表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生救世主編!
88/711

因縁と宿命!桜を守りし者!?

桜の前に現れた松本教師。


彼女に逃げ場はなくなった。


私は桜…


私は仮面を付けた村中の大人達に囲まれ逃げ場を失い、しかも死んだと思っていた先生が生きていて、私を使って何かの儀式を始めようとしていたの。


「先生…どういう事ですか?」


「話した通りだよ。君は私達一族が繁栄するために必要なんだ。協力してくれるね?」


「き…協力って?」


先生は笑みを見せて答えたの。


「君は今からここにいる男達全員の相手をするんだ。そして身籠り、私達の子孫を残すのだよ。更に君は私達の王を産む事が出来る唯一の母体。それは敬意に値する。やってくれるだろ?」


「!!」


何を言っているの?


一族の繁栄のために私が身籠り、子孫を残し、王様を産むって?そんな馬鹿な事を本気で言ってるの?


「君ももう気付いているんだろ?自身が人間でないと言う事に?」


「それは…」


心当たる事は幾つもあった。掌が熱くなって光を放ったり、屋上から落下して怪我一つなかったり、更に私の額に出来た瘤…


「君は母胎になるために呼ばれたのさ。この村に!それが運命だったのさ!」


「そんな…」


化け物の子供を産む事が私の運命なの?私の宿命なの?


でも私には逃げる事も逆らう事も出来ない…


頼みの綱だった先生が私を求め、それが宿命だと言うのであれば、もう私には何も出来ないのだから…


「さぁ?先ずは私の相手をして貰おうか?」


先生は無防備な私を軽々と抱えると祭壇の上に寝かせた。そして上半身の服を脱ぎ出すと、私の服に手をかけ始める。


い、いや…


このまま私は先生に抱かれ、その後は村中の男達の相手をさせられるの?


そんなの…


「嫌…」


涙がこぼれ、その私の姿に逆に欲情した先生が迫ろうとした、その時?



「このロリコン野郎!生徒に手を出すなんて退職じゃすまないぜ?そんな奴は俺が代わりに火傷させてやる!」


「!!」


私も先生も突然現れた声の主を見た時、真上から落下して刀を突き付ける者が?


咄嗟に先生は刀を躱すと、儀式を邪魔させられて怒りの形相を見せる。


「お前達か?我々の邪魔を幾度として来た連中は?」


あの刀を持った人は幾度と私を襲った人?でも何故?


さっき邪魔をしたって?


彼が?


そこに別の二人が姿を見せる。私が泣いてる時にハンカチを渡して消えた白髪の彼に、迷路の道で私を轢こうと向かって来たバスを素手で受け止めた人?


四人の謎の人が儀式を邪魔しに現れたの。


「とにかく無事で良かった。この村に張り巡らされた結界の中を四人で入るのに手こずってしまってね」


白髪の彼が私に服をかけて説明したの。


「今まで侵入出来ても一人三分くらいだったからな?カップラーメンの気分だったぜ」


赤髪の彼が言う。


「それでもお前を守る事は出来た」



私を守るって?


そこで全てが繋がった。


屋上で私が襲ったのは赤髪の彼じゃなくて先生の方?それにバスから助けられて、あの刀を持った人も考えて見れば、あの警官が村の化け物の仲間だったなら…私を救ってくれたのは彼の方? 白髪の彼も私を慰めてくれたし…


「貴方達は?どうして私を助けてくれるのですか?」


「俺達はお前を守るために生まれて来たからだ!当然だろ?」


「私を守るために生まれて来た?意味が解らないです。どうして?」


「話は後にしましょう?先ずはこの状況から片付けないといけませんよ」


白髪の彼に他の三人も頷き私を囲むように立つ。


「先ずはこの幻覚を見せる結界を中より破壊する!お前達、良いか?」


「おぉ!」


四人は印を結ぶと身体が光だしたの!?四人から発する光は私から見える世界を?空間を歪め始める。


「外から破壊は無理だったが、中より破壊する事は可能だったようだ!」


刀を持った彼は亀裂が入る空間に向かって、その刀を振り払ったの!


「!!」


直後、空が!私が見ていた世界が硝子に亀裂が入ったかのように広がっていき、木端微塵に粉砕したのです。


「これは!?」


「全てはまやかし…奴等がお前を閉じ込めるために仕組まれた世界だったのだ」


刀を持った彼が答える。そして私に衝撃的な事実と真相を告げたのです。


私は産まれて間もなく拐われた赤子だったと。そもそも私の両親は本当の両親ではなかった事、一族から私を連れ去った者達だったのだと…


目的は私を化け物の一族に受け渡しをするスパイ。しかし赤子の私を育てていくうちに愛情がわいた育ての両親は私を連れて逃亡。それがついに化け物の一族にばれてしまい事故と見せかけ命を奪われてしまった。そして残された私は、親戚の屋敷に引き取られる名目で化け物の一族が待つ村へと送られた。


私はまんまと罠にはまってしまっていたの。


しかし、私がまだ生きている事に気付いた一族が私の居場所を突き止め、この場所へと四人の選ばれた者達を送り込んだと。


「そんな…」


戸惑う私は、彼らの語る全てを信じる事は出来なかった。もう誰も信じられなくなっていたから…


「私は…人間じゃないわ!私はあの化け物みたいに額に角が出ています!私は人間じゃないのよ!」


すると赤髪の彼が答える。


「なら問題ない。なにせ俺達も人間じゃないからな?」


「えっ?」


「そんな…じゃあ、何だと言うの?」


今度は白髪の彼が答える。


「私達は…」


『龍神族』


り、龍神族?



すると四人の彼等は名乗ったの。


「だが、俺達は龍神族の力を得た聖獣の王の転生者!」


赤髪の彼は身体中より炎が迸ると、両掌に紋様が浮かび上がり、右手には赤き龍の紋様が、左手には鳥のような紋様が輝く!


「俺の名は赤龍朱雀!」


更に白き髪の彼からは右手に風が吹き起こり掌に白き龍の紋様が?左手には白虎の紋様が浮かび上がる。


「私は白龍白虎」


私をバスから助けてくれた彼の右手に黒き龍の紋様が浮かび上がると左掌には亀と蛇らしき紋様が同じく浮かび上がる。


「黒龍玄武」


最後に刀を持った彼の両掌に青い龍の紋様が浮かび上がると、水流が刀を覆う。


「青龍蒼覇」



名乗りをあげた四人に対して、松本先生は下卑た顔を見せて仕切る。


「この娘を取り返しに来たつもりだが、たった四人で何が出来る?ならばお前達も贄とし、今宵をより良きものとしよう!」


すると私達を囲む村の人達が額を押さえながら苦しみ出すと、その身体が額に角を生やした多種多様の人獣の姿へと変貌したの。


「ば、化け物っ!?」


私が脅えるよう叫ぶと、四人は私に答えたの。


「人間と違うから化け物と解釈するのは良くないぞ?」


「私達も人でなく。神でもない。けれど…」


「聖なる志と誇り、信念に生きる種族」


「我等は聖獣の魂と龍神族の血を引き継いだ戦士!」


四人は分散すると同時に化け物を相手に攻撃を仕掛けたの!


「さぁ?火傷じゃすまねぇぜ?俺の翼は極楽炎上だからなぁ!」


身体を回転させながら広がる炎の翼が囲む化け物達を一瞬で消滅させた。


すると化け物達は槍を手に突き出して来たの。


「武器を手にしましたか?それでも私達には敵いません!」


化け物達の突き出された槍の的になった白龍白虎さんが消えると、化け物達の背後に移動していた。


「雷の爪!」


「龍の伊吹!」


右手から雷が散り化け物を貫き、左手から竜巻が化け物達を覆い形を残さずに消し去った。


「爆撃を使え!」


化け物達は銃を持ち出したの。銃弾は全て弾かれる。


「人間の武器に頼るとは劣化したな?己の力で来ないのか?」


黒龍玄武さんは巨大な盾を振り回しながら銃弾を全て弾いていたの。そして、


「足下がお留守だ!」


地面に盾を叩き付けると、地面が揺れて化け物達は立っていられなくなる。


村の化け物達はたった三人によって一掃されていく。


「後はお前達だけだぞ?」


青龍蒼覇さんが刀を向けた先には松本先生と、神官の姿をした男だけが残っていたの。


「こ、こいつら!」


脅える松本先生に、神官は指示をする。


「お前も行くが良い?そして我への忠誠を見せてみよ!」


「そ、そんな…」


松本先生は神官に睨まれ恐怖を感じながらも、刀を手に青龍蒼覇さんに向かって斬りかかる。


「うわぁああああ!」


斬!!


すれ違い様に青龍蒼覇さんの刀が降り下ろされると、松本先生の頭上から真っ二つに両断された。私は寸前に白龍白虎さんに顔を隠され、その惨状を見ずにすんだの。


「後は黒幕のお前だけだぞ!覚悟は良いか?」


神官は無言に私達を見ていた。村の化け物達は全滅し、唯一残った神官はついに真の姿を見せる。


「お前達、異国の龍神族の分際で私に逆らうか?この私を何者だと思っている?この私を誰だと思っているのだ!異国の下等な龍神族がぁ!」


その者を覆う強力な力の波動が私達を怯ませる。


「何者だ?何だ?この力は?くっ!凄まじい覇気だ!この力は?」


青龍蒼覇さんの周りに他の三人が私を囲みながら移動する。そして互いの気を高めながら防御陣を張る。



「竜神島崩壊から新たな母体を手に入れるために私が計画した全てを台無しにしてくれたな?否?あの娘を再び取り戻せば良いだけの事。ならば容易い!」


神官の覇気が更に凄まじくなり、その双肩に二頭の蛇が飛び出して来たの!




場所は変わり、ここは総本山の座主の間。


「!!」


五重の塔の最上階にて座主であられる蛇塚様がその異変に先立って気付いていたのです。


「まさか…過去の亡霊が再び甦ったと言うのか?あの蛇神島の悪夢が再び起ころうとしているのかぁ!!」


そこに、


「すみません。あの…」


そこに現れたのは真坂正義さんと呼ばれる高校生でした。彼は右手に紅く光る石を見せながら、


「僕の中にいるアータルが熱く騒いでいるんです」


すると正義さんの姿が炎に覆われてアータル神の姿へと変わる。


「蛇塚。奴が再び現れたようだぞ?あの憎き宿敵が現世に甦った!」


「そのようです。私から言えば20年くらい前の出来事ですがね」



座主様はアータル神のみを連れて、安倍晴明さんに総本山を任せて旅立ったのです。この私達がいるこの地へと向かって!


再び甦った…


お二方との因縁の大蛇の蛇神・アジ・ダハーカの復活!!


次回予告


蛇龍王アジ・ダハーカとは?


座主とアータル神との因縁とは?


そして桜と四人の竜神の戦士達は?


どうなるのか?


※蛇龍王アジ・ダハーカと座主蛇塚の因縁は転生記シリーズ第二部

「神を導きし救世主」にて描かれています。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ