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合宿宣言と高飛車な王女様

おはようございます?

こんばんは?

どうも、相笠です。

投稿が少しばかり遅れました。

ちゃんと不定期更新に近い

定期更新と書いてあるので、

大目に見てください。

…では、どうぞ

 翌朝、開門直後にギルドへ行き、説明をすませ、無事に王城に戻ると、昼頃に広場に集められた。

「あー、急で悪いが、これから1週間、強化合宿をする。場所は隣の国、リヒトのクライアンという商業都市の迷宮だ。迷宮内ではグループごとに動いてもらう。それぞれのグループに1人ずつ兵士を付ける」

 全員が来たのを確認すると、騎士団長のアルベルトはそう言った。伝え忘れていたが、この王都も王国の中の1つの街にすぎない。確か、名前はイアリだった気がする。

「団長、何故急に合宿なんてすることになったのですか?」

 勇者パーティの1人、賢者の職を持つ日野 昭彦がそう尋ねた。

「そうだな、言い忘れていた。これはあくまでも予測に過ぎないが、この王都を魔物の群れが襲撃するらしい。冒険者ギルドによれば、起きるのは最短でも1週間後、最大で2週間後だ。そして、王様の目的は、襲撃…スタンピードの際に冒険者ではなく、勇者として初陣を果たし、国民や他国にその存在を知らしめることだ。全員の戦力の増強の為にこの合宿を企画した。以上だ、質問は?」

 やっぱりスタンピードに備える為か。でも、もう既に他国には勇者の存在はバレているはずだ。他国の間者がそこまで落ちぶれているとは思えない。ある日突然王城に住む人数が増え、その全員が見慣れない服を来たり、武術訓練をしたりと調べれば調べる程怪しいのだから。

「隣国の街まではどのようにして行くのですか?」

 確かに、30人以上も同時に行くと、それこそ戦争を仕掛けに来てるようにしか見えない。

「それなんだよなぁ…なんかいい手がなければ日にちを分けて行くしかないよな」

 そこを考えてなかったのか、アルベルトはしきりに首を捻っている。

 …そう言えば、ギルドに盗賊団の討伐及び、行商人の護衛のクエストがあったはず。

「騎士団長!…ぼ、ぼ、ぼ、冒険者ギルドの掲示板に盗賊団の討伐の依頼がありました。えと、えと、それなら…」

 恥ずかしそうに噛みながらそう発言したのは、図書委員の前田 雪弥。人前に出ることが苦手だが、困ってる人を見るとすぐ助けに行くようなお人好し。その性格、人柄からか、職業は補助術師。皆の為に人一倍努力してるやつだ。

「そうか…そうか!それだな。ありがとう、雪弥殿。よし、今すぐギルドに連絡を入れよう。出発は依頼書に書いてある日時だ。万が一に備えて、出発まではクエストを受けないように。では、解散」

 前田のおかげで、怪しまれずに行くことができそうだ。会議?は、あっという間に終わり、それ以降は各自、自由時間となった。

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 広場から出て、廊下を曲がると、猛スピードで突っ込んでくる人影が視界の端に見えた。

「うわぁ!ちょ、ちょっと、どいて!どいてぇ!」

 それは、少女だった。目の端に涙を溜めた少女はなにかに追われているのか、必死の形相で走ってきた。そして、後ろにはリアさんを始めとしたメイドがこちらも鬼の形相で走ってくるのが見えた。僕と少女の距離が100メートルちょい。メイドと少女の距離が5~10メートル。

「「あ」」

 リアさんと僕の目があった。…まずい。逸らさないと。淑女の鬼の形相なんて見たら後が怖い。

「ヒナタ様!お嬢様をお止め下さい!」

「は、はい!」

 反射的にそう答えると、今度は少女が僕に対して怒鳴り始めた。

「なんで、アンタは私の言うことが聞けないのよぉ!どきなさい!そこを!どけぇ!」

 どうしたらいいんだよ…。とりあえず…「ひょい、と」

「え?ちょ、ちょっとぉ!離しなさい!」

 すぐそばまで来ていた少女の脇を掴んで持ち上げる。少女は逃げようとするが、後ろからの威圧を感じて動きが止まった。

「…ふぅ。ヒナタ様、ありがとうございました。…さて、お嬢様。お勉強が残ってますよ」

 リアさんは顔は笑っているが、目が笑ってない笑顔で少女を連行して行った。残りのメイドも僕にぺこりとお辞儀をすると後を追っていった。

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 1度部屋に戻り、特にすることもないので、図書館で時間を潰すことにした。図書館と言ってるが、これは図書室の間違い、ではない。王城の横に、別棟として図書館が設置されているのだ。

「ふふふ。ようやく来たわね。あの後、リアから物凄く怒れたんだから。その恨み、ここで晴らしてくれるわ!」

 ーガツン。グリグリ、グリグリ

「図書館内では、静かに、しましょうねぇ、お嬢様」

 図書館の受付にいる、司書さんが後ろから少女にゲンコツをくらわせると、そのまま、側頭部を両拳でグリグリしながら説教を始めた。

 いいぞー、そのままやれー。

 …さて、じゃあ、適当になにか調べるか。

 …つらつらつらつら。あった。この王都から続く道にある、巨大な渓谷。ラノバ渓谷について書かれた本。

 僕は、盗賊団の本拠地と言われているラノバ渓谷について調べることにした。前回は行く機会のなかった場所なので、とても興味がある。

 …ふむふむ

 本によると、ラノバ渓谷は魔族の発祥地らしい。そして、驚くべきことに、魔族は一部の人間が特異な進化を遂げた結果らしい。つまり、地球で言う系統樹の分岐みたいなものだ。その例として、オークがより小柄な個体へと進化したゴブリンやエルフの中で、何らかの作用によって肌が黒くなったダークエルフなどがあげられる。

 その事実に、僕は図書館の本という本を読み漁り、的確な情報を手に入れようとした。結果は、この一部の人間が特異な進化を遂げた、という説が限りなく正しいことが分かった。しかし、何故彼ら、すなわち魔族の元となった人は魔族へと進化したのだろうか。それだけは、どの本にも乗っていなかった。

 図書館を出ると、もう日が暮れ、とうに夕食が終わってる時間。…なんかメイドさんが呼びに来てた記憶が…。はぁ、っと溜め息をついて凝った肩を解したり、首を回していると少女が壁に寄りかかっている事に気がついた。

「…遅い。何時間待たせる気だ」

 一瞬嬉しそうな顔をしたのは僕の勘違いだろうか。…ヤバいな。ストレスか知らんけど妄想に走るとか異常だわ。前回は正気じゃなくなる事なんてなかったのに。

「王城に住んでるのか?王城じゃないなら送っていくが」

 非難の声はスルーの方向で。

「アンタは私の事が誰か分かってないの?私はね、この国の王女よ!三女で末っ子だから影が薄いけど、これでも王女なの!アンタを牢獄に入れる事ぐらい容易いんだからね!」

 エラく高飛車な子だな。あ、リアさんだ。こちらもエラく怒ってるな。

「…またヒナタ様を困らせて…。すみませんヒナタ様」

 疲労の色を物濃く現れた顔で申し訳なさそうに頭を下げるリアさん。

「ちょっと、リア!なんでこんな男に謝るのよ。コイツは私の事を王女とも知らない上に私の命令に逆らったのよ!」

 この物言いに、またリアさんが溜め息をつく。

「いいですか、お嬢様。この方は此度の勇者召喚で召喚された勇者様一行の1人で、周りの信頼も厚く、自身の腕が勇者様一行の中で上位であるのにもかかわらず人一倍努力をしてるお方なのです。更に、最近は剣に加え、魔法と弓を始めたとのこと。今の自分に胡座をかかずに、上を目指すお方、つまりヒナタ様こそお嬢様が見倣うべきお方なのです」

「いやいや、リアさん。僕はそこまで出来た人じゃないから」

 驚いた。リアさんがお嬢様?を説得する為とはいえ僕の事を正確に把握しているとは。

「…ふん!そんなの知らないわ!リア、行くわよ!」

 ありゃ。お嬢様、完全に拗ねてるよ。目に涙溜めて、こっち睨みながらそんな事言ってくるんだもん。ってか、リアさん地味に口角上がってるし。意外とSなの?ってか、この王女様に対する扱い、雑すぎないか?

 そんな感じで、今日は突然の合宿宣言から始まり、魔族の起源まで分かった。まぁ、たったの1日でこの成果は誇っていいだろう。そんな事を考えて眠りに落ちていく。最後に記憶にあるのは、人の背中に足を乗せて高笑いをするリアさんの姿だった。

最後の方は、ノリです。

すみません。

さて、次回は来週なんですが、

多分日曜日だと思います。

それも午後です。

では、また次回、

相笠でした!


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