時を経て 久しぶりのギルド
どうも、相笠です。
昼寝をしていたら投稿が遅れました。
梅雨ですね。
こうも雨ばかりだと、
テンションが下がりますね
まぁ、それは置いといて
今回の分、どうぞ
序列3位との戦いが終わり、王城に戻ると、そこには、何も無かったかのように夕食をとるクラスメイト達の姿があった。
戦闘はあっさり終わったかのように見えるが、剣での斬り合いに加え、魔法の撃ち合いもあり、王城に帰ったのは夕暮れ時だった。
「おぅ、陽向…と東條さん?おかえり、どこいってたんだ?」
クラスメイト達を見つける為に王城を歩き回って、食堂へ足を踏み入れると、裕治が僕らに気付き、声をかけてきた。
「悪い、王城を歩き回ってたら迷っちゃって、東條に助けてもらった」
「あれ?陽向って方向音痴だったか?…まぁ、とりあえず飯食おうぜ」
「ところで、武術訓練はどうなったんだ?」
「ん?俺がダウンして、そこで終了。明日は150回振らせるとか言われて終了。その後から陽向がどっか行ったんだよな」
なるほど。つまり、あの魔族が襲撃しようとしていたことは無かった事になっているんだな。だとしたら、アイツは何らかの特殊能力があるのか?例えば、時を自由に操作する能力とかそういった系統の。
そんな事を考えながら夕食は終わり、3日目は終わった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
魔族の襲撃もどきから一ヶ月が経った。今ではクラスメイトはそこそこ戦えるようになり、それぞれ同じ得物を扱う者同士で班をつくり、互いを高めあっている。
なかでも驚いたのは、魔法班だ。魔法班の中でもいくつかに分かれている。魔法の速度や消費魔力を変えて実験する組、既存の魔法からより効率のよい魔法を編み出す組、人数を変えて魔法の規模の大きさや負担する魔力を変える組、新しい魔法の開発に着手する組。そして、それぞれの成果を1週間ごとに報告して、クラスメイト達の力を底上げすることに役立っている。
例えば、遠距離間での通話を可能にする魔法であったり、地球に存在していた技術を魔法にしたりと、かなりの数の魔法の開発に成功している。
「よし、お前らはなんか知らんが成長が早いから、3人から5人で1組になってみろ。前衛と後衛のバランスが良ければそのまま冒険者登録をしに行く。」
1ヶ月と少し経ったある日、騎士団長のアルベルトはそう言った。突然の事にみんなは驚きつつも、元から出来ていたグループに分かれる。魔法の開発組がクラスメイトに開発した魔法を教える際に効率を上げる為に作ったグループである。従って、互いの性格は把握出来てるし、前衛と後衛のバランスもとれている。
「なぁ、グループっていつものでいいんだよな」
「あ、陽向くん達いたよー」
「どもども」
駆け寄ってくるのは、裕治と東條と裕治の彼女の武原。
確か、武原の職業は鍛冶師だったような。彼女の作った装備を身につけていれば、ステータスが上がり、彼女自身のステータスもかなり上がる。そんなスキルを持っていたはずだ。
結局、全てのグループが合格をもらい、僕らはギルドにきていた。正確には、今じゃ冒険者ギルドと言うらしい。他にも商業ギルドなどが出来たため、その区別の為に冒険者ギルドになったとか。
ーチリンチリン
扉を開けると、聞き慣れた音が聞こえてきた。
「わぁ…」
「なんかじぃちゃんの家の匂いがする…」
「…うわ、ゴツい…」
「あの受付嬢、めっちゃ可愛い…」
クラスメイトの反応のそれは完全にお上りさんのそれであった。
「じゃあ、まず…江本。お前らのグループからだ。」
一応、リーダーは裕治が務めている。裕治は僕を推してきたけど、僕はそういうキャラじゃないので断った。
受付嬢から紙が手渡される…と思ったら裕治が受付嬢を見て硬直していた。
「…?裕治?」
「…裕治くん…?」
武原がガンッと音が鳴りそうな程強く裕治の足を踏んだ。
「…グッ!痛っ!美琴何すんだよ」
「彼女の目の前で受付嬢に見惚れておいて何言ってんの?ホントにムカつく」
そこで自分の失態に気付いたのか、裕治は急いで紙を受け取ると武原の機嫌取りに勤しんだ。…にしても、裕治は見惚れていたんじゃなくて、その上、受付嬢の猫耳を見ていたんだろう。正直、猫耳なんて2次元での話だったし、見てしまうのも仕方ないだろう。
…痛っ!?
脇腹に痛みが走ったので、そこ見ると、東條がブスッとした表情でこっちを見ていた。
「…どした?」
「…何でもない」
…訳分からん。
まぁ、とりあえず僕らは冒険者登録を無事に終了させた…訳もなく。
「おいおい、こらぁ、上玉だなぁ」
「へっへっ、お嬢ちゃん方、そんな軟弱そうな男達のところじゃなくてこっちに来いよ」
ガラの悪い、酔っ払いに捕まった。武原と東條は困り顔だが、裕治は何故か顔を輝かせて、「テンプレ…きたきた…」意味のわからない言葉を連呼していた。…いや、彼女助けろよ。
「ちょっ、何なの?止めて!」
「私に触っていいのは陽向くんだけなんです!どっか行ってください!」
本当に困ってるみたいだし、助けに行くか。
「それ、俺の連れ。どっか行ってくれん?」
なるべく短く。低い声で。そう心掛けて言う。
「はっ!おいおい、そんな脅しが効くとでも思ったのか?甘ちゃんは家に帰りな!俺らはな、売られた喧嘩は買うぞ?たとえお前らみたいな坊主でもな」
ありゃ、逆に脅されちゃった。まぁ、ステータス的に負けることなんてないし。
「買わなくていいから、その汚らわしい手を離して?ここら辺じゃゴブリンの討伐は推奨されてるみたいだけど?」
僕の挑発、つまり、ゴブリンだと言われた事に気付いたのか、大男は元々、酔いで赤かった顔をさらに赤らめた。ちなみに、この世界のゴブリンは赤い肌に醜い顔をしているが、人を苗床にすることは無く、害があるとすれば、農作物や家畜を殺すことだけだろう。そのため、税を農作物にしているところでは、ゴブリンの討伐が推奨されている。そして、この国もその1つだ。
「…おい坊主。死にてぇか?死にてぇんだな?」
「すみません。ゴブリンの言語は理解致しかねますので」
なるべく丁寧に、煽りながら。微笑を浮かべて。
「…うわ、アイツは鬼だ」
「陽向くん…格好いい…」
「なんか私達既に解放されてるんだけど…」
上から順に、裕治、東條、武原だ。ってか、東條と武原は解放されたんだ。でも、テンプレ?は回収しないと、裕治に怒られそうだ。
考え事をしてると拳が飛んできた。いや、拳がゆっくりと動いてきた。
僕がそれを片手で受け止めると周りからは驚きの声が上がる。もちろん止められた張本人も驚いたのか、酔いのさめた顔で目を見開いていた。多分、僕の力量がなんとなく分かったんだろう。
「目が覚めたかな?お帰りはあちらですよ?」
そう言って扉を指さすが、大男も引くに引けないのか、半分自棄になってもう一度突っ込んできた。動きが単調なので、紙一重に見せかけて、拳を避け、身体を男の懐へ潜り込ませると、男にしか聞こえない程度の声で、ある提案をした。すると、場をおさめるにはそれが一番だと分かったのか、その提案に乗ってきた。
飛んできた拳を避けて、軽くはたくと、
「さすが坊主だな。前より強くなってる」
「おじさん、僕の成長度合いを知りたいからって、変態のフリをしなくても…」
さっきまで喧嘩をしていた2人が知り合いだと分かったのか、ギルドの職員や冒険者達は自分達の仕事に戻った。ちなみに、絡んできたもう1人は酔いつぶれて寝ている。
結局、騎士団長には「殴り返してもよかったのに」と言われ、裕治には「テンプレ回収おつ」と笑顔で言われた。
そんな感じで僕ら以降の冒険者登録は滞りなく終わり、僕らの冒険者登録が完了した。1つ追記するなら、酔っ払いの冒険者とは一緒にクエストをやる仲になった。彼らは酒癖が悪いだけで、普段はとても良い人達だった。
正直、これは昨日投稿するはずだったんですよね
もし、待っていた方がいらっしゃったら、
申し訳ないです。
次回は来週ですね
では、また次回
相笠でした!




