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急変

予定してた以上に早く1章の終わりが見えてしまった…。ってことで1章が終わり次第色々と調整します。期間は1章が終わってから2週間ぐらいですかね。

 目を開けるととても見覚えのある場所だった。周りを見渡すが、フィアが居ない。どこかへ行ったのだろうか。

「えーと…女神様?ヴェル?」

 呼びかけて見るけど反応はない。代わりに上からなんか降ってきた。と言うよりはとてもでかい影が地面に写った。

「うげ…めちゃくちゃ巨大な蜘蛛じゃん」

 上を見上げると、ソレは蜘蛛の形をしていた。それも2体いる。やがてそれらは地面に着き、そこで僕はそれが蜘蛛でない事が分かった。

「アラクネ…?」

「そう、正解よ。私はアラクネ。この神界の…中間管理職…かしら?んで、こっちが私のダミー。このダミーなら攻撃していいわよ」

「どういうこと?」

「えーと、ね。まず私の役所なんだけど、神界の若い神様や天使が力をつけるための試練の塔の管理者なの。そこにいるのは私や私の部下のダミー。貴方は力が欲しいのでしょう?だから、私のダミーを倒してレベルをあげなさいって言ってるの」

「なるほど。ありがとうございます」

「いえ、これも上からの指示だから。それに私自身あなたの活躍を見てて結構期待してるし」

「は、はぁ…」

「ま、とりあえず。詳しい話はこれを倒してからにしましょう」

 そう言ってアラクネは自分のダミーをバシバシと叩いた。ダミーのアラクネはその力の強さに潰れかけている。

 まぁとりあえず、ダミーに接近するとその脚を全て断ち切る。そのまま核のある部位を破壊する。

「甘いわねぇ…ほら、曲りなりにも私のダミーなのよ?そんなすぐに死ぬ訳ないじゃない」

 そう言われて振り向くと、身体を再生させようとしているダミーが見えた。

 再生能力…いや、見ると、所々甲殻が硬くなってる。めんどいなぁ。そして、破壊したはずの核はもう1つの核が細胞分裂して2つに戻っていた。

「2つあるのか…」

「そう。同時に核を破壊しないとね。あとその核、体中動くわよ?」

 所詮下半身は虫。上半身だって燃えない事はないだろう。

「熱は滾る、烈火の如く」

 パッと見は火炎放射。だけど、これは魔力で出来ている特殊な炎…いや、焔かな。つまり、大抵の物は塵に出来る…はず。これもれっきとした魔法!僕が創ったオリジナル魔法だけど。

「うわぁ…姑息な手段ね。まぁ、よしとしましょう。本体である私には魔法は効かないから覚えておいて」

「それってほぼ負けませんよね?」

「いやいや、それがどこぞの脳筋女神なんてさぁ、この前の格闘選手権で開始早々私の体を拳で粉微塵にしたのよ!?…ってナイショね?これ言ったこと内緒ね?」

 そう言って頭を抱えるアラクネ。念押ししてくるが、僕としては女神様って肉弾戦得意なんだ、ぐらいにしか思わなかった。これからどうするんだろ、と思っていると僕の肩に誰かの手が置かれた。

「いえいえ、そこまで私は脳筋ではありませんよ。それに、あの時はまだあなたの弱点が分からなかったんですよ。仕方なしです。うん、仕方ない」

 片方の手で僕を抱きしめ、もう片方で僕の頭を撫でたまま女神様は言い訳をした。自分を納得させるかのように2度念を押していい、自分で頷いている。

「め、め、め、女神様ぁ!?」

 女神様の登場に上半身をこれでもかってくらい仰け反らせるアラクネ。さっきからリアクションが激しい。そして、すぐに足を折って土下座のような姿勢をとった。

「どうか、どうか見逃して頂けませんでしょうか!もう二度と言いませんので…どうか、どうか!」

「えぇ?…え、えっと?」

 必死なアラクネの謝罪に女神様は心底困惑している様だ。オロオロとしている。対照的にアラクネは冷や汗ダラダラで頭を下げ続けている。

「あらあら、これは女神様、あなた部下を虐めているんですか?」

 今度は空からヴェルが降りてきた。相変わらずの綺麗な白い羽に渋いイケメン面。服装は何故かタキシード。そして、僕の姿を確認すると、いきなりこっちに走ってきた。

「おぉ、なんて懐かしい。久しぶりだね、少年。どうだい久しぶりの異世界は」

 そのまま女神様の抱擁を引っ剥がし僕の両肩を掴み興奮した様子で話しかけてくる。

「えぇ、毎日が楽しいです。でも、最近実力不足を実感したから、レベル上げをしようとしたらここに連れてこられた…ってフィアは?」

「なるほどねぇ。フィア?あぁ。あの子か。あの子は神界には居ないよ。地上にもう戻ってる。あ、そうそう、あと2ヶ月程したら私も現界できるから、その時は私もサポートするよ」

「えっ!?ヴェルが?どういうこと?」

 突然のヴェルの現界宣言に驚き、僕は女神様達の方へ顔を向けた。

「えーとね、天使は神様の下の位なんだよね。で、神様にも下の人間界とかで人間みたいに過ごす現人神とか、ここで過ごす神とか色んな種類があるのよ。陽向くんも一応現人神の類に入るのかな。で、天使から神様に上がるのが数は少ないけど居るには居るんだよね。その1人がヴェルで、ヴェルは陽向くんが大好きだから一緒に居たいんだって」

「まぁ、そういう事だね。少年の事は息子みたいに思ってるし」

 ストレートにそう言って貰えるのは嬉しいけど恥ずかしい。でも、ヴェルがこっちに居てくれるのなら、当面は何とかなると思う。人に任せっぱなしなんて僕自身が許さないからどっちみち鍛錬しなきゃいけないんだけどね。

「まぁ、実際問題として私が現界しなきゃいけないのは私達の予想よりも遥かに世界が危険な状態にあるからなんだ」

「どういうこと?それは邪神側の勢力によるものなの?それとも自然によるものなの?」

「そうだね。これは確定じゃないんだけどね、邪神によるものだと思うよ。けど…そうだね、まずは邪神について話していこうか。少年も知る必要があるはずだ」

 僕が頷いたのを確認すると、ヴェルは説明を始めた。

特になし!次へどうぞ。

あっ、評価ありがとうございました。初めて評価されたので嬉しかったです。

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