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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生救世主編!
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女子高生は夢の中でも勉強してるのよ!


聖徳王となった蘇我入鹿に法子も太子も逃げるしかないのか?


何か策はあるのか?


絶対絶命の危機の法子はどうなる?


私は法子!


私が自分の出した瞬間接着剤で身動き取れなくなった時、私を助けてくれたのは安静中の本物の太子君だった。しかも?


「うわぁ~」


私は感激していた。


私が今乗っているのは翼の生えた白馬だったからなの!


「もしかして本当にペガサス?」


「まぁね?夢だけどね」


太子君はウインクするとペガサスを飛行させながら上空を飛び回る。


「止まったら奴の夢に飲まれてしまう。こうやって夢をかき混ぜて主導権を奪われないようにするんだ!」


「そうなの?」


強い思いや念は空間に留まる。それは夢世界にとって力の作用に働き、濃くなれば濃くなるほど力は強くリアルを増すの。


だから空間に漂う念を乱す事が主導権を奪われない手法なんだって?


「でも、夢世界での力は奴のが上だ!何とか奇策をもって戦わなければダメなんだよ?」


「あんまり頭を使うのは得意じゃないんだけどな…」


「いや、法子さんはさっきみたいに奴を挑発してくれれば良いと思うよ?」


「挑発?」


私は意味が解らなかったけど、取り敢えず頷く。


これは私が名前を漢字で書けなく、逆切れした事を言ってるとは思わなかった。


「とにかく奴が考えるより先にイメージを散らばすんだ!こんな風にさ!」


太子君は腕を広げると数えきれない程の鳩が太子君の学ランから飛び出した。そして口から豆鉄砲を聖徳王に射ち出す!それはマシンガンの如く聖徳王に迫るけど、聖徳王は慌てる事なく足下から湖が出現し、そこから跳び跳ねる無数鯉達が豆鉄砲に飛び付き食べていく?


鳩と鯉?


ハートに恋?


ちょっと良いかもなどと考えている私は部外者になりつつあったの。


「遊んでらんないわね?私だってやるんだから!」


私は術札を取り出すと、印を結び叫んだの!


「火炎札!」


私を中心に炎が渦を巻きながら周り一帯を焼き焦がしていく。


「………」


そして残されたのは?


…焼き魚とフライドチキンでした。


「グロいな…」


「生々しい…」


これには太子君も、聖徳王までひいていた。


無理もないよね?自分達が出した恋と鳩が一瞬にして…


美味しそうな匂いを充満させているのだからね。



「法子さんは…お腹が空いていたのかな?」


「食い意地の悪い娘だ…」


ちょっとちょっと?何で何で敵同士で私をそういう目で見てるのよ?しかも同じ顔二人に軽蔑の眼差しで見られると何かムカついてくるわよ!


「とりあえず、どんどん行くわよ!」


私は術札を地面に突き刺し埋めると、そこから大木が出現し、その蔓が伸びていき聖徳王の身体をがんじがらめに拘束する。


「無駄な事を!」


聖徳王が指を鳴らすと、蔓が枯れていき、ボロボロと粉になって消えた。


「やるわね?だったら!これならどうよ?」


私は術札を上空に向けると、術札から何十本もの剣が現れて聖徳王に向かって落下させた。しかし剣は全て聖徳王に触れる前に軌道を変えて地面に突き刺さる。


「何をしても無駄だ!この夢の世界で私には何をやっても無駄だと知れ!」


「何をやってもって?このエッチ!最低!」


「えっ?いや、そういう意味ではないぞ?断じて!見損なうな?娘?」



と、油断した所に?


「確かに私達の具現化したモノは全てお主の前には無効だろう。しかし、これはそうはいくまい?」


いつの間にか接近していた太子君が、手にした剣を聖徳王に突き出したの!


「!!」


太子君は私が具現化させた剣に合わせ、自らの姿を剣に変化させ聖徳王に接近してたの。


聖徳王に突き刺さった剣は胸を貫き、血が噴き出した!


流石の聖徳王も油断と、まさかの攻撃によろめきたじろぐ。


「お、おのれぇ…貴様!」


しかしどうして太子君の剣は聖徳王に刺さったのか?


聖徳王なら突き刺さる直前に、その剣を消し去る事が出来たはずじゃないの?いや、実際は寸前で消したつもりだったのよ!


でも、消えなかったの…


理由は私の瞬間接着剤と同じなのよ?


私も知らなかったのだけど、夢の世界の法則らしいの。


他人の具現化したモノは消せる。しかしそれには優先順位はある。宿主より獏。獏より夢術師、夢術師より獏の女王を手にした聖徳王。つまり聖徳王の前に私達の具現化したモノは全て無効なのは解ったわ?


そして、二つ目の法則があって、夢の中で自分自身が具現化したモノは、それ以上のイメージ力でないと消せないって事なのよ。


だから私が最初にイメージした瞬間接着剤は、私自身が出したモノだけど、それ以上のイメージを持って消さないといけないわけ!


で、答え合わせね?


聖徳王に突き刺さった剣は私達が具現化した剣ではなくて、先に聖徳王が具現化させた剣だったのよ!


それをバレないように私の出した剣に混ぜた事で、聖徳王は私の具現化した剣は消せたのに、自身が出した剣はそれ以上のイメージを使わねば消せなかったわけなの!


まさに知略の勝利よ?


…今回は太子君の考えた策だけど、私が最初から知っていたら先に思い付いていたに違いないわ?


絶対!


だから、これは私達の勝利なの?解った?



私はペガサスに乗って太子の傍に降りて来ると、私は出血して倒れている聖徳王を見下ろす。


「案外呆気なかったわね?」


すると太子君は私に答える。


「それも君のお陰だよ?これで念願だった聖徳太子の魂を血祭りに出来たのだからな?娘よ!」


えっ?


その時、世界が硝子が割れたように砕け散り、私の見ていた世界が変わる?


私の下で倒れていたのは学ランを着た太子君で?私の目の前にいるのが?


「まさか!?」


「その、まさかだ!」


それは悪夢だった。


突き出された剣が消えないと、確かに隙を突いたつもりが…寸前で立ち位置を入れ換えさせたの!しかも私の見ていた二人の姿を入れ換えて見させ、


「あっ?」


私は油断から身動きを完全に奪われてしまった。


「身体が動かない?」


私の身体はピアノ線が絡み付き、動けば肌に血が滲み始める。それでも私は霊気を高め強引にピアノ線を引きちぎろうとした時、


「止めな…法子さん?そんな事をしたらリアル世界の君の身体が傷物になってしまうよ?…私は大丈夫です。大丈夫だから!それ以上柔肌に傷を残さないで…」



太子君は生きて、立ち上がって来たの…


それは私を心配して無理しているように思えた。


「た…太子君?」


太子君は立ち上がると、私に向かってウインクする?そして聖徳王に向かって指をさすと、


「チェックメイトさ!」



それはどういう意味?


そんな状態で強がり?馬鹿なの?出血多量で頭に血が上っていないから馬鹿に?


だけど聖徳王もまた自分自身の身体の異変に気付いたの?


「身体が、動かない?」


足下を見ると、結界が張られていたの?それは前に見た太子君の?


「完囲十二戒!」


全てが布石?


聖徳王の剣を使った逆転の一手は、この必殺奥義を行うための陽動だったの。


そして自らが刺される所まで覚悟し、前以て自分自身に向けて術を張っていた結界・完囲十二戒に聖徳王を入れさせたのよ?しかも聖徳王が寸前で自分の居場所を交換すると先読みしていたの。


「凄いわ…しかも私にまで秘密にして、ちょっと悔しいわ!」


「あ…だって、先に言ったら止めるでしょ?」


「当たり前じゃないの!」


その出血量はリアル世界でも危険だもの…止めないといけないけど、多分、私は止められなかったと思う。

今も尚、ちゃらけたような頼り無い喋り方はしているけど、太子君の目は本気だったから…


命懸けの男の子の目!


すると戦いに変化が?



「ウググッ…」


周りに強力な結界に閉じ込められた聖徳王は脱出しようとしても出来ないでいたのよ。


「足掻くのは止しな?その完囲十二戒はお前を捕らえるために編み出したような術さ!他者の夢の中でも私の夢空間を捩じ込み拘束する奥義、絶対に逃げられはせん!」


更に、太子君は構える。


「用心深く、これで終わりにさせて貰う!」


太子君の指先が光輝き錠の形になる。あれも見た事があった!確か相手の力を無効化させる二つ目の技だったよね?



「拳法十七錠!」


太子君の突きが拘束されて身動き取れない聖徳王の身体に一発、二発と繰り出される。あの錠は完全に相手を拘束する奥義!それが十…十五発と突かれた時…


「うぬぅ…グハァ!この!お前はいつもいつも強力な支配者である我が蘇我一族を邪魔しひっくり返す政敵…憎いぞ!憎い!」


「憎んでいるのは私だ!貴様らの野望に私の妻を巻き込み、私の一族を根絶やしにした張本人…聖徳王、否!蘇我入鹿ぁあああ!」



それは太子君の前世の記憶が呼び覚ました怒りと悲しみだった。その因縁に決着を付けるために、今!最後の突きを放つ!


だが、その時?


聖徳王が笑みを見せたの?


まさか??


太子君が放った最後の一発が、寸前で止まったの?


「そんな…馬鹿な?」



太子君の止めた先に聖徳王とは別の人影が?


「まさか私を惑わせたつもりか?所詮は幻!このまま突いて、終わらせて…」


だけど、その指は震えていたの。その先に現れたのは美しい女性でした。けど、私にも見覚えがあった…


太子君の前世で見た記憶の中で、現れた太子君…聖徳太子さんの奥さん!?


「貴方…」


「膳大郎女」


太子君は震えて涙を流していたの。そして攻撃の手を止めた時、奥さんの身体が太子君の目の前で膨らみながら拘束されていた聖徳王をも飲み込み、巨大化していったの!


そして太子君は茫然と固まっていたの。


「危ないー!!」


私はペガサスに乗ると、動かない太子君の腕を引っ張り空中へと逃れる。


巨大化した奥さんの姿は化け物…大獏へとなったの。


「何?やはり奥さんの姿を使って太子君の油断を誘って逃げたのね?」


「違うよ…」


「えっ?どういう事?」


太子君は涙で顔を濡らしながら言ったの。


「大獏こそ私の妻だった者の正体なんだ…」


「えっ?」


それは悲しくも今まで語られなかった聖徳太子伝説の裏話でした。



私はその話を聞いて、ただ言葉が出なかった…



だから、話の続きは次の話で良いよね?


そんなこんな。


次回予告


聖徳太子の伝説の死の真相が明かされる?


これはテストに出るかな?


出たら、歴史が変わるわね?

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