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準備

完結は年内には無理そうですね。にしても、もう投稿始めて半年?かな。最初から付き合って下さった方々には感謝の気持ちでいっぱいですね。

「まず、邪神というのは、私達が生み出してしまったもので、神界にいる全員がもう二度と過ちを犯さないようにするための戒めでもあるんだ」

 1度、ヴェルは間を開けてからまた口を開こうとしたが、その続きは女神様が継いだ。

「邪神、それは1つの心優しい神様が犯した事が発端なの。時の神ゼラミス。彼はとある世界の時の歪みを直していたの。その時にね、原因を探った彼はそれが絶えない種族間の争いだと気付いたの。彼はほんとに優しい神様だった。傷付く人々に心を痛めた彼は時を操ったの。それが彼のした過ち」

「どういうこと?時の神が時を操っちゃ駄目なの?」

 つい気になって口を挟むと女神様は詳しく解説してくれた。

「時の神、時間を操る神様は3柱居たの。それぞれのする事はほとんど変わらない。けど、時を操るというのは莫大な責任が付随するわ。だから、力の行使には他の2柱の同意が必要だったの。にも関わらずゼラミスは同意を得ずにその場で力の行使をしたわ。しかも、過去の改変。神様のそんな大規模な介入は認められていないの。その2つから彼は当時の最高神であった魔法神から闇堕ち、即ち天界の敷居を跨がせないようにしたの。その罰で彼は心底絶望してね…」

 顔色を落ち込ませる女神様。とても辛そうな顔を見て、またヴェルが口を開いた。

「ここからは、私が言うよ。そこで彼は自分で世界を導く事にしたんだ。正確には、人々が争いをしない世界に導く為に、人々の信仰を全て自分に集める事にしたんだ。その対象が今少年がいる世界。魔族を使って人々を魔族の配下に置こうとしている。自分の手が届く範囲に全ての種族を置くことで、争いをなくそうとしているのが彼の考えていること…いや、考えていた事、の方が正しいかな」

 そこでヴェルはまた話を切った。今度は女神様が僕をここに呼んだ理由と共に説明してくれた。

「そう、さっきも言ったように陽向くんが居る世界は危険な状態にあるの。それは、彼の考え…いや目的が変わったからなの。その目的は……世界の破滅、生命の再分配。輪廻転生の輪を崩し、新たに自分で生み出すという事。端的に言うと、彼は世界を壊そうとしているわ。今はそれを実現するだけの力を蓄えている所。そこで陽向くんには早急に魔王を倒して欲しいの。彼が狙っているのは勇者などの個としての力が強い魂。それを喰らう事で彼は大きな力をつけるわ。召喚に耐えた陽向くんのクラスメイトは一般の人よりも力の強い魂を持っているの。だから、すぐに元の世界に戻す必要があるの」

「待って、それじゃあ、クラスメイトが地球でも襲われる可能性があるんじゃない?だって、神様は世界を移動出来るんでしょ?」

 疑問をぶつけると女神様はまた順を追って説明してくれた。

「神様が色んな世界を移動出来るのは神界を介してなの。神界の敷居を跨げない彼は世界を移動することは出来ないわ」

「そう…なら、いつ頃に邪神は襲ってくるの?」

「早くて3週間後。その後はまだ分からない。けど、3週間後のスタンピードの際、それまでには魔王を倒しておいて欲しいの。彼が考えを変えたということは多分それだけ彼は急いでいるんだと思う」

「急いでる?どうして?」

「言っちゃわるいが、少年、君が強すぎるからだ。それに、天界からの使者だと相手は思ってる。けど、別に悪い事じゃない。どのみちこうなるのは予想していたよ」

 言われた事実に頭が真っ白になる。確かに、今回は魔族との会敵がとても早くからあった。さらに、情報の齟齬や度重なる襲撃もあった。それら全てを凌いで来たが、皮肉な事に逆にそれがより邪神の計画を前倒しさせていたのか。もし逃げに徹していたら、何らかの方法で避けていたら、きっとここまでみんなを危険に晒す事は無かっただろう。

「僕のせい…?」

「「「そんな事はない!」」」

 みんなは揃って否定するが、そんな事はないと思う。だって、逆に僕がもっと力をつけていたら、邪神側の勢力を削れていた。そしたら、計画が中止してたかもしれない。

「でも…」

「いい?こうなるのは必然的なの。どうせ誰かが彼の野望を止めなきゃならない」

「そう、それが早いだけの話よ。逆に相手もまだ力不足。だから、私達としては今の方が動きやすいの」

「そうだよ。君は悪くない。ただ、君が引き起こしたからには君にも手伝ってもらうよ」

 女神様、アラクネ、ヴェルの順に励ましてくれる。そして、ヴェルの一言で今やらなきゃいけないの事が分かった。今は少しでも早く対策を講じて、邪神側の攻撃に耐えうるだけの実力、みんなを守りきるだけの力をつける事が優先だ。

「もちろん。やれることならなんでもするよ」

「それは、本当かい?クラスメイトとは今生の別れになるんだよ?もう、二度と会えない。それでも、かい?」

 それは、自分でも常に頭の片隅にあった。魔王を倒したらその時は本当の別れだと、そう分かっていた。けど、それは自分の中でちゃんと上手く消化した。今の別れの為に悔いのない時間を過ごしてきた。だから、僕はもう大丈夫。

「…それでも、僕はやる。みんなを巻き込んだ責任は自分で取る」

「よし、その意気だ。まず、君にはここにあるダンジョンを全て制覇してもらう。その後、武神と魔法神による特訓を受けてもらう。期限は…そうだね…現実世界で2日。ここでいう2ヶ月。やれるかい?」

 2ヶ月。それが僕に残された猶予。ここのダンジョンは地上のダンジョンとは比べ物にならないぐらいに難易度が高い。けど、やれるかどうかじゃなく、やるかやらないかだと思う。

「…やる、しかないよね。やるよ。やってやる」

「よし、ならその前にクラスメイトとの別れを済ませて来てくれ。辛い事を頼んでいるのは重々承知の上だ。すまない」

「いや、大丈夫。元から覚悟していた事だから」

「そう…」

「大丈夫。僕は自由気ままに動くだけ」

 そう言って僕は地上に戻った。みんなとお別れをするために

連載打切り漫画かな?ってね。まぁ、続きますよ。うん、失踪だけは避けたい。もし、投稿が滞ったら相笠のホームを見てください。多分、気分転換に他の小説出してると思います。

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