嫌な予感 不穏の幕開け
どうも、相笠です。
投稿が遅れてしまい申し訳ありませんでした。
頑張って書いていくので
これからも何卒よろしくお願いします
… 気絶していた所為かまだ朦朧とした意識のまま、狼に跨って草原を走っていると、何やら前方が赤い。
「何か起こっているのかな?」
身体を休めつつ、そう呟くと同時にそれが村の火事であることが分かった。
「ごめん、左の村に進路変更してもらっていい?」
『分かりました!』
今は、狼なので、念話を通じて僕に話しかけているらしい。魔力消費もなく、疲れていても使えるので、道中かなり重宝した。
えと…。体力、魔力共に七割と少しか。大抵の魔物はやれるけど…なんだか嫌な予感がするんだよね。
「あの!何かあったんですか?」
村の近くまで来ると、そこに年配の男性が居たので、狼から降りてそう尋ねた。
「…あぁ、あぁ…孫が…娘が…」
ただ呆然と立ち尽くす男性を見て、嫌な予感はより一層強まった。
しかし、ここで立ち止まっていては埒が明かないので、水属性範囲殲滅魔法を最大まで弱めた、「幾千雨矢を行使して、村の家の火事を止める。村全体の火事がおさまった頃、僕は村に人がいるかを魔法で探知していた。
「右奥の家にたくさんいるな…。それ以外は一番奥の家か?…にしてもなんで奥に固まっているんだろう手前で何か起こったのか…」
調べたところ、反応の3割程が右奥の家に、残りが一番奥の家にあった。そして、どれも出火した家は手前側。対魔物用の防護柵とみられるものは、全て焼かれている。
「火属性の魔法攻撃、もしくは魔物か…。これだけの範囲となるとかなり厄介かもしれない…」
村の家々をまわり、負傷者を手当てすると、村の中心で僕は1人で考察していた。
「…ご主人様。私を忘れてませんか?」
振り返ると、少女の姿になった狼と村人が数人いた。
「あぁ…ごめん」
「ちゃんと覚えておいて下さいよ?あと、お話を聞きたいだろうと思ったので、数人村人を連れてきました」
この村は森からも離れているから、スタンピードとは関係ないと思うんだけどなぁ。
「ありがとう。…では、すみません。お話を聞かせてもらえませんか?」
まだ、襲撃のショックが抜けていないのに、協力してくれる村人に感謝しながら訊ねると、快く承諾し、ゆっくりと話しはじめた。
「…あれは、恐ろしい軍勢でした。」
「夥しい量の魔物がこの村を襲ったんです」
「まだ、日が昇る前だった為、種類は分かりませんが、100を超える魔物がこの村を襲いました」
3人の代表者が身体を震わせ、顔面蒼白になりながら、代わる代わる話してくれた。
「私達は、必死に抵抗しました。でも…」
「…村の男は全員魔物に……うぅ…あなた」
村長と見られるお爺さん、夫を亡くした女性が泣き崩れる。その2人をまだ成人していないぐらいの歳の少女が肩を抱くように抱き締めた。
「お爺、母さん…」
「魔物はどこへ行ったのですか?」
これ以上の話は3人にはきついだろうと思ったので、魔物がどこへ消えたのかを尋ねた。
「私達は家に居たので…」
「私、見たよ…男の人が魔物を消したとこ」
魔物を消した?もう既に倒されているのか?
「あれは、普通の魔物なんかじゃない…男の人の指示を聞いていたもん」
2人の大人が泣いているのに、何故少女が泣かないのか、それを疑問に思っていたが、それは自分のやるべき事をしっかり理解していたからだと分かった。その証拠に、目に涙を溜めて、それでも歯を食いしばって耐えているんだから。
「…召喚獣?」
「「…ッ!」」
そう呟いた瞬間、2人がハッとした表情になり、その後にさらに顔を青くした。
「…う、うそ」
「…コニーか?いや、奴は犯罪奴隷として鉱山行きになったはず…」
どうやら、彼らの知り合いが引き起こしたようだ。
少し3人で話あった後、村人全員を呼び、動ける者は全員来た。そして、また3人を中心に全員で話し合い、採決を取り、話がまとまったのか、僕の方へ向き直った。
「この度は、この村の村人達を助けていただき、ありがとうございました」
やはり村長だったのか、さっきの男性が頭を下げると、村人全員もつられるように頭を下げた。
「いえいえ…それより、先程言っていた魔物使いは大丈夫なんですか?」
「えぇ、大丈夫です。私達で責任を取りますので」
そう言った村長の顔は何故か憂いを帯びているような、そんな顔だった。多分、犯罪を犯した者とはいえ、知り合いである為、処罰を課すのが辛いのだろう。そう結論づけて、僕は村を出た。
「では、皆さんお元気で」
「…はい。貴方の健康と幸福を祈っております。どうか、お元気で」
狼に戻った少女に跨り、村を出ると、村人全員が手を振って見送ってくれた。
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ヒナタが村人を治療していた時、王城では…
「…なんと!ヒナタが?……今すぐに捜索隊を出せ!…最悪、他国に捕まっているかも知れん」
臣下から、ヒナタが4日間姿を現さないこと、王都のどこを探しても見つからないことを王様へ報告した。
…もちろん、それは勇者達にも伝わる訳で…
「陽向がいない?」
「…今なんて言った?」
「陽向が?」
「それって、霧崎陽向?」
「え?マジで?」
「どこに行ったんだ?誰か、知ってる奴いるか?」
広間に集まったクラスメイト達は陽向が居なくなった話を聞いて、困惑した表情を見せ、皆が陽向の事を心配した。
「よし、俺が王様に掛け合ってくるから、皆陽向を探す準備をしてくれ」
勇者の山崎がそう言うと、クラスメイト達はどこに居そうか、どこを探すか、そこにはどんな魔物がいるのか、どんな危険があるのかを考えた。
「よし、解散!5分後に謁見の間の前に集合だ!」
「おーけー」
「分かった」
「なんか、不謹慎ですが、ワクワクしますね」
伏線になってますか?
まぁ、ネタバレはそこそこに、
この山が終われば
ほのぼの系の話を書きたいです
では、また次回、
相笠でした!




