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対峙

ゴールデンウィークが終わった。

「あとどのぐらい?」

「まだです。あと2分ぐら…!?」

「あれは…黒龍か?」

 大量の魔法の影に隠れるようにして上昇をしていると、ふと、黒いナニカが見えた。空を黒一色に染め、上空を徘徊している。

 地上でもそれを観測したようで、一部で斉射が止まっている。

 そして、黒龍らしきナニカは魔力の発生地点に向かって、分身を作り、突撃させた。

 勿論、こちらにも。

「『鎮まれ』」

 メアルがそう呟くと、こちらに接近していた分身は消滅した。

「さぁ、早く移動しましょう」

「ありがとう、メアル」

「流石、お見事」

「メアルさんナイスです」

 口々にメアルを褒め称え、邪神のいる高度目掛けて上昇する。

 算段としては、邪神と同高度まで上昇した後、メアルの魔法を使って亜空間へと移動。そこで邪神と対峙することになっている。

「良かった…」

 後ろ髪引かれる気持ちで上昇していたが、地上の方は女神様が対応してくれたみたいだ。

 下からは眩しい程の光が。逆に上からは飲み込まれそうな程の闇が。

 まさに世界の明暗を分ける一戦をしている。

「到着しました。集まってください」

 メアルの元に集まり、時空を跨ぐ転移魔法を展開する。地上では再び魔法の放出が始まったようだ。これなら、邪神の魔力逆探知能力を阻害することが出来るかもしれない。

 そして、僕らは光に飲み込まれた。

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「っ!?散開!」

 誰に言われるまでもなく、散開をする一同。刹那、先程までいた空間が消滅した。

「避けるか…流石、惑星の管理者達ですね」

 どこからともなく聞こえてくる声。気配や魔力を全く感じない。不気味な程に。ただ直感が最大限の警鐘を鳴らしている。

「『フレア』」

 私、メアルはこの状況下で最も必要とされる魔法、フレアを行使する。自己の周りで発動している魔法効果を全て打ち消す魔法。味方への支援魔法も相手の魔法も全て打ち消す少し癖の強い魔法。

 すると、弾ける音がして邪神の姿が現れる。

「メアルゥ…!やってくれたな、貴様!」

 以前の面影すらないその姿に絶句する。以前は優しい面持ちで、下界の生物の暮らしを見ては子供みたいにはしゃいでいたのに、恨み辛みのせいか、顔はげっそりと痩せこけ、眉間には深い皺、目は吊り上がり、肉食動物のように鋭い。ストレスや心労のせいか黒々としていた髪は白くなっている。そして、堕天した何よりの証拠、2本のねじれた角。悪魔を連想させる羽。言葉遣いも荒々しくなっている。

「私が止めるべきでした。こんなになられて…せめてもの贖罪として私が…いえ、私達があなたを止めます」

「今更何を…メアル。一蓮托生、君もこっち側なんだよ」

「…」

 確かにそう。私も1度は道を踏み外した者。けど、1度はあなたに付き従ったからこそ分かる。あなたが今どれだけ苦しんでいるか。

「私は…私はっ!これ以上、あなたに苦しんで欲しくない!」

「うるさいっ!何分かったような口ききやがって!お前も、お前もそうやって俺を否定するんだろ!所詮お前も血の通ってない神々のお人形なんだ!感情がないから、ないから分からないだろ!どれだけ俺が苦しかったか!」

 その魂からの叫びに息を呑む。

「だからって…!あなたのやってることは正しくない!人々を助けるんでしょう?それなのに何で、人々を苦しめているの?」

「あいつらは所詮あのクソみたいな神々によって作り出された紛い物。だから、俺が新たに、完全体の生物を作り上げ、育て上げるんだ。どうだ、少しでも分かったらお前もこっちにこい」

「分からない…分からないよ。あんなに優しかったあなたはどこへ…」

「分からないならお前に用はない。消えろ」

 そして放たれた一撃。それを回避すること無くただぼーっと見ていた。

「『ディスターブ』」

「メアル、しっかり!」

 その声にハッとなる。俯きかけていた顔を上げると、視界には変わり果てたあの人と陽向さん、ヴェルさんが映っていた。

「メアルさん、休憩していてもいいんですよ。まだ、まだ大丈夫ですから」

 額から汗を流しながら私にそう声を掛けてきたウラジーミルさん。

「いえ、私もやります。せめてもの償いをしたいですから」

「そうですか。なら、頼みます」

「はい」

 2人で、邪神の攻撃から前衛の2人を守る。時に結界で反射させたり、弾いたり、相殺したり。とにかく2人でできる限りのことをした。

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 メアルと邪神の対話を聞きながら、常に警戒をしていた。ヴェルとは作戦を話し合っているので、何も言わなくても阿吽の呼吸で攻撃に移ることが出来る。後ろにいるウラジーミルさんも既に準備を済ませてあるみたいだし。

「お前に用はない。消えろ」

 淡々とした面持ちで、そう言葉発した次の瞬間、魔法が発動し、私達も戦闘態勢に移った。

 攻撃は無理に回避したり防御しようとせずに後ろに任せる。私達はただどうやって邪神を攻め崩すかを考える。相談していた何パターンかを試すが、どれも危なげなく対処される。

「シザース!」

「今!」

 作戦名を叫び、タイミングを計って実行する。

 一瞬生まれた隙につけ込むが、攻撃を弾かれる。

「硬い!」

 刃こぼれを起こしそうな程硬い相手に対し、次の手段を考える。

「聖」

 ヴェルとすれ違った瞬間に次のキーワードを言う。そして、武器に聖属性を付与し、攻撃に移る。

 今度は少しだけだが、攻撃が入った。これだと思って続け様に深く踏み込んで一太刀浴びせに行くが、今度は聖属性すら対処してきた。

「ダメだ…陽向くん!」

 呼ばれたので少し下がる。

「神」

 神力?効果以前に付与出来るのか?

 とりあえず、やってみなきゃ分からない。なので頷き、また前線に戻る。

 武器に、弧月刀に神力を付与する。すると、刀身が光り、フォルムが少し変わった。鍔に天使の羽を象った紋様が出てきた。

 フェイント等を織り交ぜて攻撃をして行く。

「っ!?」

 通った。

 今までとは全く違う感触。実際作戦会議では1番効果がないとされていた神力。

 これはいけると確信出来た。

ちょっと火曜からが憂鬱で前書き後書きの内容が思い浮かばない。 以上!

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