」

 事務的なやり取りも、慣れたもの。だけど、私を満たしてくれる。身体の方だけは。

 二人で手を繋いで歩き出す。街路樹に灯されたイルミネーションは、こんな二人にも優しい光を投げかけていた。


 普通の恋愛が、チョコレートの様に苦さと甘さを同時に味わえるものなら、彼と私の関係は、ただ甘いだけの砂糖の様。そこに苦さ、痛みは無い。だからだろうか、こんな関係を一年近くも続けているのは…。駄目な人間同士の駄目な繋がりだ。ただの臆病者の私を、笑いながら受け容れてくれる彼の優しさに、甘えているだけ。

 私は甘いのが好き。甘い砂糖の様な時間…。



 給湯室で、自分用のココアを入れて、一息つこうと思っていた時だった。後輩の豊田君と出会した。私も豊田君もコーヒー派ではなく、ココアが好きだからだ。コーヒー派なら、コーヒーメーカーと、エスプレッソマシーンがオフィスに置いてあるから、給湯室までわざわざ来ない。

 私はココアが好きで、お湯で入れるのではなく、ちゃんと牛乳を温めたやつを使いたいからここに居る。小さな冷蔵庫と電子レンジが置いてあって、牛乳を温めてから粉を入れるのだ。手間はかかるけど、美味しさのためなら苦にはならない。彼もそんな一人だから、よく出会す。

「…昨日、デートだったんですか?」

 カップに入れた牛乳を電子レンジで温めている時に、豊田君はそんな事を聞いてきた。

「デート?」

 デートって言えるのかどうか…。

「僕、播磨さんが路チュウしてたの、目撃しちゃったんですけど。」

 自分のカップに牛乳を注ぎながら、彼はチラリと私を見た。

「あー、見てたんだ。」

 ちょっと恥ずかしいけど、仕方ない。

「僕、ショックだったんですケド…?」

「なんで?」

「…だって、チャラそうな男だったから。」

「まぁ実際、チャラいからね。」

「…付き合ってるんですか?」

「違うよ。いわゆるセフレってやつかな。」

「……マジですか。」

 うん、引くよね普通。正しい反応だと思う。

「マジ。彼、私の体が好きとは言うけれど、私自身を好きだとは言わないしね。」

「どうなんですか、その男?」

「いい奴よ。彼は、出来ない事は出来るって言わないもの。そういう意味では誠実かな?クリスマスは一緒には過ごせないって言われたし。」

「それって誠実、…なんですか?」

「だって出来ない事を出来るって言う男よりずっといいわ。果たされない約束ほど、悲しいことはないもの。」

 前の彼氏の様な、口だけの人間は嫌いだ。嘘ばかりつく人間の言葉に、重みはない。信用なんて出来ない。

「…もっと良い男いますよ。」

「じゃあ、私の目の前に連れて来て。」

「……。」

 ほら、何も言えないでしょ?私は気にせず、粉と砂糖をカップに入れて混ぜた。甘いココアの匂いが、辺りに漂う。

「私には、甘い時間が必要なの。」

「甘い時間ですか…。」

「これも同じ。甘さが私には必要なの。」

 私はココアを両手で包み、口を付ける。ああ、温かい。甘い、美味しい、幸せ。

「実際、した方が、肌の調子もいいしね。」

「まさかの、美容法感覚!?」

「だってホントだもん。」

「…何だか、刹那的に生きてますねぇ。」

 豊田君は呆れ顔だ。チンと彼の牛乳も温め終わり、粉と砂糖を入れてスプーンで混ぜ合わせている。

「こと恋愛に関しては、今が良ければそれで良いと思ってるからね。どんなにプライベートがだらしなかろうと、やる事はちゃんとやっているから誰にも迷惑をかけてないし、誰からも文句言われる筋合いはないと思ってる。」

「…まぁ、そうですよね。仕事はきっちりですしね。」

「不確定な明日より、確実な今を生きてるだけ。」

「…確実な今ですか…。」

「不確定な明日を、なんの躊躇いもなく信じられる様な人間じゃないから、私は。」

 なんの躊躇いもなく、不確定な明日を信じていた、過去の馬鹿な自分に戻りたくはないのだ。

「……。」


「播磨さん、クリスマスの予定は無いんですよね?じゃあ、イブは僕にください。」

「へ?」

 私は凄く間抜けな顔をしていたと思う。その申し出が、意外過ぎたからだ。

「とびっきりの甘い時間をプレゼントしますよ。」

 ニッコリと彼は笑う。だけどその目は、どこか挑戦的で気圧されてしまった。思わず頷くと、彼の目元が少し綻ぶ。

 甘いココアを手に、給湯室を出て行こうとする彼の背中に、私は問いかけた。

「…自信あるんだ?」

 豊田君は振り返ると、フッと笑う。

「僕も、約束は守る男ですよ?」

「…ふ〜ん。」

 期待しないで待っておこう。大体、こんな話をした後で、私を誘う男がいるとは思えない。私は不確定な明日を信じていないのだから…。

 


 …なのに、そんな事を言われてしまったものだから、意識してしまう。ないない!と思ってみても、豊田君がマニアックな趣味をしている可能性も…なんて。


 ココアの様に、本当は恋には苦さがあった方が、甘さが引き立つのも知っている。無意識に求めてしまっているのだろうか…?苦さを、痛みを?…そんなの要らない。

 …期待なんてしない。呪文を唱える様に、何度も自分に言い聞かせた。


 給湯室で豊田君と雑談をするのは、いつもの事だけど、それ以来イブの話題は出ない。まさか、忘れてたり…?期待しないでいようとすればする程、何故か考えてしまう。

「豊田君、イブの件だけど…。」

 野田さんは私に気付いて、ハッと口を噤んだ。彼の背中に隠れて、私が見えなかったのだろう。

「あ、あっちで話す。」

 豊田君は彼女に廊下を指差し、急いでその場を後にした。私は二人が廊下に消える背中を目で追ってしまう。

 ……イブって言ってなかった?私と過ごしてくれるのではなかったのか…。他の人にも同じ様に声をかけているのだろうか…。どう言う意味なのか、考えても答えなんて出ないのに、考える事をやめられない。心までモヤモヤして、どうすれば良いのか、分からなかった。

「…聞きたくなかった。」

 私は思わず呟く。

 大体、私には敬語なのに、野田さんにはタメ口なのが気に入らない。私が短大出で同い年とは言え、先輩になるから仕方ないのだけれど。同期の野田さんとは違う、とは理解していても…だ。

 未来なんて信じていないと言っていた自分が、何を期待していたんだろう…。


 これは…嫉妬?こんな感情要らない!…自分が嫌になるから。自分が駄目な人間だと、嫌でも自覚してしまうから…。

 ギュッとカップを握り締めていた事に気付いて、モヤモヤを流し込むように、ココアを飲む。何故だろう、いつもより、苦く感じてしまうのは…。

 長い溜息を吐き出し、今出来る事をしようと、気持ちを切り替える。不確定の未来の為に悩むなんて、馬鹿みたいだ。

 いつもの様に、淡々と仕事をこなす。同じような作業なのに、終業時間にはいつも以上に疲労を感じてしまった。


 さっさと家に帰り、ベットに倒れ込む様に寝そべる。今日は疲れた…。

 …だから嫌なのだ。私という女は、心が揺れる度に、こんな感じになってしまうのだから…。のろのろと体を起こし、着替えながらテレビを付ける。なのにやっていたのは思わず耳を塞ぎたくなる様なニュースで…。

 気分が益々落ち込みそうだったので、陰惨なニュースが写し出されたテレビの電源を切った。

 日常生活に感情の揺らぎなど必要ない。要らないのに!こんな感情なんか。


 スマホを握り締め、彼にメッセージを送る。すぐに電話が鳴った。

「美優、どうした?平日だけど。」

 いつもと違うからか、声音に心配そうな気配を感じる。

「…まー君、今日は無理?」

「どうしたか、ちゃんと言えよ。」

「…しんどい。精神的に。」

 私は前にあった事、今日あった事を話す。こんな事で落ち込む自分が、馬鹿みたいだと思いながらも、彼は黙って話を聞いてくれた。話終わって、沈黙が落ちる。そして、まー君は躊躇いがちに口を開いた。

「…俺、好きな奴できたから、もう無理だよ。俺、もう逃げるのやめることにした。だからお前もさぁ、逃げてないで、ちゃんと向き合え。」

 彼の言葉が胸に刺さる。いつかこんな日が来ることを、知っていたはずだ。だけど今日がその日じゃなくてもいいじゃないか!

「一人だけ…先に行っちゃうの?私は置いてけぼり?」

 私は、どうしたら良いの?思わず目に涙が滲む。

「違うだろ?お前も前に進んでるだろ?どうでもいい奴なら、気にならないよ。それだけお前は本気になりかけてる。嫌な感情だからって、目を逸らすな。正面から向き合えば、思ったより怖くない。」

「…怖いよ。」

「大丈夫。話を聞く限り、嫌な感じはしないよ。」

「そう…かなぁ?」

「俺はそう思う。他の奴が気になり出したのはさ、傷が癒えた証拠じゃない?俺もお前も。」

 もう恋なんて出来ないと思った程の痛みが?癒えたのだろうか…。もしそうだとしたら、癒してくれたのは電話の向こう側の彼だ。彼の言葉なら、信じられる。

「まー君が頑張るなら、私も頑張るよ。」

「俺で良ければ、いつでも相談に乗るから。」

「私も相談に乗るよ?」

「…恋愛相談に美優を選ぶほど、俺は馬鹿じゃない。」

「酷い!…だけど、私でも私を選ばない。」

「だろう?」

 そうやって二人で笑いあった。大丈夫だと何度も言ってもらって、少し心が軽くなる。

 まー君、最後の方は、声が明るかったなぁ。きっといい恋をしているんだろう。私も今度こそ、いい恋出来るかな?



 冷静になって考えてみたら、甘いの意味が恋愛だけではない事に気づく。相変わらずコソコソと野田さんと話す豊田君を見かけたけれど、揺れる感情に蓋をして淡々と仕事をこなした。凄く疲れたけれど…。

 そしてクリスマスイブも普通に平日なので、仕事をこなす。少し残業になってしまいそうだ。家族や恋人がいる人を早く帰してあげたいと、気を遣った結果でもある。

 終業時間間近になって、彼からメッセージが届いた。『仕事が終わったら、会議室に来てください』と書いてある。


 あ〜終わったぁ!と心の中で叫ぶ。私はPCの電源を落とし、伸びをした。

「お疲れ様です。」

 背後から声がして、ビックリして肩が跳ねる。豊田君だった。

「いたの?いつから?」

「10分ぐらい前から。集中してましたね。」

「声、掛けてくれればいいのに。」

「背後から観察してたんで、飽きてませんよ?播磨さん、理想的な耳の形してますよねぇ。」

 …そういう問題なんだろうか…?理想的な耳って何だろう?豊田君、マニアック説が真実味を帯びてくる。

 席を立ち、辺りを見回しても誰もいない。残業時間は、それ程長くないのに…。クリスマスイブだから?

「ごめん、遅くなって…。」

「他の人の仕事まで、引き受けるからですよ。…まったく、人が良いですねぇ。」

 彼は呆れた顔をする。

「自分が早く帰りたい時のために、貸しを作っておこうとしただけだよ?打算だから。」

「…播磨さんって、褒められるの弱いですよね。」

 フッと笑って、彼は歩き出す。

「もう、いいってば。」

「…照れてる。耳まで赤いですよ?」

 そんな事を話しながら、会議室に向かった。

 …また、耳なのね。思わず自分の耳の形を確かめる様に触ってみる。それ程特徴のある形だとは思えない。

 会議室のドアの前に立つと、ガヤガヤと中から音が聞こえた。

 あれ?中から沢山の声がする…?


 豊田君が扉を開けると、遅いぞ〜とか、お疲れ様〜とか、お先に、とか声がかかる。誰もフロアに居ないと思ったら、みんなここに居たのか。


 会議机には、色とりどり、数種類のケーキが並んでいて、スイーツバイキングの様相を呈している。他にもサンドイッチやチキンなど、クリスマスっぽい料理も並んでいた。さすがに会社の中なので、アルコールはないけれど。


 ああ、甘いってそういう事ね。私は所狭しと並べられた、スイーツ達を見て納得する。私が甘いものが好きだから?

 ちょっと期待してたのに…。でもまぁ、楽しそうだから、いっか。

「ありがとう。用意大変だったんじゃない?」

「野田君と話していたら、どんどん規模が大きくなっちゃって…。」

 私が甘いもの好きなので、スイーツ好きの野田さんに、相談していたらしい。結局他の人も参加したいと、クリスマスパーティーになってしまったのだとか。

「そうだったんだ。」

 二、三十代の未婚の男女の約三、四割しか彼氏彼女がいないと聞いたことがある。つまり、後の、六、七割はデートなどしないのだ。そう思うと、この賑わいも納得出来る。

 こんな夜も悪くない。甘いケーキも沢山食べられるし。

 

 食事やケーキが跡形もなくみんなのお腹に収まった頃、片付けが始まった。みんなで片付けたのであっという間に終わる。アルコールなしだからかも知れないが…。

 そして解散になったのだけれど、話し足りない人達は居酒屋やカフェに移動するらしい。私は、明日も仕事なのを考えて、帰ることにした。


 みんなで会社を出て、それぞれが街に消えていく様子をぼんやり眺める。

「今日はありがとう。私が期待してた甘さじゃなかったけど、楽しかったよ。お酒があれば、完璧だったんだけどね。」

 私は彼が他の人を見送り終わったのを見計らって、声をかけた。挨拶も済んだ事だし、帰ろうとしたら、腕を掴まれて引き留められる。

「まだ終わりじゃないですよ?期待してくれたんですよね?」

「…少しは。」

 控えめに言ったけれど、結構期待していたかも…。少なくとも、野田さんと打ち合わせをしている様子が、気になって仕方なかったのだから。嫉妬の気持ちが募っていくほどに。

「言ってた男を連れて来ました。」

 目の前には、彼しかいない。つまりそういう事だ。

「…あなたが良ければ…ですけど。」

 彼は私の視線から、目を逸らす。そして私の腕を掴んだままだったのに気付き、私の腕を離した。少し、寂しいと感じてしまう。

「良い男なの?」

「…多分。」

「…そこは自信持とうか。」

「…だって。自分じゃ分からないですよ。あなたの理想の男性像も分かりませんし…。」

 彼の顔は不安げな上、緊張した様子で、いつもと違って戸惑う。


「豊田君ってマニアックなの?」

 いつもの雑談の様に話して欲しくて、でも気になっていた事を聞いてみた。

「…何故そうなる。」

 いや、だって、ねぇ?私みたいな女が一般受けしないのは、自覚しているところなのだ。

「あの、路チュウ事件は僕には青天の霹靂だったんです。」

「…大袈裟。」

「大袈裟じゃないですよ?給湯室で会えるようにタイミングを見計らって、休憩をしたりしていた、この一年程の僕の涙ぐましい努力が無駄になったと思ったんですから。」

 彼の話によると、何とか仲良くなろうと考えて、接点を持つ為にココア派を装っていたのだとか。本当はコーヒーも好きなのだそうだ。そう言われてみれば、確かに出会す確率が高かったような気が…。

「せっかく雑談してくれる程打ち解けてきたと思っていた矢先に、路チュウですよ。諦め切れなくて確認して、彼氏じゃないって知ったから、もう猶予はないと思って…。」

 ノープランだったけど、必死に考えての今日だったのだとか。

「…全く気付いてなかった。」

「全く!?」

 ガックリと肩を落とす豊田君。

「なんか…、色々ごめんね…。」

 何故だか、申し訳ないような気分になる。私って鈍感なのかな?

「…どういう意味の、ごめんなんですか?」

 不安そうな顔で私を見つめる彼。いや、何にも気付かなかった事に対してだったのだけど…。どう言ったら良いんだろうか…。

 そんな顔しないでよ…。いつもの様に笑って?


 私は一歩前に踏み出し、突っ立ったままの彼のコートの袖を引っ張る。少し傾いだ彼の肩に手を置いて、背伸びをして軽くほっぺにキスをした。伝わったかな?

 豊田君は目を見開いた。後ろに下がろうとした私の腰に、背中に彼の手が回される。引き寄せられる様に抱き締められて、口づけを交わす。

 ああ、甘い。もう少し…と思ったところで、唇が離れた。


「…僕、路チュウしたの初めてです。」

 恥ずかしそうに豊田君は言った。そして人目を避ける様に私の腕を引っ張って、その場から離れる。

「おめでとう。」

「おめでとう、なんですか?」

「初めての事は、何だっておめでとうだと思うよ?」

「はぁ…。そういうもんですか…。」

 首を傾げつつも、歩く速度は変わらない。

「で?どこに向かってるの?」

「僕の家です。」

 当たり前の様に言われて、急に恥ずかしさがこみ上げてきた。えっと、そういうつもりって事?キスだけぐらいの、つもりだったんだけど…。

「明日、平日…。」

「僕は気にしません。」

 いやいや、そう言う問題ではなく…。

「って言うか、せっかく捕まえたのに、離すわけないでしょう?」

 仕掛けたのは自分だからなぁ…。仕方ない。だけど…。

「あの…その前にアルコールを…。私初めてする人とは、素面では無理なんだけど…。」

 恥ずかし過ぎて出来ないのだ。こう見えても。

「初めては、おめでとうなんでしょ?した後で、僕が言ってあげます。」

「…ああ、数分前の自分!!」

 何を偉そうに言ってしまったんだ!

「まぁ、諦めてください。」

 ニヤリと豊田君は笑った。恥ずかしそうな様子を見せる割には、意外と勝気なんだよなぁ…。

 いつの間にか、形勢逆転?…それも、悪くない、かな。


 電車を待っている間、彼はハッとした様に私の手首を離し、手の平に繋ぎ直す。そんな様子が可愛く思えて、豊田君をもっと知りたくなった。

 少しだけなら信じてみたい。彼と一緒の明日なら。


 時間をかけて、あなたは、苦いのか、甘いのか。

 味わってみたい。それを同時に味わえるなら、多分本当の恋。


 身体に悪い?虫歯になる?

 人生には甘さが必要。

 やっぱり甘いのが好き。砂糖の様な甘さじゃなくても…。

 最後までお読み頂き、ありがとうございます。

 クリスマスイブに軸を置いた話なので、間に合ってホッとしています。

 こんな女は、嫌いな人が多いかもなんて思いつつ、書いていました。だけど私は、結構好きなんです。彼女の弱さゆえの、こんな生き方も。極論、犯罪さえ犯さなければ、好きに生きたら良いと思うのです。人生一度きりですしね。


 ではまた☆あなたが楽しんでくれています様に♪

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