それぞれの仲間
副題、サブタイトルが思いつかない。
なんか、サブタイトルに出来る題材じゃないというか、何話かで分かるような…いや、なんでもないです。
「なぁー、やることないんだけどぉ…」
「まぁ、いいじゃんか。そういう日も必要っしょ?」
「んな訳あるか!今までずっと動いていたから動いていないと体が疼くんだよ!」
「近づくな厨二病と変態と脳筋を併発させたクソ彼氏」
「残念ながらそんな奇病を何個も併発しているのはお前の彼氏なんだよなぁ…って誰が脳筋じゃ!」
「いや、別れる?ってか、変態は否定しないのね」
「いや、別れないよ!?」
「あ、そう…安心」
「で?どうかしたの?」
「あぁ、日向があんだけ強いとさ、これからパーティー組む時になんか足でまといになりそう…ってかもうなっているから、その差を少しでも埋めたいなぁって……何か俺にも秀でた1点があればなぁ…」
「霧崎かぁ…確かにね。でも、私たちにできる事なんてほぼないでしょ?まぁ、私と柚ちゃんは鍛冶と治癒と付与と。色々役立てるんだけどね」
「初めて彼女に喧嘩売られた…。ショック」
「悔しかったら何か反論してみなさい」
「くそっ…これが尻に敷かれるって事か…」
裕二がショックを受けていると、扉が開き、東條が入ってきた。
「あれ?江本くんどうしたの?」
「あー、これはほっといていいよ」
「…あ、今日なんだけど、ダンジョンの下見に行かない?」
「レベル上げか!?日向の役に立てる様に頑張ろうぜ!」
「「あ、復活した」」
「ま、まぁ、行こうぜ!」
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魔王軍サイド
「よし、これで今日の訓練を終了とする。よし、これから飲みに行くか!」
「「「「「おぉ!よっしゃー!」」」」」
上官の声に一同が湧く。練習は厳しいが、部隊を抜ける者が出ないのは上と下の絆横の繋がりが大きいのだろう。
「で、伝令!」
「…どうした?」
片付けを終え、どこへ行くか、誰が奢るかを話していると、伝令の兵士が飛んできた。文字通り、自前の羽で空を飛んできた。
「魔神様の陣営からの支援要請です。場所は人里の商業都市のダンジョン、階層は第10層です。只今深淵の指揮者殿が交戦中、かなり苦戦している模様。第1部隊の各小隊に支援要請が出ています」
「分かった…。みんな、聞いたな?帰ったらおれの奢りだ!」
「「「「おお!」」」」
「だが、その前に同胞を助けに行こうではないか!誰1人欠けずにここに戻って来るぞ!」
「「「「「「「おぉ!」」」」」」」
一際大きな掛け声を上げると、それぞれ自身の小隊長の元へ駆け寄り、役割を確認する。
「第1部隊、第1小隊以下5名先行します!」
「第1部隊、第2小隊以下6名準備完了!」
「第1部隊、第3小隊以下6名及び指揮官計7名、後続します!ヘルミウム殿を務めろ!」
「はい!」
「よし、準備はいいか?行くぞ!」
第1部隊の計18名がダンジョンへと飛び立った。
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一方、日向サイド
「なっ!出てこれたのか!ありえない…ありえない…」
「さっさと死ね」
孤月刀を取り出して、できる限り付与魔法を重ねる。
「6重装…覚醒…孤月刀・極限色相開花」
武器には予め重ねられる付与魔法の数が決まっている。聖剣や魔剣、神剣はそれに当てはまらないが、普通の剣はいいもので2つ。伝説や神話クラスで4つ程度。それ以上のものだと5つ6つになり、その上は神剣ぐらいしかない。人の手で造れる剣の限界は6つだ…と思う。ドワーフのおっちゃん達がそう言ってた。ちなみに、今回付けたのは、1つ目に全属性付与、2つ目に不壊、3つ目に攻撃反射、4つ目に斬撃・貫通強化、5つ目に、魔力供給、6つ目に覚醒。6つ目で完全に剣が覚醒しちゃった。色相開花の名の通り、色が鮮やかな赤や青など、鞘から鍔、刃の背まで色がついた。
「行くよ」
『もち!』
覚醒すると剣に人格が現れる。しかも剣の剣の等級も上がるので、多分孤月刀は神剣やそこらの領域に至っている筈だ。
「ハァッ!」
「っ!」
深淵の指揮者の反応が遅れ、俺は勝ちを確信した。
ーキンっ!
「…?うそ…」
しかし、その刃は指揮者に届くことなく、手前で弾かれた。そして、間発入れずに多数の魔法が飛んできた。
「…!」
急いで回避もしくは迎撃をする。
「第1部隊、計18名。只今到着しました!深淵の指揮者殿、ご無事でいらっしゃいましたか?」
「…あぁ。助かった。指揮官、指揮を」
「はっ!これより第1小隊を残して、残りは反転攻撃!第1小隊は各小隊の援護並びに結界魔法の維持だ!かかれ!」
「「「「「01了!」」」」」
「「「「「「02了!」」」」」」
「「「「「「03了!」」」」」」
洗練された動きで、こっちが反撃する隙も見つからない。段々と捌く事が追いつかずに擦り傷が増え、ジリ貧になって行く。多勢に無勢。まさにこの状況の事だな、と思いながら、1度結界魔法を張って体制を整える。
体制を整えて、思案していると、視界を何科が横切り、魔族が悲鳴を上げて吹っ飛んで行った。
「おぉ!効いた効いた!」
「やるじゃん!」
「これで少しは役に立てるかなぁ」
やってきた3人組は一瞬にして張り詰めた空気を破壊し、周りの雰囲気を自分達のペースに巻き込んだ。
「あ、日向だ」
「追いついたのかな?」
「さぁ…なんか苦戦してるっぽいよ」
こっちにゆっくりと歩いてくる3人。魔族が魔法を撃ってくるが、全て東條の結界魔法によって防がれている。
「何してんの?危ないから下がってて」
3人を危険に晒す訳には行かないので、少し語調を強めて言う。
「1人だと大変だろ?手伝うよ」
と裕二。ニカッと笑うと剣を鞘から抜いて、臨戦態勢に入った。続くように武原と東條が支援魔法を唱え、俺らにバフを付ける。
「…そんじゃあ、裕二背中は任せた」
「あいよ」
やっぱり1人だと限界があるんだなぁ、と感じながら、指揮者と対峙する事だけ考える。こっちに来る魔法は裕二や東條が弾いてくれる。
「さて、行くぞ!」
「どうぞ。貴方に神剣がある様に、私にも魔剣があります。この魔剣・グランの錆にしてあげましょう」
そう言って、両手を合わせ、徐々に開いていくと、禍々しい魔力が迸り、長さ1メートル半ぐらいの長剣が出てきた。
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魔剣・グラン
腐食
暗黒魔法(付与)
深壊
邪気
瘴気
説明・可視化した魔力の塊。体に当たると、魔力の濃さから体が壊死する。また、その魔力の強さ故にほとんどの魔法攻撃は対象に届く前に消滅する。
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対する孤月刀は神剣。相手の長所は消せるがこっちの長所も消される。故に長い戦いになりそうだ。
「ハァッ!」
「…フッ!」
互いに己の得意とするものを活かして攻撃する。俺の場合はスピード。指揮者の場合は力。その腕のどこからそんな力が出てくるのか些か不思議だが、そんな事を気にしている暇はない。
「…」
「…っ!」
鍔迫り合いをすれば、魔力と神力に双方ダメージを受ける。
そんな剣戟が続き、お互いの体力が底を尽きかけた時、いきなり戦いに終止符を打たれた。
「撤退!」
「「「「了解!」」」」
煙幕を張り、至る所に罠をばら撒くと、指揮者及び魔族は転移門を開き、魔界へ帰った。
「ようやく終わったぁ…」
「こんなのを毎回やるなんて…霧崎、あんたイカれてるわ…」
「た、確かに…今回だけはフォロー出来ないよ…」
後ろで3人が地べたに這いつくばっていた。
「おつかれ。少しの間そこから動かないでね」
戦いが終わった事で気が抜けそうだが、指揮者が最後に撒いた罠や最初から設置してあった罠を解除しなくてはならない。
辺りを見回すと、複雑な罠しか仕掛けられてない事に気づいた。
「はぁ〜…ふざけんなし…。後片付けめんどいんだよ」
つい悪態をついてしまったが致し方ないだろう。不発弾じゃない時限爆弾の解除をする様なもんだよ?いや、それより質悪いわ。
そんな事を思いながら、僕は一つ一つ丁寧に処理していくのだった。
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「ほぇ〜。あいつって手先器用なんだなぁ」
「今度、裁縫にでも誘おうかな」
「だ、ダメだよ?“私の”なんだから」
「「はいはい」」
最近、びっくりした事。
・非公開にしている小説に誰かがアクセスしてきた事。見てくれるのは有難いんですけど、まだ書いてる途中なので今暫くお待ちを。
・新刊だと思っていた買った本がまさかの持っていた最新刊だった事。いや、私も耄碌したなぁ、って自分自身に対してびっくりしましたね。
という訳で、雑談はここらで。また次回、相笠でした!




