打ち合わせ
どうも、おっすおっす。
挨拶が最近ガサツな相笠です。
何とか間に合ったぜ!(キリッ
「やっと帰ってきたか。お前が言うには時間がないらしいからな。さっさと始めるぞ。お前のステータスや裏ステータスまで全て把握して、各部門に回しておいた。解析結果が出るまで少しあるから適当に基礎ステータスでも上げるか」
「え?どういう事?」
「詳しい話はトレーニングしながら説明するわ」
転移をして、目を開けると武神が準備体操をしながら立っていた。
「各部門って?」
「お前のステータスやスキル、戦闘スタイルを分析して、こうしたらいいぞ、っていう指針を出してくれる人達の総称だ。まぁ、専門家だわな」
「は、はぁ…」
「それより、準備出来たか?さっさとやり合おうぜ」
「やり合う?」
「そうそう。やっぱり相手を知るには、組手が1番手っ取り早いからな」
そう言うや否や、僕は投げ飛ばされていた。
「っとと…」
「ほら、さっさとかかってこい」
何が何やら、僕には分からなかったが久しぶりの組手、更には何も気にしなくていい相手。一泡吹かせてやろうと挑戦的な目を向けると、武神もニヤリと笑ってもう一度構えた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「あのー、解析結果とこれからのメニューの大まかな指針です…って、派手にやりましたね…」
視界の端で1人の天使が端末を持ってやってきたのが見えたが、反応する気力も余力もなくてただボケーッと右から左に聞き流していた。
「おぉー、ご苦労さん。おい坊主、起きろ!寝てる暇なんてないんだろ?」
その言葉に反応する事もなくただ寝っ転がっていると、景色が凄いスピードで流れて行った。
「…ぐへっ…痛いぃ」
「さっさと起きろ、アホ」
呆れた感じで見下ろされているが、仕方ないだろう。だって、あれから2時間ほどずっと休みなしで格上とやり合ってたんだよ?しかも、あの武神手加減なんて知らないし。
「ふぅ…手加減ぐらいして…」
何とか残ってる魔力で疲労を除き、やっとのおもいで立つ。
「甘えんな、お前の敗北は即ちこの世界の破滅を表すと思え。そんだけ大きいモンをお前が背負っているだよ。自分から選んだ道だろ?なら、甘えは許さねぇ」
もっともだった。これは、僕が自ら選びとった道。それに、背負っているものの大きさはみんな知ってる。その上で期待してくれている。なら、それに応えなきゃ駄目だよね。
「…すみません。次、行きましょう」
「おぅよ。5日で終わらせるんだろ?」
その後、渡された端末を見て、自分の癖や弱点、武神から見た改善点や、武器部門から回されてきた得物の変更案などを武神と2人で検討した。
「…よし、叡智の所でも似たようなヤツやるんだろ?なら、ここに叡智呼ぶからそっちも済ませるぞ」
「魔法の方も各部門から訂正案等が上がってきてますので、そちらにデータを送りますね」
今の今まで存在を忘れていたあの天使がそう言って自身の端末を操作して、こちらにデータを送ってきた。それと同時に叡智こと魔法神がやってきた。
「さっきぶりだね、少年。訂正案は見させてもらったよ。それから、こっちでもうトレーニングのプランは考えてあるから任せて。それと武神、なるべく俊敏性を上げといて。魔法戦は多分そっちが重要」
「もちろん、そのつもりだ。アイツの性格というか戦闘スタイルからしてそうだろうな、とは思っていた。任せとけって」
「ありがと。それで、君は…」
魔法神からは、魔法使う際にどれだけ魔力損失を出しているか、とか魔力伝達速度が遅い、とか魔法構築速度がまだまだだとか、そう言ったダメだしを受けた上で、修正の指針を出てきた。
「うーん。要は、魔法の習熟度を完全にしなくては、邪神に勝てない、と?僕はその案に大筋合意するんだけど…」
と偶にこっちから提案したりして、その度にプランに修正を入れて、武神を含めて3人でどんな戦闘スタイルにするのか、得物はどうするか、仮想敵に実際それで勝てるか、という討論をした。
「…ならば、武器は両刃でなるべく軽いもの?」
「いや、筋力を上げるし、魔法の補助もある。両刃で取り回しのしやすいものが一番だ」
「そうだね。あ、でも出来ればミスリルはやめて欲しいかな」
「どうして?」
「どうしてだ?」
「ミスリルってのは、魔力親和力が大きい。それは知ってるよね?それで、こっちの魔力が通りやすくなる分、相手の魔力も通りやすくなる」
「え?でも、何度も魔力を流せばミスリルがその魔力になれるのでは?」
「それはせいぜい人間の間では、だろう?神々の戦いとなれば、魔力の質が全く違う」
「なるほど…」
「ならば、神鉄か?」
「いや、緋緋色金じゃない?」
「アダマンタイト、ダマスカス鋼、ジュラルミンなどもある」
「それは、お前次第だな。どれを選んでも1番いい出来に仕上げてやるよ」
「合金は出来ないのかな?」
「合金…!」
「ほぅ…合金ねぇ」
とりあえず、得物は両刃で取り回しのしやすいもの、更には上記のものの中で最も硬くなる組み合わせの合金を使った剣となった。
「1本?」
「予備を含めて4本だな。お前は双剣の方がいいと思う」
「魔法も、手数で押すのに長けていると思うよ」
という訳で、双剣に決まり、基礎ステータスで特に伸ばす必要があるのは、筋力と魔力と俊敏性の3つになった。
「とっておくべきスキルかぁ…」
「スキルの方を担当した部門は一様に、今回の仕事は楽だったって言ってるからなぁ…」
「もう、僕の方の修正だけで完成しちゃってるんだよね」
「あ、でも神化!まだこれに慣れてないから」
「それは俺が鍛えてやるよ。ほんとに5日で終わるかぁ?ちっと厳しくねぇか?」
「まぁ、眠らずにずっと鍛錬してたら行けるんじゃない?」
「それで本ちゃんで何か起こるのやだよ?」
「うーん…あ、そうだ。全ての鍛錬が終わった後に1日だけ休息に充てれば十分だと思う。念のために魔法神、付き添ってくれるかな」
「まぁ、断ると上から怒られそうだしね。任せてよ、ずっと回復魔法しといてあげるから」
「よしっ!んじゃあ、こんなもんでいいか?」
「うん、大丈夫」
「また5日後ね」
そう言うと魔法神は去っていった。
まぁ、久しぶりにこっちサイドに戻ってきたよーって事で少し短めです。うん、リハビリ、リハビリ。
では、また来週…かな?
じゃぁね!相笠でしたぁ




