表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生救世主編!
94/713

増殖する歪禅!総本山の底力!?


坂上田村麻呂が歪禅を倒したかに思えた。


だが、悪夢は続く・・・


歪禅と坂上田村磨呂との一騎討ち。勝敗はギリギリの中で坂上田村磨呂が勝ち得た…はずだった。


しかし倒したはずの歪禅が坂上田村磨呂の前に再び現れただけでなく、何人も姿を現したのだ。また、本陣である座主率いる総本山の戦士陣達の前にも数十人の歪禅が行く手を阻んでいた。


「歪禅。久しいな?」


「座主。否?蛇塚よ!お前が座主に成り代わっていたとはな。総本山を乗っ取ったつもりか?」


「お前こそ総本山を裏切り魔物へと成り下がるとはな。お前には総本山の守護者として三千院殿の跡を任せたかったのだぞ?」


「今更!私は今の弱体化した総本山に未練はない。私は新たな王を立て、新たな総本山を造り上げてみせよう!」


「馬鹿げた事を!そんな真似は俺がさせん!」


同時に歪禅達が座主に向かって襲い掛かって来た。守ろうとする百輝夜行の戦士達の隙間を駆け抜け座主に迫る。


「座主様ぁー!」


「心配無用」


仲間達の心配も座主の前では無用であった。迫る歪禅の『歪手』を紙一重で躱した後、一度に三人の歪禅達を合気で倒した。


「クゥウ?」


歪禅達は驚きを隠せないでいた。何故なら現座主である蛇塚の事は昔より知っていた。自分が三千院の側近だった時に既に守護者として務めを果たして躱したはいたが守護者の中では未熟。他の先代の三人に守護者とは格の違いの差があった。なのに今目の前にいるのは…


「俺もまた総本山を統べる者として、唯一守護者として生き残った責任がある。いつまでも昔の俺と思うな?」


その威厳と存在感は紛れもなく自分が知る三千院に近しいものがあった。


「そんな馬鹿な!蛇塚ごときが!」


再び二人の歪禅が座主に向かい襲い掛かろうとするが、


「座主様に手を出す者は誰であろうと許さん!」


二体の歪禅は一瞬で斬られて消滅し、残った歪禅が叫ぶ!


「お前は安倍晴明!」


「歪禅。私と同じく守護者の側近だったお前が地に落ちたな?」


「お前らが今の総本山を弱体化させた元凶!皆殺しにしてやる。そして全てをやり直すのだぁー!」


すると歪禅の身体から真っ赤な障気が立ち込めては蚩尤鬼人の力が表れる。


「ふふふ。遊びはこれまでだ!この神をも殺す究極の力をもって身の程知らずども根刮ぎ根絶やしにしてやるぞ!」


蚩尤鬼人と化した数十人の歪禅を前に、安倍晴明が仲間達に指示をする。


「専属部隊は前へ!他の者達は援護だ!」


直ぐに陣形を取る総本山の戦士達。蚩尤鬼人には神の力は通じない。しかし先鋭部隊の百輝夜行の中には蚩尤鬼人に対抗出来る戦士達がいた。


「座主様、後は私達が!」

「お任せください」


二人の若い男女は源義経と武蔵坊弁慶の転生者である九郎と恵。二人は百魂刀と呼ばれる特殊な力を持つ剣士で、その刀には神を殺す蚩尤鬼人と同種の力を持った剣も手にしていた。


そして、


「お待たせしました!座主様!」


遅れて校舎より現れたのは真坂正義と呼ばれる高校生。彼は右手の甲に埋め込まれている赤い水晶に気合いを籠めると全身が突如発火して姿が代わる。


「ここから先は私が戦うぞ!我が名はアータル!」


「アータル。法子は?」


「坂上田村磨呂が先に向かったはず。あの校舎内は別の血塊[結界]で入れずに私は弾き出され法子とはぐれたが、アイツがいるなら心配いらん。無事のはずだ」


「そうか」


急ぐ気持ちはあり、直ぐにでも坂上田村磨呂の救援に向かい法子を助け出したかったが、今は信じるしかなかった。そしてアータルは手にしたジャスティス・ソードで歪禅を斬りつける。その状況を座主と安倍晴明が見極めていた。


「あの歪禅?複製のようだな?一体一体の力量に差があるようだ」


「座主様。しかし数が多すぎる上に、あの中には数体本体と同等の力を持った者もいるみたいです」


ニヤニヤ笑う増えていく歪禅に座主達は苦戦していた。そして校舎の屋上にいる法子を庇い戦う坂上田村磨呂もまた苦戦していた蚩尤のだ。


「はぁ…はぁ…」


既に力が残っていない坂上田村磨呂はサヤハの剣を杖にして意識のない法子を庇いながら戦っていた。


「お前はよく戦った。お前が倒した私は中でも特別優秀な駒であったのだ。誇っても良いぞ?」


「てめぇ…人の事を偽物だとかほざいていたくせに、お前が偽物だったのかよ?」


「異なことを言う。この私も、そこに倒れている私も、更にこれからまだまだ増殖していく私も全て私に間違いない。試しに人間達を実験的に蚩尤鬼人にしてみたが全て役立たず。ならば私自身が自ら事をなせば良い。私が数千数万の軍となれば良いのだ!」


すると奥から新たな歪禅達が何体も現れたのだ。


「くそったれ!」



再び場所は座主達が戦っている外。アータル神は倒しても倒しても現れる歪禅に消耗していた。


「何体いるんだ?マジに!キリがないぞ!」


「何処かで産み出されているのか?だったら場所は校舎内に間違いない」


座主は校舎内に意識を飛ばすが厚い血塊[結解]で閉ざされてしまった。


「やはり中に潜入するしかないな」


だが、増えていく歪禅を相手にこのままでは総本山の仲間達も直に消耗してしまう。早いうちに手を打たねばならなかった。


そこに!


「座主様!遅れました!今より俺達も参入します!」


束になった歪禅達に向かって三人の男子が刀を手に斬りかかり倒す。更に後方から、


「男子達だけじゃ心配だから私達も参加するわよ?」


新たに三人の女子が参戦したのだ。


「あの者達は!」


安倍晴明に一人の娘が近寄り状況を説明する。


現れたのは神とカミシニの血の力を持った総本山の精鋭であった。


新谷 玲羅、白石 雪、鈴木 美和、桃井剣太郎、金丸 剛、一瀬 明希に赤羽 宮


「宮君。法子君は?」


彼女達も校舎内には入れずに現れた蚩尤鬼人達を倒していたのだが、歪禅が何体も出現したたために本体へと合流して来たのだと言う。


「座主様、晴明様。我等が六名!本陣にて力を奮いましょう!」


彼の名は浦島竜二


本人曰く、浦島太郎の転生者と名乗る若者であった。

安倍晴明は座主を庇うように前に出ると他の六人に向かって命ずる。


「君達が蚩尤鬼人を討伐出来る総本山の戦力だ!」


そして安倍晴明もまた掌に剣を出現させる。


『鬼神返神の剣』


「神も魔も、お前達しゆう鬼人をも滅する退魔滅殺の剣!歪禅よ!お前の野望は私が食い止めてやろう!」


安倍晴明を筆頭に六人の戦士が己の手に傷を付け血を流すと、真っ赤な血は各々の武器と化す。


「皆が先陣を切ってくれたから力を温存出来たよ。今から俺が暴れてやる!」


すると竜二は手にした大型の大剣を振るいながら襲い掛かる歪禅を斬り伏せる。

蚩尤

「うぉおおお!」


竜二の覇気が高まると彼の振るう斬撃が竜の形となって歪禅達を飲み込んでいく。彼は竜神族の里にて修行を積む事を許され、四聖獣の戦士達と共に過酷な修練を受け腕を磨いていた。


「!!」


一体の歪禅が掌を向け能力で大剣の軌道を変えると、バランスを崩した竜二の顔面に伸ばした爪が向かって来る。が、その爪は離れた場所から撃たれた弾丸で粉砕した。


「油断大敵ですよ?」


「助かった。宮!だが、もう油断はしない!」


それはライフル銃を構えた宮だった。彼女はライフル銃に自らの血を弾丸にして攻撃出来る赤ずきんちゃんの転生者…自称。その彼女には真っ赤な大型の狼が守っていた。


「私達も姉様に負けてられないわよ?」


「私もそう思う」


「血が騒ぐわ!」


シンデレラと白雪姫、美女と野獣の転生者…自称


新谷 玲羅は自らの血で構成したガラスの靴を武器に足技で攻撃をし、白石 雪は自らの血で造り上げた七人の小人達に指示をしながら戦い、鈴木 美和は自ら造り出した獣人と共に戦っている。


「女子連中に負けるなよ?俺達がヒーローだ!」


「任せろ!勝って兜のオシメを漏らす!」


「意味不明だよ?」


三人は順に桃太郎、金太郎、一寸法師の転生者…自称。桃井剣太郎、金丸 剛、一瀬 明希、彼らは自らの血を流した刀を手に戦っていた。


そして安倍晴明は数いる歪禅の中から力の強い者を選び相手をしていた。


「己ぇ!安倍晴明!」


「歪禅。お前の野望はもう潰える。諦めよ!」


安倍晴明の背後に九つの尾が出現すると、一尾一尾が剣となって歪禅達を貫き消滅させる。


更に蚩尤鬼人には直接通用しなくとも百輝夜行の仲間が援護攻撃で戦局を有利にしていた。


「生意気な古き総本山の残党が小賢しい!だが、これで終わりだぁ!」


数人の歪禅が両手を差し出すと空間が歪ませていく。戦っている自分自身事総本山の戦士を巻き添えにして、戦場一帯を一度に消滅させようとしていたのだ。大地が震え全員の身動きが止まった!


「滅びよ!」


力を発動させようとした直後、二匹の紅色の蛇が鞭のように打たれ歪禅達の手首が次々と蒸発していく。


「一体、何が!?」


紅色の蛇を操る者は叫ぶ。


「俺を忘れるなよ?親父達はやらせねぇ!」


蛇塚勇斗!


彼は軍茶利明王の転生者であり、その力はカミシニの血と反発する別種の血の力を持っていた。


「歪禅よ?これがお前が捨てた今の総本山の力だ!」


座主の言葉に歪禅は怯みつつも、まだ策があるかのように笑む。


「お前達の負けだよ?今より我等が王が甦るのだ!」


「何だと!?」


歪禅の言う王とは?


かつて総本山を滅ぼした神の力が通じない魔物達をごまんと引き連れ、かつての守護者だけでなく総本山の要である座主と総本山の巫女であった卑弥呼を手にかけた不死の魔王。その魔王が甦ると言うのか?


現座主であり、かつての守護者であった蛇塚軍斗はその魔王を肌身を持って知っていた。手も足も出なく仲間の守護者達が敗れた市場最悪の魔王の復活に本能が恐怖に震えた。


だが、その魔王の魂は卑弥呼が自らの命を使い時を止める水晶の中に自分自身の魂と一緒に封印したのだ。それが歪禅によって総本山の封印の間より奪われ今、この学園の地下の祭壇に置かれていた。



場所は代わり、屋上では?


そこには…


息絶えた坂上田村磨呂と鈴鹿御前、法子の友人である葉子が力なく倒れていた。


そして、


地下に向かって意識のない法子を肩に担いだ歪禅が移動していたのだ。



「全ては王の目覚めと共に世界は変わる!」

次回予告


法子達に何が起きたかと言うのか?


次話!久しぶりに法子が登場!


あれ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ