コニー・テンブルク
どうも、相笠です。
24時間テレビ始まりましたね。
と、まぁそれは置いといて。本格的に設定・資料集上げた方がいいかなって思ってます。何かわちゃわちゃしてきたので。
とりあえず、それはまた今度。
「陽向くん…」
1人、東條だけが陽向の去った方向へ歩いていく。
「おい、危ないぞ!」
「やめときなって」
友達に静止されても、尚歩いてくる。
「…私は大丈夫。だって陽向くんだもん。陽向くんが酷いことするはずがない」
「…確かにな。霧崎は俺らに危害を加えていない。それどころか、俺らを助けてくれたじゃないか」
クラスメイトの木島 聡が歩いていく。
「そうそう、私達に命の大切さを説いたのは霧崎くんなんだし」
「…霧崎には色々教わった。今更力を隠していても不思議じゃない」
「…えーと、うん!大丈夫だろ」
木島に続くように木島のパーティーメンバーが歩いていく。
「…私も!」
「…そうだな、アイツがどんなに強くても俺らからしたらクラスメイトの霧崎 陽向に変わりないしな」
「おぅ!行こうぜ!」
「よっしゃ!…ってイテテテ」
「バカヤロ!お前その傷で動こうとするなよ」
「いや、だってさぁ…」
そこで大きな笑い声があがる。つられるように他のクラスメイト達も笑った。さっきとは全く違う優しい雰囲気に、陽向の事を警戒していたクラスメイトも笑顔を浮かべ、陽向の去った方向へ向かった。騎士達は勇者達が仲がいい事を好ましく思っていたため、胸を撫で下ろして、勇者達について行った。
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「さて、ご主人様。これからどうします?」
ある程度皆と離れてから、フェンリルと僕は森の少し開けた場所で休憩していた。
「うーん、少し休んだらまた出発かな。皆は僕と会いたくないだろうし…」
僕がシュンとしてると、フェンリルの犬耳?狼耳?がペタンと倒れているのが分かった。
「わ、私はご主人様の味方ですよ?」
そう言って、ぎこちない動作て抱きしめてきた。
やっぱり優しいな、この娘は。
ースンスン
「…ふぁ、いい匂い…」
ごめん…前言撤回。ただただ自分の欲求に素直な娘でした。
「コラ」
ポカリと頭を叩くと、自分のしていた事に気付き、すぐに僕から離れた。
「お前は犬か!?」
「いや、一応イヌ科ですから…」
え?フェンリルってイヌ科に入るの?
「…って、そうじゃない!」
おどけるように、人型から元の姿に戻ると、とても可愛らしい仕草で「クゥーン」と鳴いてきた。やばい、鼻血出そう。
「ん?…魔物…?どこから…?」
その呟きに反応して、フェンリルは眼を閉じると周りの雰囲気を探った。
『それだけではありません…ご主人様、戦闘準備を…来ます!』
気配察知がそこまで得意ではないので、フェンリルの知覚の良さにはとても助かっている。俺が感知出来るのは、対象を中心に半径1、2km程度。普段は自分を対象にしているが、今回はクラスメイトを対象にしているので、感知することが出来た。
「フェンリル、クラスメイトの様子を逐一報告して。何かあれば君が彼らを助けてくれるか?」
『もちろんです。ですが、相手はかなりの強者の臭いがします。どうかお気を付けて』
「…あぁ」
ついに、俺の知覚の範囲内に来た。
「じゃあ、頼んだぞ」
そう言って、俺は開けた場所へと移動した。
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フェンリルが無事に去っていったのを確認すると、遂に、目の前に男が現れた。まだ、探りの状態だが、一応腰の孤月刀に手を当てておく。
「おや、こんな所に私の邪魔をする虫けらが…ふふふ」
「…」
相手はかなりの強者、フェンリルもそう言っていたので油断出来ない。目の前の男は微笑を浮かべながら近づいてきた。
「貴方、この近くの村の者ですか?」
「…いや、違う」
この近くの村と言ったら、昨日か一昨日に訪れた村か?…だとしたら、こいつが主犯か。
「お前はコニーか?」
確認の為に聞くと、男は口角を上げ、何かを懐かしむ顔をした。
「いやはや、これまた懐かしい名前を…」
「…やはり。何故村に火を放った?」
そう訊ねると、男は確信に至ったのか、大きく頷いた。
「ふふふ、私の魔物達を倒してくれたのは、貴方ですね?」
男の白衣は至る所に血がこびりついており、その手にも血がついていた。
「…あぁ」
そう答えると、さっきまで微笑を浮かべていた男の顔が歪み、激しい憎悪を隠さず表した。
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今でも覚えている。あの日の…あの嵐の日の事を。
それは、俺が8つの時だった。俺は母親を早くに亡くし、親父と2人で生活していた。男手ひとつで俺を養う事は大変だっただろう。親父はかなり腕の立つ冒険者だった。母親とは数年前の防衛戦で出会ったらしい。母親が魔力切れで死にそうな時に親父が助けに入った、という話を酒を飲む度に聞いた。そして、その後は必ず俺に愚痴をする。
ストレスも相当溜まっていたのだろう。その日、親父は酒の勢いで人を殺めた。そして、そのまま魔物を討伐しに行って…そして…そして、疫病に罹って帰ってきた。
当時の俺は肉親が居なくなる事が怖くて、寝ずに神様に祈った。夜明け前だったか…自分の事を邪神と言う男が俺の前に現れた。
そいつは親父の命を救うことが出来ると言ってきた。その話に俺は迷うこと無く飛び付いた。約束通り親父は助かった。だが、その男は俺に代償を求めた。そいつは村の人の命を代償とした。それが分かった俺はすぐに村長の所へ行き、全てを話した。そのおかげで最悪の事態を免れたが、それに気付いた邪神は俺を眷属化し、親父の命を奪って行った。そして、去り際に、全てはこの村の者が悪いのだ、といった。そして、俺は眷属として訓練を受け、村へ復讐しに帰ってきた。村に火を放つ事には成功した。…しかし、俺の自慢の魔物達はどこかへ姿を消した。それも2度も。その原因が目の前に居る…なら、コイツで肩慣らしをしようじゃないか。
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危ないな…洗脳か…?
「…にしても、異常だろ。今日1日忙し過ぎね?ハプニングの連続だぜ!…ってそんな事言ってられるか…」
目の前の男の目は完全に逝ってる。
『ご主人様、魔物達は何者かに使役されているようです。どことなくさっきの魔物と同じ臭いがします』
『分かった。ありがとう。なるべく早く終わらせてそっちに向かう』
『お気を付けて』
さて、黒幕はコイツか…。
これは長引きそうだ。そう思って刀に置いている手に意識を向ける。…大丈夫。いつでも攻撃出来る。
そうして、本日3度目の戦闘の火蓋が切って落とされた。
きりが悪いのですが、長くなると読みづらくなるのでここでやめときます。
次回はこの男との戦いで丸々1話分使います。なので、戦闘描写とか上手く書けたらいいな。
では、また次回、相笠でした!




